栄養学の専門ジャーナルに、カルシウムサプリメントによる骨折予防効果を示したヒト臨床試験が、スイスと米国のグループから報告されていました。
(
Am J Clin Nutr 2008 87: 1945-1951.)
カルシウムは、骨や歯の健康維持に必要なミネラルの1種です。
これまでの研究では、健常者において、カルシウムサプリメントの単独投与が骨折のリスクを低減するかどうか、必ずしも明確な結論が得られていません。
そこで、今回の研究では、健常者930名(平均年齢61歳)を対象に、1日あたり3グラムの炭酸カルシウム(1,200mgのカルシウム)サプリメント、あるいは偽薬を4年間投与し、平均10.8年間のフォローアップが行われました。
その結果、カルシウムサプリメント投与群の464名中、46例 (うち15例は外傷) にて骨折が認められました。
また、偽薬群の466名中、54例(うち29例は外傷)にて骨折が報告されました。
試験期間中(サプリメントあるいは偽薬投与中の4年間)の解析では、骨折リスクについて、両群間で有意な差が認められています。
(ハザード比 0.28)
一方、投与終了後の観察期間中には、両群間での有意差は示されませんでした。
(ハザード比 1.10)
以上のデータから、カルシウムサプリメントの投与による骨折リスクの低減効果が期待されます。
この作用は、サプリメント中止後には示されていないことから、継続した利用が好ましいと考えられます。
カルシウムだけではなく、マグネシウムも、骨や歯の形成に必要なミネラルです。
そのため、カルシウムを含むサプリメントとして、
カルシウム[ホタテ]、
カルシウム[コーラル]、
カルシウム(キッズ)などの他に、
カルシウム/マグといった製品があります。