糖尿病合併症研究の専門ジャーナル(電子版)に,αリポ酸による糖尿病神経障害の抑制作用を示した基礎研究が,米国のグループ(University of North Carolina at Chapel Hill)から報告されていました。
(
J Diabetes Complications. 2010 Aug 26.)
αリポ酸は,欧米では2型糖尿病対策の機能性成分として知られており,特に神経障害を予防,改善する目的で広く利用されています。
高血糖や脂質異常は,酸化ストレスを生じ,糖尿病神経障害の進展に関与することから,抗酸化作用のある機能性食品素材のαリポ酸の効果が認められると考えられます。
今回の研究では,apoE-/-マウスを用いて,STZ誘導糖尿病モデルにおける高脂肪食負荷時のαリポ酸の効果が検証されました。
解析の結果,αリポ酸非投与(対照)群と比べて,αリポ酸投与群では,膵β細胞の保護作用,コレステロール値の低下,アルブミン尿の抑制,腎臓保護作用といった働きが見出されたということです。
また,αリポ酸の腎臓保護作用については,STZ投与の4週前,同時投与,糖尿病誘導後の投与のいずれにおいても同程度の効果が見出されています。
αリポ酸投与によって,糖尿病神経障害および酸化障害は有意に改善し,腎臓でのいくつかの遺伝子(Rage,Sod2,Tgfb1,Ctgf,Pdp2,nephrin,Lias)発現にも影響が認められました。
以上のデータから,αリポ酸による抗酸化作用を介した糖尿病性神経障害の進展抑制作用が示唆されます。
αリポ酸サプリメントは,ダイエット関連というイメージがありますが,抗酸化作用による多彩な効果が期待できる成分です。
具体的には,メラニン抑制による美白作用,運動時の酸化障害低減作用,キレート作用によるデトックス効果などがあり,ベースサプリメントとして推奨できる成分と考えます。
(ただし,ごくまれに体質に合わないこともありますので,その場合は摂取を中止してください。)
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