サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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マルチビタミン長期摂取で男性医師の心血管疾患が減少 [2016年06月09日(木)]
今月の栄養学の専門ジャーナルに、マルチビタミンサプリメントによる心血管疾患のリスク低減作用を示した臨床研究が、米国のグループ(Brigham and Women's Hospital, Boston)から報告されていました。
(J Nutr. 2016 Jun;146(6):1235-40)


マルチビタミンサプリメントは、必須栄養素の補完的な摂取から生活習慣病予防といった目的で広く利用されています。


しかし、マルチビタミンの投与では介入の作用が緩徐であるため、臨床研究では検出力不足となり、有用性を示すことが容易ではありません。


マルチビタミンサプリメントとがんに関して、

50歳以上の米国の男性医師14,641名を対象にした研究で、

マルチビタミンによるがんリスク低減効果

というデータが報告されています。


また、
マルチビタミン・ミネラルと死亡率の関係:メタ解析
という報告もあります。


さて、
今回の研究では、

マルチビタミンサプリメントによる心血管疾患の一次予防効果が検証されました。


具体的には、

40歳以上の男性医師18,530名を対象に、
(1982年の開始時点で、心血管疾患およびがんを有していない被験者)

食事調査及びサプリメントの摂取調査が行われました。

(Physicians' Health Study Iというコホート研究の一環です。)


平均12.2年間のフォローアップ(合計225,287患者年)が行われ

重大な心血管疾患(非致死的な心筋梗塞および脳卒中、心血管死)が1697例、見出されています。


多変量解析の結果、

まず、
主要な心血管疾患イベントのリスクに関して、

試験開始時のマルチビタミンサプリメントの利用者と非利用者との間に有意差は認められませんでした。
(HR: 0.94; 95% CI: 0.84, 1.05)


次に、
層別解析では、

試験開始時に
マルチビタミンサプリメントを20年以上利用している被験者では、

心血管疾患のリスクが44%低下していたということです。

(HR: 0.56; 95% CI: 0.35, 0.90; P-trend = 0.05)


また、

マルチビタミンサプリメントの利用は、

冠動脈再建術リスクの低減と有意な相関が認められました。

(マルチビタミンサプリメントの利用により、冠動脈再建術の施行が14%低下。)

(HR: 0.86; 95% CI: 0.75, 0.98)

試験登録時のマルチビタミンサプリメントの利用は、その他の心血管疾患のエンドポイントとの相関は見出されませんでした。


以上のデータから、

健常な男性において、

20年以上のマルチビタミンサプリメントの利用による心血管疾患の一次予防効果が示唆されます。

一般に、
日本のように、平均的な食生活が比較的豊かな状態では、

マルチビタミンやマルチミネラルといった、機能性作用が緩徐な機能性成分のサプリメント投与による顕著な健康改善効果は実感しにくいと思います。



一方、厚労省の国民健康栄養調査では、

平均的な日本人の食生活では、

カルシウムの摂取不足、

マグネシウムの摂取不足、

亜鉛の摂取不足が報告されています。


特に、

若年女性では、自己流の無理なダイエットによる微量栄養素の潜在的不足のリスクが考えられます。



したがって、過去何十年にもわたって摂取不足が示されているミネラル(カルシウム、マグネシウム、亜鉛)については、「○○の豊富な食材の○○を摂りましょう」というのではなくて、

安全性、有効性、経済性(1か月分で数百円程度)のバランスに優れたマルチミネラルサプリメントを上手に利用するほうがいいと考えます。




一方、先進国の臨床研究では、ビタミンやミネラルサプリメントの投与によって、健康増進や疾病予防効果を見出した例は、限られており、多くが検出力不足でネガティブデータとなっています。



(なお、

フランスの男性喫煙者では抗酸化ビタミンサプリメント投与による全がん死亡率の低下、

米国の男性医師ではマルチビタミンサプリメント投与による全がん死亡率の低下、

といった効果が報告されています。)



一般に、マルチビタミンやマルチミネラルのサプリメントは、食事で不足しがちな必須栄養素を補う目的で用いられます。


したがって、よほど栄養状態に問題がある地域の対象者でないと、

マルチビタミンサプリメントで、がん予防や死亡率低下、という結果にはなりません。


(日本人の場合、現代の食生活では潜在的な栄養素の不足という問題は想定されますが、

マルチビタミンの投与で死亡率低下というデータまでは検出できないと思います。)



(なお、

マルチビタミン・ミネラルサプリメントによる抗がん作用や死亡率低下のメカニズムとしては、

ビタミンCやビタミンE、セレンといった抗酸化作用を持つ成分が、

酸化障害の抑制を介して、抗がん作用および生活習慣病予防効果を示す、

となります。)




マルチビタミンサプリメントとがんに関して、


50歳以上の米国の男性医師14,641名を対象にした研究で、

マルチビタミンによるがんリスク低減効果

というデータが報告されています。



また、

マルチビタミン・ミネラルと死亡率の関係:メタ解析


という報告もあります。




なお、健康増進及び疾病予防には、適切な食習慣や運動習慣が基本であり、サプリメント・健康食品がそれらに置き換わるわけではありません。


医療専門誌によるマルチビタミン摂取の推奨論文としては、次の2つがよく知られています。

(1)NEJM誌(1998)の論説

「Eat Right and Take a Multivitamin」


『適切な食事を摂り、マルチビタミンも利用しましょう』

(神経管欠損症予防、動脈硬化性疾患予防の意義)

(Oakely GP. NEJM. 1998 Editorial )


(2)JAMA誌(2002)の総説

「Vitamins for chronic disease prevention in adults」


『成人は、毎日、マルチビタミンサプリメントを摂取するべき』

(先進国では欠乏症は稀であるが、至適濃度を下回ることのリスクがある。)

(Fletcher.et al. JAMA. 2002 )



DHCでは、適正な価格で高品質のマルチビタミンマルチミネラルカルシウム・マグネシウムを提供しています。


中高年以上の疾病予防・健康増進のためには、


下記のサプリメントは、すべてベーシックサプリメントとして摂取が推奨できます。


すべての摂取にかかるコストは1か月分で、2,000円程度から、ですので、

安全性・有効性に加えて、経済性(費用対効果)にも優れています。



マルチビタミン、
(マルチビタミン 徳用90日分 \886(税込\956)) ⇒1ヵ月分は約300円。



マルチミネラル、
(マルチミネラル 徳用90日分【栄養機能食品(鉄・亜鉛・マグネシウム)】\1,239(税込\1,338))  ⇒1ヵ月分は約450円。



ビタミンC ハードカプセル(1,000mg)
(ビタミンC(ハードカプセル)徳用90日分【栄養機能食品(ビタミンC・ビタミンB2)】\629(税込\679)) ⇒1ヵ月分は約210円。




ビタミンD3
(ビタミンD3 30日分 \286(税込\308))   ⇒1ヵ月分は約300円。




コエンザイムQ10、
(コエンザイムQ10 包接体 徳用90日分  通常価格\2,143(税抜))  ⇒1ヵ月分は約700円。






↑ 上記は、合計で一か月分が約2,000円ほどです。中高年以上の全員に推奨できるベーシックな成分です。






↓ 下記の成分は、上記に加えて追加する場合に、優先されるサプリメントです。



EPA、
(EPA 30日分 \950(税込\1,026))





DHA、
(DHA 30日分 \1,191(税込\1,286))




乳酸菌
(届くビフィズス 30日分 通常価格 \1,429(税抜))






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