今月のフリーラジカル研究の専門ジャーナルに,COPD(慢性閉塞性肺疾患)における酸化ストレス状態と食事因子との関連を調べた研究が,スペインのグループ(CREAL)から報告されていました。
(
Free Radic Res. 2010 Sep 6.)
COPDは,喫煙が原因で肺機能が障害された慢性疾患です。
(したがって,禁煙が唯一の予防法になります。)
今回の研究では,臨床的に安定した病態のCOPD患者において,血中酸化ストレスマーカーを指標として,食事・栄養因子との相関が検証されています。
具体的には,COPD患者267名を対象に,122項目にわたる食事調査が2年間収集され,血中のカルボニル化タンパク質,ニトロチロシン,マロンジアルデヒド,GSHが測定されました。
(種々のタンパク質は,活性酸素による酸化障害のターゲットとなります。主なタンパク質酸化修飾物として,カルボニル化タンパク質やニトロチロシン等があります。)
解析の結果,喫煙者において,ビタミンEは,カルボニル化と有意な負の相関を示し(p = 0.05),
オリーブオイルの摂取は,GSH値と有意な正の相関(p = 0.01)を示したということです。
(つまり,COPDにもかかわらず,喫煙者である患者では,ビタミンEによって酸化障害が抑制され,オリーブオイルによって抗酸化能が亢進することが示唆されます。)
また,(かつての喫煙者で)禁煙したCOPD患者では,野菜の摂取は,マロンジアルデヒドの有意な減少(p = 0.04)と相関が認められています。
その他の抗酸化作用を有する食事因子と,酸化障害マーカーとの間には有意な相関は見出されませんでした。
以上のデータから,COPD患者における酸化障害を抑制するために,食事因子の有用性が示唆されます。
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