サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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オリーブポリフェノールと骨の健康 [2008年08月11日(月)]
オリーブオイル由来のポリフェノールによる骨の健康に対する作用を検討した基礎研究が、フランスとギリシアのグループから発表されていました。
(Puel et al. PA400)


研究では、閉経後の骨粗鬆症モデル動物であるラットを対象に、オリーブオイルに含まれるポリフェノール類(オレユロペン、チロソール、ヒドロキシチロソール)が投与され、その作用が検討されています。

その結果、オリーブオイルポリフェノール(オレユロペン)投与による抗炎症作用・抗酸化作用が認められ、骨減少が抑制されたということです。


このデータから、オリーブオイル由来のポリフェノールによる骨粗鬆症予防作用が示唆されます。
(これらのポリフェノールはオリーブリーフ末にも含まれています。)

なお、今回のデータは基礎研究ですので、臨床的意義についての検討がさらに必要と考えられます。
posted at 23:52 | この記事のURL
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移動日 [2008年08月10日(日)]
今日は移動日でした。

posted at 23:56 | この記事のURL
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アロエによる糖代謝改善作用メカニズム [2008年08月09日(土)]
昨日のブログで、アロエによる糖尿病改善作用を示した予備的なヒト臨床研究を紹介いたしました。


今日のデータは、アロエ成分による作用メカニズムを検討した基礎研究です。
(Pl Med 74;926:2008 SL78)

アディポネクチン産生作用を指標に、2,059種類の植物由来成分をスクリーニングした結果、aloesinとaloesinolの2種類の分子が、脂肪細胞への分化過程でアディポネクチン産生亢進を示したということです。


糖尿病モデル動物を用いてアロエ由来成分の作用を検討したところ、糖代謝改善作用が示されています。

(インスリン抵抗性の改善作用、耐糖能の改善作用など。)


さらに、アロエ由来成分を経口投与されたマウスの脂肪細胞では、アディポネクチン遺伝子発現の亢進が認められました。



以上のデータから、アロエに由来する成分は、アディポネクチンの分泌促進作用を介して、インスリン抵抗性を改善し、抗糖尿病作用を示すと考えられます。


今後の臨床研究の進展が期待される分野です。
posted at 23:52 | この記事のURL
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アロエの糖尿病改善作用 [2008年08月08日(金)]
アロエによる糖尿病改善作用を示す予備的なヒト臨床研究が、米国のグループから発表されていました。
(Pl Med 74;926:2008 SL77)


アロエは、日本の民間療法でも、火傷など皮膚障害に対して外用に用いられてきました。

また、糖尿病モデルマウスを使った基礎研究では、アロエによる抗糖尿病作用が知られています。

しかし、これまでにヒト臨床研究は知られていませんでした。


今回の研究では、アロエ(Aloe vera)製品2種類を用いて、メタボリック症候群の被験者45名を対象に、1日あたり1,000mgのアロエ抽出物あるいは偽薬が8週間投与され、糖代謝に対する影響が検討されました。

その結果、アロエ投与群では2種類とも、投与前値に比べてHbA1cが5%低下し、有意差が認められています。

また、空腹時血糖値も低下傾向が示されています。

このとき、肝機能や腎機能、ホルモン系などの指標において有害事象は認められておらず、一定の許容性が示されました。

なお、脂質代謝の指標には有意な変化は認められていません。


論文著者らによると、このデータは、アロエによる糖尿病改善作用を示した最初のヒト臨床試験(偽薬対照試験)であるということです。

作用機序の解明も含めて、今後の研究の進展が期待される分野です。
posted at 23:54 | この記事のURL
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母乳中のエキナセア [2008年08月07日(木)]
エキナセアの母乳への移行を調べたヒト臨床研究がオーストラリアのグループから発表されていました。
(Pl Med 74;921:2008 SL59)


エキナセアは、風邪の初期に摂ることで症状を軽減する働きがあり、安全性も高いことから、広く利用されているハーブサプリメントの一つです。

これまでの研究では、エキナセアの経口摂取後に、エキナセア由来成分が血中に見出されることが知られています。

しかし、授乳中における意義は十分に検討されていませんでした。


ナチュロパシー(自然療法)の視点では、乳児に対して母乳を介したハーブの投与方法が知られています。

母体によるスクリーニングを経ることで、安全性の高い成分を投与するという概念です。


一方、アロパシー(治療医学/対症療法)の視点では、母親の摂取した薬剤が、母乳を介して乳児に移行することに関して、有害事象の可能性についての議論が行われます。



さて、今回の研究では、35歳のボランティアを対象に、エキナセアの錠剤を摂取させ、母乳中の濃度が測定されました。

その結果、経口摂取後、1時間から4時間の間にエキナセア由来成分が見出されたということです。


母乳における濃度は、これまでに報告された血中濃度と類似したものになっています。


以上のデータから、エキナセアの母乳中への移行が確認されたことになります。



エキナセアは安全性の高いハーブであり、これまでの症例シリーズでは、妊娠中の摂取でも特に問題はなかったという報告もあります。

一般的には、体質による個人差もありますので、妊娠中や授乳中の摂取は、慎重であるべきと考えられます。

一方、これまでのデータに基づくと、風邪の初期に短期間に利用するのであれば、妊娠中や授乳中でも比較的許容性は高いといえるでしょう。
posted at 23:53 | この記事のURL
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ブラックコホシュと近縁種の区分 [2008年08月06日(水)]
ブラックコホシュと近縁種の生薬との区分方法について、スイスのグループからHPLCを使った方法が発表されていました。
(Pl Med 74;916:2008 SL42)


ブラックコホシュは、更年期対策のサプリメント成分として、米国を中心に広く利用されています。

今回の研究は、ブラックコホシュCimicifuga racemosa (A. racemosa)を近縁種のC. foetida, C.heracleifolia, C.dahurica, C.americanaと見分けるための迅速で実用的なHPLCによる方法を確立したという報告です。


このような基礎研究は、ハーブサプリメントの品質管理に有用と考えられます。


posted at 23:58 | この記事のURL
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ニガウリ(苦瓜)の抗糖尿病作用に関連する新規成分 [2008年08月05日(火)]
ニガウリ(苦瓜)の抗糖尿病作用に関連して、新規成分を見出したという研究が中国と豪州のグループから発表されていました。
(Pl Med 74;913:2008 SL30)


ニガウリは、食後過血糖を抑制し、糖尿病改善作用を有するため、糖尿病対策のサプリメント成分として広く利用されています。

今回の研究では、4種類のcucurbitane(cucurbitane Q, R, S, T)配糖体を新規成分として同定しています。

3T3-L1細胞において、インスリン依存性糖輸送タンパク質であるGlut4のトランスロケーションを指標に活性を測定したところ、これらの新規成分は、インスリンに匹敵する作用を示したということです。

また、高脂肪食投与マウスの腹腔内にcucurbitane Tを投与したところ、インスリン抵抗性の改善が認められました。


ニガウリは食経験が豊富な食材であり、一定の安全性が担保されています。

今後、ヒト臨床研究による検証が期待される分野です。


posted at 23:50 | この記事のURL
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西洋シロヤナギの抗炎症作用 [2008年08月04日(月)]
生薬学関連学会の抄録に、西洋シロヤナギ抽出物による抗炎症作用と抗がん作用を示した基礎研究が、ドイツのグループから発表されていました。
(Pl Med 74;912:2008)

実験では、西洋シロヤナギ抽出物による抗炎症作用が、NSAIDsと比較されています。

また、抗がん作用については、大腸がん細胞系におけるアポトーシス誘導作用が検討されました。

その結果、西洋シロヤナギ抽出物による有意な抗炎症作用およびアポトーシス誘導作用が示されています。

これらの作用は、NSAIDsと同等であったということです。


生薬成分のシナジーによる効果は、有効性と安全性のバランスという点で、NSAIDsよりも優れている可能性があり、今後の研究の進展が期待されます。
posted at 23:57 | この記事のURL
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ケルセチンの抗ウイルス作用 [2008年08月03日(日)]
生薬学関連学会の抄録に、ケルセチンによる抗ウイルス作用と抗炎症作用を示した基礎研究が米国のグループから発表されていました。
(Pl Med 74;910:2008)


ケルセチンは、フラボノイド系ファイトケミカルの1種で、植物性食品に含まれています。

これまでの研究では、抗酸化作用や抗炎症作用が示されてきました。


ケルセチンは、経口投与時にはその60%が速やかに吸収・代謝され、全身の各組織に分布します。

呼吸器系では、比較的高濃度が見出されることが知られています。


今回の研究では、ヒト呼吸器系培養細胞にライノウイルスを作用させた実験系、および、マウスにインフルエンザを作用させた系において、ケルセチンによる抗炎症作用・抗ウイルス作用が認められたということです。


ケルセチンは、食経験が豊富で安全性の高い成分と考えられます。


今後、臨床的意義の検討が期待される分野です。
posted at 23:54 | この記事のURL
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高脂肪食による酸化障害 [2008年08月02日(土)]
今月の栄養学の専門ジャーナルに、高脂肪食摂取後の抗酸化物質に関するヒト臨床研究が報告されていました。
(BJN 100;312-316:2008)


研究では、健常者25名を対象に、高脂肪食(60グラムの脂肪含有)摂取後の、中性脂肪、尿酸、HDL、タンパク質、酸化障害が測定されました。

その結果、高脂肪食摂取後には抗酸化成分の指標である尿酸値が有意に低下し、酸化障害の指標の低下と関連が認められたということです。


論文著者らは、抗酸化成分としての尿酸の意義、および高脂肪食による急性酸化障害について考察しています。
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高フルクトース食による脂質代謝への影響 [2008年08月01日(金)]
今月の栄養学の専門ジャーナルに、フルクトース(果糖)の多い食事による脂質代謝への影響を検討した臨床研究が、スイスのグループから報告されていました。
(BJN 100;393-399:2008)


研究では、健康な男性被験者6名を対象に、高フルクトース含有食あるいは対照食を7日間摂取させ、血中の脂肪酸などを測定し、脂質酸化に対する影響が検討されています。

投与前値、脂質負荷時、メンタルストレス負荷時といった条件下での比較が行われた結果、高フルクトース食によって、脂質酸化の低下が認められたということです。

また、高フルクトース食による乳酸値の上昇や乳酸産生の増加が示されています。


今回の研究データから、高フルクトース食による脂質酸化および脂肪分解の抑制作用が示され、機序として、乳酸産生増加による乳酸利用の促進の関与が示唆されます。


posted at 23:53 | この記事のURL
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