糖尿病治療の専門ジャーナル(電子版)に,マグネシウム摂取と,糖尿病リスク低減との関連を示した調査研究が,米国のグループ(University of North Carolina at Chapel Hill)から報告されていました。
(
Diabetes Care. 2010 Aug 31.)
糖尿病の病態には,慢性炎症やインスリン抵抗性が関与します。
必須ミネラルのひとつであるマグネシウムは,糖代謝における補因子のひとつであることから,今回の研究では,マグネシウムの長期間の摂取状況と,糖尿病のリスクとの関連が調べられました。
具体的には,(調査開始時点では糖尿病を有していない)18歳から30歳までの米国人4,497名を対象に,マグネシウム摂取量を調査し,炎症マーカー(hs-CRP,IL-6など)や糖代謝との関連について,前向き研究が行われています。
20年間のフォローアップの結果,330名が糖尿病を発症しました。
交絡因子で補正後,マグネシウムの摂取と,糖尿病罹患率との間には負の相関が見出されています。
マグネシウム摂取量の5分位のうち,最高位の群(中央値201.5mg/1,000kcal)では,最も少ない群(中央値99.9mg/1,000kcal)に比べて,糖尿病罹患リスクが47%低かったということです。(95%CI:0.32-0.86,P(trend)<0.01)
(マグネシウムの摂取量は,食事由来とサプリメント由来の合計です。)
また,炎症に関連した指標のhs-CRP, IL-6, フィブリノゲン,インスリン抵抗性の指標であるHOMA-IRについても,マグネシウムの摂取量と負の相関が示されています。
以上のデータから,マグネシウムによる,抗炎症作用および糖代謝改善作用を介した糖尿病罹患リスク低減作用が示唆されます。
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