今月の植物療法研究の専門ジャーナル(電子版)に、トンカット・アリによる高齢者の身体機能維持作用を示した予備的な臨床研究が、南アフリカのグループ(University of the Western Cape)から報告されていました。
(
Phytother Res. 2013 Jun 11.)
トンカット・アリ(学名Eurycoma longifolia)は、東南アジア原産のハーブで、マレーシアの民間療法では強壮・催淫薬として用いられてきました。
近年、マレーシアを中心に、トンカット・アリに関する研究が進められています。
最近では、
トンカット・アリによる男性更年期障害改善作用を示した臨床研究も知られています。
トンカット・アリ標準抽出物には、主な成分のクワシノイド(quassinoid,変形テルペノイド)として、eurycomanone(ユーリコマノン)やeurycomanolなどが含まれています。
これまでの研究では、トンカット・アリによる遊離テストステロンの増加、性欲の亢進(性欲減退の改善)、抗疲労作用、ウェルビーングの改善といった働きが示唆されています。
トンカット・アリは、テストステロン値を増加させ、男性において加齢による症状を抑制することが示唆されています。
さて、今回の研究では、
高齢者におけるエルゴジェニックな機能性食品素材としてのトンカット・アリの働きが調べられました。
具体的には、身体活動がアクティブな男性13名、女性12名(57歳〜72歳)を対象に、
1日あたり400mgのトンカット・アリ抽出物が5週間投与され、血液生化学データや各種ホルモンが測定されました。
解析の結果、
介入後において
ヘモグロビン、テストステロン、デヒドロエピアンドロステロン、総テストステロン/コルチゾール比、筋力などは、
男性高齢者よりも女性高齢者で有意に低いままでした。
ヘマトクリットと赤血球数は、男性高齢者において増加傾向にあり、女性高齢者よりも有意に高値でした。
次に、
トンカット・アリ投与後に、
男女ともに、
総テストステロン値および遊離テストステロン値の有意な上昇、
筋力の有意な増加を認めたということです。
なお、女性での遊離テストステロン値の増加は、SHBG(性ホルモン結合グロブリン)の有意な低下によると考察されています。
以上のデータから、
トンカット・アリによる高齢者でのエルゴジェニックな作用が示唆されます。
今後、二重盲検ランダム化比較試験などによる検証が期待される分野です。
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