骨代謝研究の専門ジャーナル(電子版)に、閉経前後および閉経後の日本人女性では、1日あたり500mgのカルシウムサプリメントの摂取によって、骨代謝が改善する、という臨床研究が、新潟大学のグループから報告されていました。
(
J Bone Miner Res. 2012 May 31.)
カルシウムは、骨の健康維持に必要な必須栄養素(ミネラル)の1種です。
サプリメントとしても広く利用されており、炭酸カルシウム、乳酸カルシウム、クエン酸カルシウムなどの成分があります。
(サプリメントの場合、カルシウム単独よりも、カルシウム+マグネシウム、ビタミンD、CBPといった組み合わせで用いられます。)
日本人の食事摂取基準では、カルシウムの摂取推奨量は、
成人男性では、650mg〜800mg(年齢によって異なります)、
成人女性では、650mg(70歳以上は600mg)
とされています。
実際には、日本人の平均では500mg台の摂取量しかなく、これまでの国民健康栄養調査では一度も推奨量を充足したことはありません。
一方、欧米で発表された最近のメタ解析では、
欧米での研究において、1日あたり1,000mg以上のカルシウムの摂取は、心血管疾患のリスクに関連する、というデータも示唆されています。
そこで、今回の研究では、低用量のカルシウムサプリメントによる骨代謝への効果が検証されました。
具体的には、閉経前後以降の50歳から74歳の日本人女性450名を対象に、
1日あたり500mgあるいは250mgのカルシウムサプリメント(炭酸カルシウム)
もしくは偽薬が投与され、
2年間の追跡調査が行われています。
腰椎および大腿骨頭の骨密度が3回測定されました。
418名のデータが解析された結果、
全カルシウムの摂取量は493mg/日でした。
ITT解析によると、
骨密度の低下は、
偽薬群に比べて、
500mgのカルシウムサプリメント投与群において顕著に抑制された、ということです。
(1.2% difference over two years, P=0.027)
80%以上のコンプライアンスのPPB解析によると、
偽薬群に比べて、
500mgおよび250mgのカルシウムサプリメント投与群では、
腰椎の骨密度の低下が有意に抑制されました。
(1.6%, P=0.010 and 1.0%, P=0.078, respectively)
また大腿骨頭の骨密度は、偽薬群に比べて、500mgのカルシウム投与群にて、
低下が有意に抑制されています。
(1.0%, P=0.077)
以上のデータから、
低用量(500mg/日)のカルシウムサプリメントの投与は、
閉経前後から閉経後の女性における骨代謝の改善(腰椎の骨密度低下の抑制)に有用であると考えられます。
DHCでは、
骨の健康維持に関連したサプリメントとして、
カルシウム・マグネシウム、
ビタミンD、
CBP、
ビタミンK
などを扱っています。
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