サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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スイカによる血圧調節作用 [2010年10月19日(火)]
循環器病学の専門ジャーナルに,スイカ抽出物による血圧への作用を調べた予備的な臨床研究が,米国のグループ(Florida State University)から報告されていました。
(Am J Hypertens. 2010 Jul 8.)




スイカ抽出物には,アミノ酸の1種であるL-シトルリンが豊富に含まれます。

経口摂取されたL-シトルリンは,L-アルギニンに変換され,血管内皮型NO合成に関与します。

L-アルギニンサプリメント投与は,上腕動脈の血圧を低下させることが知られています。



そこで,今回の研究では,L-シトルリンを含むスイカ抽出物による血圧への作用が検証されました。



具体的には,高血圧前症(prehypertension)の被験者9名(男性4名,女性5名,平均年齢54歳)を対象に,

スイカ抽出物(L-シトルリン/L-アルギニン,2.7グラム/1.3グラム/日)あるいは偽薬のいずれかが投与され,

心拍数,上腕動脈収縮期血圧,大動脈脈圧,AIx(動脈硬化の指標:augmentation index)などが測定されています。

(4週間のwashoutによるクロスオーバー法)




投与試験の結果,開始時から6週間の時点において,偽薬と比べて,スイカ抽出物/L-シトルリン投与群では,上腕動脈脈圧(-8±3 mm Hg, P < 0.05),大動脈収縮期血圧(-7± 2 mm Hg, P < 0.05),大動脈脈圧(-6±2 mm Hg, P < 0.01),AIx (-6±3%, P < 0.05)といった有意な変化が認められたということです。



(いずれの変化も,高血圧の改善や動脈硬化の改善を示唆しています。)



なお,上腕動脈血圧など一部の指標には有意な変化は示されていません。



以上のデータから,スイカ抽出物に由来するL-シトルリンによる血行動態改善作用が示唆されます。




L-シトルリンは,循環改善を目的としたサプリメントとして製品化されている他,血行改善という視点から強壮系の機能性食品にも含まれています。





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