牛の生レバー(レバ刺し)の禁止がニュースになっています。
医学的には、動物の肝臓を生食するのは、当然、リスクが伴います。
今回は既知の細菌に対する話ですが、未知のウイルスの存在も否定できません。
(未知のウイルスでも、加熱によって死滅します。)
一方、近年の風潮として、食の安全において、消費者がゼロリスクを求める傾向がある以上、監督官庁(厚労省としては、規制強化に踏みきるという判断にならざるを得ないと思います。
ちなみに、米国では、多くの州において、生卵の提供は法律で禁止されています。
(サルモネラ菌に対する食中毒のリスク管理のためです。)
したがって、半熟状態のサニーサイドアップを食べるときは、あくまで自己責任で、というのが米国の現実です。
(その他、オイスターバーでは、「A型肝炎のリスクがあります」という注意書きを出しているところもあります。)
今回の生レバー禁止に対して、「生食」の文化云々という意見も聞きますが、私は違和感を感じます。
もちろん、監督官庁の規制や啓発に頼らないという個人の選択はあるでしょうし、その場合は、その人には普段からよく勉強していただいて、結局、自己責任で、ということになります。
(稀な例ですが、妊娠初期でのトキソプラズマ感染による胎児への影響は、医学の教科書では良く知られています。
そして、「知らなかった」とする人がおり、今でも症例は報告されています。
妊娠を考えているのであれば、動物を生食しないのはごく当たり前の知識です。)
日本では、こんにゃくゼリーでも、お餅でも、そばでも、(それぞれ作用機序は異なりますが)死亡例が知られています。
食品のゼロリスクという管理を政府に頼るのであれば、これらの食品をすべて法律で禁止することになるのでしょうか?
自分の食べるものを政府にとやかく言われたくないという人は、よく勉強して、何があってもあくまで自己責任で、ということになるでしょう。
(なお、食品のゼロリスクを求める風潮においては、かつて、BSE騒動のとき、消費者とのリスクコミュニケーションに失敗した政府にも責任はありますが。)
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