分子栄養学研究の専門ジャーナル(電子版)に、クランベリー由来ポリフェノールによる血管内皮機能改善効果を示した臨床研究が、欧州(ドイツとポルトガル)のグループから報告されていました。
(
Mol Nutr Food Res. 2016 May 31.)
クランベリー(Vaccinium macrocarpon)の果実(果汁)は、有効成分としてアントシアニン類やキナ酸、トリテルペン類、カテキン類、タンニン類、フラボノール類を含み、膀胱や尿道への細菌付着を抑制する作用があります。
今回の研究では、
健常者において、
クランベリー果汁摂取による血管機能への作用が検証されました。
具体的には、
二重盲検ランダム化偽薬対照クロスオーバー法にて、
健康な男性10名を対象に、
クランベリー由来ポリフェノールが
総ポリフェノール量;409, 787, 1238, 1534, 1910mgの含有果汁として、投与され、
(あるいは対照飲料が投与され)
投与開始時、摂取1時間後、2時間後、4時間後、6時間後、8時間後に
FMD(血管拡張反応, flow-mediated dilatation)、
血圧、
脈波速度(Pulse Wave Velocity ; PWV)、
が測定されました。
血中のポリフェノール代謝産物も調べられています。
解析の結果、
FMDは、クランベリーの用量依存的に、
1, 2, 4, 6, 8時間後に増加し、
ピークは4時間後でした。
また、
1238mgの総ポリフェノール摂取時が最大でした。
クランベリー摂取後の血漿の解析では、
60種類の代謝産物が同定されました。
そのうち、12種類の(ポリ)フェノール代謝物が、FMDの増加と有意に相関していたということです。
具体的には、
フェルラ酸、カフェ酸、ケルセチン-3-O-ß-D-グルクロニド、γ-バレロラクトンなどです。
以上のデータから、
健常男性において、
クランベリーポリフェノールの摂取による血管機能改善作用が示唆されます。
また、それに関与する機能性食品成分は、ポリフェノールの代謝産物のうちの複数の分子であると考えられます。
今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。
クランベリー果汁は酸味が強いため、そのままでは食用に向かず、一般に甘味料が添加されます。
尿路感染症の再発予防に対して、果汁の代わりに
クランベリーのサプリメントも広く利用されています。
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