今月のうつ病研究の専門ジャーナルに,肥満とうつに共通する遺伝素因を探索した臨床研究が,米国のグループ(UCSD)から報告されていました。
(
Depress Anxiety. 2010 Sep;27(9):799-806.)
これまでの研究では,女性における肥満とうつ病について,一定の関連が示唆されています。
今回の研究では,双子を対象に,肥満とうつ病について,遺伝素因の共通性が検証されました。
具体的には,双子の女性(一卵性双生児712名,二卵性双生児281名)を対象に,うつ関連指標,BMIが解析されています。
BMI 30以上を肥満と定義し,交絡因子での補正後,遺伝素因と環境因子の相互作用を検証した結果,
うつ病と肥満の表現型において有意な相関が見出されたということです。
(オッズ比=1.6, 95%CI=1.2-2.1)
相加的な遺伝素因の影響は,うつ病で57%,肥満で81%でした。
最良適合二変量モデルでは,うつ病遺伝素因の12%が,肥満素因と共通であることが見出されています。
以上のデータから,肥満およびうつ病の病態には共通の遺伝素因の関与が示唆されます。
共通した遺伝因子を標的とする介入方法(医薬品や機能性食品など)が見つかれば,個別化医療の手段として用いることができるようになるかもしれません。
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