サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

2009年09月  >
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30
カテゴリアーカイブ
最新記事
最新コメント
内職
論文の別刷 (05/10)
最新トラックバック
 (08/26)
チョコレートで紫外線障害を予防 [2009年09月11日(金)]
今月の美容皮膚科学の専門ジャーナルに,チョコレートの摂取が紫外線による皮膚障害を抑制する,という臨床研究がイギリスのグループから報告されていました。
(J Cosmet Dermatol. 2009 Sep;8(3):169-73.)



カカオには抗酸化作用を有するポリフェノール(カカオポリフェノール)が豊富に含まれ,生活習慣病予防効果が期待されています。


これまでの臨床研究では,カカオ製品であるチョコレート(ダークチョコレート)やココアによる高血圧改善作用などが示されてきました。


最近では,カカオポリフェノール含有サプリメントも製品化されています。



さて,今回の研究では,カカオ由来のフラボノール(ポリフェノールの1種)を豊富に含むダークチョコレートによる紫外線保護作用が検証されています。



具体的には,健康な被験者30名を対象に,高用量フラボノール含有チョコレートあるいは低用量フラボノール含有チョコレートのいずれかを20グラム/日の用量で12週間摂取させ,最小紅斑量(minimal erythema dose,MED)が指標として測定されました。
(ランダム化二重盲検試験)



(紫外線UVBを皮膚に照射すると,紅斑が生じます。

MEDとは,肉眼的にもっとも軽 い紅斑が出現するのに要するエネルギー量です。

例えば, 光線過敏性皮膚疾患では,MEDは低下します。)




投与前後におけるMEDを比較した結果,高フラボノール含有チョコレート摂取群では,MEDが2倍以上,上昇したということです。

(つまり,紫外線障害に対する抵抗性を示したことになります。)


一方,低フラボノール含有チョコレート摂取群では,投与前後において有意な変化は認められていません。



以上のデータから,カカオポリフェノール/フラボノールを多く含むダークチョコレートの摂取は,紫外線による皮膚障害に対する保護作用を示すと考えられます。




なお,紫外線対策は,

・紫外線への暴露を避ける

・帽子や日傘を使う

・日焼け止めクリームを使う

・(紫外線で生じる酸化障害やメラニン合成対策として)L-システインやビタミンCをとる

といったことが優先されます。



現時点では,「紫外線対策にダークチョコレートを」といったようなコンセンサスは得られてないと思います。




------------------------------------------------------------------
医療関係者のための健康食品情報サイト【DHCサプリメント研究所】
------------------------------------------------------------------
posted at 23:53 | この記事のURL
コメント(0) | トラックバック(0)
プロフィール


医学博士 蒲原聖可
自己紹介
ブログ
リンク集

http://www.dhcblog.com/kamohara/index1_0.rdf
ログイン
Mypagetopに戻る