臨床栄養学の専門ジャーナルに、コエンザイムQ10サプリメント投与による血中の酸化還元状態の改善作用を示した臨床研究が、ドイツのグループ(Witten-Herdecke University)から報告されていました。
(
J Clin Biochem Nutr. 2016 May;58(3):240-5)
コエンザイムQ10は、抗酸化作用やATP産生作用を有する機能性成分で、体内でも産生されます。
しかし、加齢とともに内在性コエンザイムQ10は減少し、生活習慣病や慢性疾患でも低下がみられることから、アンチエイジング分野で広く摂取が推奨されているベーシックサプリメントです。
健康な人や未病の状態では、1日あたり90mg〜110mg程度をベーシックサプリメントとして毎日摂取します。
一方、何らかの疾患があり、補完療法として用いる場合には、1日あたり100mg〜300mg程度の利用になります。
欧州の研究では、
がん患者にコエンザイムQ10を投与することで、延命効果がみられたという報告もあります。
さて、今回の研究では、
18歳から92歳までの欧州の成人860名を対象に、
血中コエンザイムQ10の状態と年齢や性別との関連が調べられました。
まず、
血中CoQ10値と年齢との間には、逆U型の相関が認められました。
また、年齢にかかわらず、
女性では、コレステロール値による補正後のCoQ10値が、男性よりも低値でした。
男女とも、加齢にしたがって、CoQ10値が低下し、
レドックス状態が酸化型に偏っていたということです。
総コエンザイムQ10値と、コレステロール値との間には、有意な正の相関が認められました。
コレステロール値で補正したコエンザイムQ10値と、
酸化型コエンザイムQ10値との間には負の相関が認められています。
この相関は、年齢や性別とは無関係であり、
かつ、
1日あたり150mgの還元型コエンザイムQ10の14日間の投与により改善が認められました。
以上のデータから、
血中コエンザイムQ10値およびCoQ10の酸化還元状態は、年齢や性別、その他の交絡因子によって異なり、
特に、
高齢者では、
血中コエンザイムQ10の低下、酸化還元状態の酸化型へのシフトによる抗酸化能の低下などの問題が示唆されます。
コエンザイムQ10は、ATP産生作用や抗酸化作用を介して、さまざまな生活習慣病に効果が示されています。
健康な人や未病の状態では、1日あたり90mg〜110mg程度をベーシックサプリメントとして毎日摂取します。
一方、何らかの疾患があり、補完療法として用いる場合には、1日あたり100mg〜300mg程度の利用になります。
コエンザイムQ10には、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)と還元型(=ユビキノール,ubiquinol)があります。
還元型CoQ10のほうが、酸化型CoQ10よりも体内で利用されやすいと考えられます。
(酸化型CoQ10は、体内に吸収された後、いったん還元されてから、利用されます。)
コエンザイムQ10に関するこれまでの研究の多くは、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)を用いています。
したがって、一般的には、生活習慣病の予防やアンチエイジング目的に関して、
酸化型CoQ10のユビキノンの摂取で十分な効果が期待できます。
一方、特定の疾患に対して用いる場合、あるいは、体内の生理機能が低下している高齢者の場合には、
還元型CoQ10の利用が推奨されます。
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