神経学の専門ジャーナルに、イチョウ葉エキス成分による片頭痛前兆症状に対する効果を示した臨床研究が、イタリアのグループ(University of Turin)から報告されていました。
(
Neurol Sci. 2013 May;34 Suppl 1:161-3.)
イチョウ葉エキスは、抗酸化作用や血小板凝集抑制作用、循環改善作用を有し、認知症の予防や閉塞性硬化症の改善に用いられるハーブサプリメントです。
イチョウ葉エキスには、特有のフラボノイド系ファイトケミカルが存在し、抗酸化作用や抗炎症作用、血小板凝集作用などを介して、効果を発揮します。
これまでに多くの臨床研究が行われており、認知症などに対して有効性と安全性が示されています。
(
イチョウ葉エキスによる認知症改善効果@ドイツ)
(
イチョウ葉エキスの有効性と安全性)
(
イチョウ葉エキス20年間摂取による認知機能低下抑制作用)
さて、今回の研究では、
片頭痛の前兆症状に対するギンコライドB(Ginkgolide B)の作用が検証されました。
具体的には、
オープンラベル試験として、
前兆症状を有する片頭痛患者25名(男性9名、女性16名、平均年齢39.7歳)を対象に、
診断基準(ICHD-II)にて、
典型的前兆を伴う片頭痛患者19名と、
頭痛を伴わない前兆を有する患者6名に分けられ、
2回の連続した前兆発作について、その程度と期間が調べられています。
1回目の発作の後、
被験者は、
サプリメント(イチョウ葉エキス由来テルペン類;60mg、コエンザイムQ10;11mg、ビタミンB2; 8.7 mg)を2カプセル摂取し、
2回目の発作への作用が比較されています。
解析の結果、
複合サプリメント投与によって、
前兆症状持続期間の有意な減少(改善)が認められました。
サプリメント投与群では、
初回(未投与)の際に、33.6 ± 11.5分
であったのが、
投与後に、
21.9 ± 11.8分へと減少しています。
全般に、
介入群では、
前兆時における神経学的症状の有意な緩和(改善)が認められたということです。
典型的前兆を有していた片頭痛患者のうち4名(18.1 %)では、
疼痛フェーズが消失しています。
以上のデータから、
イチョウ葉エキス、コエンザイムQ10、ビタミンBを含有する複合サプリメントによる片頭痛前兆症状の有意な改善作用が示唆されます。
今後、二重盲検ランダム化比較試験などによる検証が期待されます。
これまでの研究では、
コエンザイムQ10の予防的投与による片頭痛改善作用が示されています。
コエンザイムQ10には、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)と還元型(=ユビキノール,ubiquinol)があります。
還元型CoQ10のほうが、酸化型CoQ10よりも体内で利用されやすいと考えられます。
(酸化型CoQ10は、体内に吸収された後、いったん還元されてから、利用されます。)
コエンザイムQ10に関するこれまでの研究の多くは、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)を用いています。
したがって、一般的には、生活習慣病の予防やアンチエイジング目的に関して、
酸化型CoQ10のユビキノンの摂取で十分な効果が期待できます。
一方、特定の疾患に対して用いる場合、あるいは、体内の生理機能が低下している高齢者の場合には、
還元型CoQ10の利用が推奨されます。
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