サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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ノコギリヤシエキスの抗炎症作用@前立腺炎 [2018年08月13日(月)]
泌尿器科学の専門ジャーナル(電子版)に、前立腺炎に対するノコギリヤシエキスの抗炎症作用を示した臨床研究が、ギリシャのグループ(University of Thessaly)から報告されていました。
(World J Urol. 2018 Jul 19.)


男性では、加齢に伴って前立腺肥大症(BPH)による排尿障害などの症状が生じます。

良性疾患である前立腺肥大症に対して、サプリメントでは、ノコギリヤシ(学名serenoa repens)が用いられています。


ノコギリヤシの有用性は、メタ解析で示されています。

ノコギリヤシエキス(Permixon)は前立腺肥大症の下部尿路症状を改善する:メタ解析


さて、

今回の研究では、

前立腺炎において、

ノコギリヤシのヘキサン抽出エキスによる抗炎症作用が検証されました。


具体的には、

バイオプシーにより前立腺炎であると確定診断された患者を対象に、

・ノコギリヤシエキス(320mg/日)投与群、

・無治療群

の2群について介入が行われ、

6ヶ月後の時点で、

2回目のバイオプシーの検体を用いて、

免疫組織学的検査が実施されています。
(抗体:CD3, CD4 and CD8 (for T-leucocytes), CD20 (for B-leucocytes) and CD163 (for macrophages))


合計97名の患者が解析の対象となりました。



解析の結果、

ノコギリヤシエキス投与群では、

2回目のバイオプシーと初回との比較により、

炎症のグレード及びアグレッシブグレードスコアの有意な改善が見出されました。
(投与前;1.55 と 1.55、投与後;0.79 (p = 0.001) と 0.87 (p = 0.001) )


一方、対照群では、有意な変化は見いだされませんでした。
(炎症グレードスコア;前1.44、後1.23, p = 0.09、アグレッシブグレードスコア;前 1.09、後0.89, p = 0.74)


炎症に関わる全てのスコアの低下(改善)幅は、

偽薬群よりも、

ノコギリヤシエキス投与群のほうが有意に大きいことが見出されました。


また、

免疫組織化学染色では、

ノコギリヤシエキス投与群において、

介入の前後での有意な変化が認められました。

これに対して、非投与群では、

バイオプシーによる免疫組織化学染色でも介入の前後で有意な変化は見いだされませんでした。


以上のデータから、

前立腺炎に対して、

ノコギリヤシエキスによる抗炎症作用が示唆されます。







良性疾患である前立腺肥大症に対して、サプリメントでは、ノコギリヤシ(学名serenoa repens)が用いられています。


ノコギリヤシに関しての臨床試験や基礎研究では、次のような報告があります。



ノコギリヤシエキス(Permixon)は前立腺肥大症の下部尿路症状を改善する:メタ解析



前立腺肥大症に対してノコギリヤシは医薬品と同等の効果を示す



ノコギリヤシ+ハルナール併用はハルナール単独よりも有効



男性型脱毛症(AGA)に対するノコギリヤシの効果


ノコギリヤシの安全性を示した臨床試験


・ノコギリヤシによる前立腺肥大症と勃起障害の症状改善作用


・前立腺の健康維持にはノコギリヤシ+リコピン+セレン


・ノコギリヤシによる細胞増殖抑制作用


・ノコギリヤシによるBPH症状改善作用



・ノコギリヤシの前立腺肥大症改善作用



・前立腺切除術前のノコギリヤシ投与の効果


・ノコギリヤシ複合サプリによる慢性前立腺炎改善効果


・ノコギリヤシ・カボチャ種子による前立腺肥大症


・前立腺切除術の出血にノコギリヤシは影響しない



・ノコギリヤシでは医薬品との相互作用報告はなし



・男性型脱毛症とノコギリヤシ


・ノコギリヤシの安全性に関する系統的レビュー


・前立腺炎に対する補完療法としてのノコギリヤシ





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