今月の歯科学の専門ジャーナル(電子版)に,妊婦における歯周の状態とビタミンDとの関連を調べた研究が,米国のグループから報告されていました。
(
J Periodontol. 2010 Sep 1.)
歯周病は,妊婦の40%に認められ,妊娠期におけるネガティブなアウトカムとして影響します。
ビタミンDの欠乏症は歯周病や歯牙喪失に関与することから,妊婦におけるビタミンDの状態が歯周状態に影響することが考えられます。
そこで,今回の研究では,妊婦を対象にビタミンDと歯周病との関連が調べられました。
具体的には,歯周状態が健康な妊婦を対象として,血中25-ヒドロキシビタミンD(25(OH)D)値が測定されています。
(症例対照研究)
75nmol/L未満をビタミンD欠乏として定義し,症例群(117名)と対照群(118名)を比較したところ,
症例群における25(OH)Dの中央値は,対照群に比べて有意に低い値でした。
(59 vs. 100 nmol/L, P<.001)
また,ビタミンD欠乏の割合も,症例群のほうが対照群よりも有意に高率となっています。
(65% vs. 29%, P<.001)
中等度から重症の歯周病について,補正後のOR(95%CI)は,ビタミンD欠乏症では2.2倍(.99-4.5)に達していました。
以上のデータから,妊婦におけるビタミンDの欠乏は,歯周炎と有意に関連しており,ビタミンDの投与が歯周の健康維持に有用であると示唆されます。
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