今月の高血圧研究の専門ジャーナル(電子版)に、ニゲラ(ニジェラ;学名Nigella sativa)による降圧作用を示したメタ解析が、豪州と欧米のグループから報告されていました。
(
J Hypertens. 2016 Aug 10)
ニゲラ(学名
Nigella sativa)は、クロタネソウ属の一年草であり、和名をニオイクロタネソウといいます。
中東から南アジアに自生し、ニオイクロタネソウ(N. sativa)の種子は香辛料としても利用されているということです。
(ニゲラの語源は、‘黒い’であり、今回の論文でも、black seedと表記されています。)
先行研究では、
ニゲラによる心血管リスクファクターへの好影響が示唆されていますが、血圧への作用は明確ではありません。
そこで、
今回の研究では、
ニゲラによる血圧への効果を検証する目的で、ランダム化比較試験(RCT)を対象に、系統的レビューおよびメタ解析が行われました。
具体的には、2015年8月30日までの主要医学データベース(PubMed, Cochrane Collaboration Library, SCOPUS)から、
ニゲラ投与と、偽薬あるいは標準治療を比較したRCTでの降圧作用への影響が調べられています。
合計11報のRCTおよび高血圧あるいは正常血圧の被験者860名分のデータが抽出されました。
10報では、ニゲラと偽薬が比較され、1報では、標準治療との比較でした。
解析の結果、
平均8.3週間のニゲラ投与により、
収縮期血圧は、平均132.85 から 125.19 mmHgへ低下し、
拡張期血圧は、 82.63 から 77.74 mmHgへ低下しました。
対照群/標準治療群との比較によると、
降圧の差は、収縮期血圧では、
-3.26 (-5.10, -1.42; I = 59%) mmHg
拡張期血圧では、
-2.80 (-4.28, -1.32; I = 60%) mmHg
でした。
次に、
ニゲラの調整法では、粉末のほうが、オイルよりもより大きな降圧効果を収縮期血圧、拡張期血圧のいずれでも示しました。
なお、収縮期血圧の降圧作用に関して、投与期間や用量による差は示されていません。
以上のメタ解析から、
ニゲラによる降圧作用が示唆されます。
今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。
高血圧の患者は、日本で4000万人以上と推計され、最も多い疾患です。
高血圧を放置すると、脳卒中や心臓病を引き起こすため、ライフスタイルの改善が重要です。
機能性食品では、次のような報告があります。
コエンザイムQ10による高血圧改善
ビタミンCによる高血圧改善作用:メタ解析
マグネシウムによる高血圧改善作用:メタ解析
ビタミンEによる高血圧改善作用:メタ解析
高血圧に有効なサプリメント成分:メタ解析
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