今月の高血圧研究の専門ジャーナル(電子版)に、レスベラトロールによる肥満者での血管内皮機能改善作用を示した臨床研究が、オーストラリアのグループ(University of Newcastle)から報告されていました。
(
J Hypertens. 2013 Jun 5.)
レスベラトロールは、ポリフェノールの1種で、赤ワインやブドウ、ピーナッツなどに見出される色素成分です。
レスベラトロールは、抗炎症作用や抗酸化作用を有しており、生活習慣病予防やアンチエイジングでの研究が進められています。
さて、今回の研究では、レスベラトロールの慢性投与による血管内皮機能への影響が調べられました。
先行研究では、
軽症高血圧で過体重/肥満の成人において、
レスベラトロールの単回(急性)の摂取が、上腕動脈の血管拡張反応(FMD)を用量依存的に有意に増加させることが示されています。
また、脳血流の有意な増加作用も見出されています。
そこで、今回は、
慢性のレスベラトロールサプリメント投与によって、
FMDおよび認知機能への影響が調べられました。
具体的には、
肥満以外は健康な成人28名(BM 33.3 ±0.6)を対象に、
・1日あたり75mgのトランスレスベラトロール投与群、
・偽薬投与群
のいずれかが6週間投与されました。
(二重盲検クロスオーバー法)
血圧、動脈コンプライアンス、FMD、言語テストによる認知機能評価などが行われました。
解析の結果、
6週間のレスベラトロールサプリメント投与によって、
偽薬群に比べて、
FMDが23%増加しました(P = 0.021)。
6週間投与後の75mgレスベラトロールの単回投与では、
偽薬投与群に比べて、
FMDが35%増加しています。
FMDの改善は、介入前のFMDや血圧、その他の交絡因子で補正後も有意な変化であったということです。
以上のデータから、
レスベラトロールの6週間の投与は、肥満成人における循環系機能改善に有用であると考えられます。
今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。
現在、
レスベラトロールは、抗酸化作用や抗炎症作用を有し、代謝に好影響を及ぼすことから、健康維持や生活習慣病予防からアンチエイジングの分野で注目されています。
例えば、基礎研究では、
レスベラトロールによるインスリン抵抗性改善作用
レスベラトロールによる糖尿病予防
レスベラトロールによる糖代謝改善作用
レスベラトロールの心不全リスク低減作用
レスベラトロールによる肥満予防のメカニズム
レスベラトロールによる抗がん作用
レスベラトロールによる大腸がん抑制作用
レスベラトロールの抗炎症作用
動脈硬化抑制作用
という報告があり、
ヒト臨床研究では、
レスベラトロールによる肥満者での代謝改善
レスベラトロールによる糖尿病改善作用
レスベラトロールによる脳循環改善
子宮内膜症関連痛に対するレスベラトロールの効果
という報告が知られています。
DHCでは、
レスベラトロールを製品化しています。
------------------------------------------------------------------
医療機関専用サプリメント【DHC FOR MEDIC】(DHCフォーメディック)
医療関係者のための健康食品情報サイト【DHCサプリメント研究所】
【健康食品FAQ】
【DHCの研究開発】
------------------------------------------------------------------