今月の更年期関連疾患研究の専門ジャーナル(電子版)に,大豆の摂取による更年期症状の改善作用を示した臨床研究が,ブラジルのグループ(State University of Campinas)から報告されていました。
(
Maturitas. 2010 Sep 10.)
大豆には,女性ホルモン様作用を有するファイトケミカルのイソフラボン類が存在します。
大豆および大豆イソフラボンは,更年期障害や婦人科系疾患の予防/リスク低減を目的としたサプリメントの成分に利用されています。
今回の研究では,更年期障害の症状改善に対して,低用量のホルモン補充療法の代替療法として,大豆投与の有用性が検証されています。
具体的には,(更年期症状を有する以外は)健康な40〜60歳の女性60名を対象に,大豆投与群,ホルモン補充療法群,あるいは偽薬の3群に分けて16週間の介入試験が行われました。
(二重盲検ランダム化偽薬対照試験)
大豆投与群:イソフラボン90mg含有
ホルモン補充療法群:エストラジオール1mg+酢酸ノルエチステロン0.5mg
ITT解析の結果,各群間での有意差は見出されませんでした。
MRS(更年期測定基準Menopause Rating Scale)による心理学的・身体的・生殖器関連症状は,各群で改善が示されています。
(ただし,偽薬群では生殖器関連症状に有意な変化は認めてられていません。)
各群の比較によると,
身体症状(ほてりと筋痛)は,
ホルモン補充療法群では-45.6%と有意に改善,
大豆投与群でも-49.8%と,有意に改善が認められました。
また,泌尿器・生殖器症状(膣部の乾燥感)は,
ホルモン補充療法群では-38.6%と有意に改善,
大豆投与群でも-31.2%と,有意に改善が認められました。
一方,MRSスコア全般では,各群間での有意差は示されていません。
以上のデータから,更年期障害に対して,大豆投与は,ホルモン補充療法に準じる効果が示唆されることから,代替のアプローチとしての有用性が示唆されます。
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