今月の栄養学の専門ジャーナルに、加齢黄斑変性症患者(AMD)におけるαリポ酸の抗酸化作用を示した臨床研究が報告されていました。
(
Ann Nutr Metab. 2012 Jun 1;60(4):293-297)
加齢黄斑変性症患者(AMD)は、高齢者における失明・視力障害の主な原因です。
発症には活性酸素による障害の関与が考えられています。
(AMDの予防・リスク低減に対して、
ルテインサプリメントの推奨は広く受け入れられています。)
αリポ酸は、抗酸化作用を有する機能性成分の一つで、体内ではミトコンドリアで産生されます。
サプリメントとしてのαリポ酸は、抗酸化作用を介した機能性が示されており、
ダイエット目的からアンチエイジングまで、広く利用されています。
例えば、これまでの臨床試験では、糖尿病性神経障害に対する症状改善作用が報告されています。
さて、今回の研究では、加齢黄斑変性症(AMD)患者において、αリポ酸投与による抗酸化作用が測定されました。
具体的には、AMD(intermediate dry form)と診断された50-75歳の患者62名を対象に、
・αリポ酸投与群(n = 32)
・偽薬投与群(n = 30)
の2群について、
血中脂質、酸化障害の指標(MDA、SOD活性)が投与前後で調べられています。
解析の結果、
αリポ酸投与後において、SOD活性(抗酸化酵素の活性)の有意な亢進が認められました。
また、αリポ酸投与群では、MDA(過酸化脂質:酸化障害の指標)の低下傾向も示されています。
一方、偽薬投与群では、SODやMDAに有意な変化は示されていません。
なお、
血中総コレステロール、TG、HDL、LDLは、投与前に比べて、
両群とも投与後での有意な変化は示されていません。
以上のデータから、
AMD患者に対するαリポ酸の投与は、抗酸化作用を介した機能性が示唆されます。
今後、AMDに対する臨床的意義の検証が期待されます。
αリポ酸は、ダイエット関連サプリメントというイメージがありますが、抗酸化作用や抗炎症作用を介した多彩な効果が期待できる成分です。
目の健康維持、特に、加齢性黄斑変性症(AMD)の予防に対して、
ルテインサプリメントの利用が推奨されます。
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