フリーラジカル研究の専門ジャーナル(電子版)に、γトコフェロールサプリメント(ビタミンEの1種)による禁煙後の血管内皮機能改善作用を示した臨床研究が、米国のグループ(Ohio State University)から報告されていました。
(
Free Radic Biol Med. 2013 Sep 26)
喫煙は血管内皮機能を障害し、
禁煙後も長期にわたって、酸化ストレスや慢性炎症による障害が持続し、
血管内皮機能の回復には時間を要します。
今回の研究では、
喫煙者の禁煙後に、抗酸化物質の投与による血管内皮機能への影響が調べられました。
具体的には、
ランダム化二重盲検偽薬対照試験として、
喫煙者を対象に、
7日間の禁煙期間中に、
偽薬投与群(n=14)
と
抗酸化サプリメント投与群(1日あたり500mgのγトコフェロール投与群、n=16)
の2群について、
7日間の禁煙の前後で
上腕動脈での血管拡張反応(flow-mediated dilatation;FMD)など各種指標が測定されています。
解析の結果、
まず、
禁煙によって両群とも血中コチニン値は同様に低下しました。
γトコフェロール投与群では、血中のγトコフェロール値が7倍に増加し(P<0.05)、
尿中の代謝物(γ-carboxyethyl hydroxychroman)は9倍に増加しました(P<0.05)。
禁煙後に7日間のγトコフェロールサプリメント投与した群では、
偽薬群に比べて、
FMDの有意な改善が認められました。
(1.3%、P<0.05)
(サプリメント群;4.1±0.6% vs. 偽薬群;2.8±0.3%)
また、
γトコフェロール投与群でのみ
血中TNF-αやミエロペルオキシダーゼの低下(改善)が認められました。
(これらの変化は、FMDの改善と相関が見出されています。)
禁煙によって、両群ともMDA値は同程度に有意に低下(改善)しました(P<0.05)。
なお、血中酸化LDL値や尿中F2-isoprostane値には有意な変化は見出されていません。
以上のデータから、
γトコフェロールサプリメントの投与によって、
喫煙者の禁煙後の比較的早期における血管機能回復効果が示唆されます。
ビタミンEは、トコフェロールとトコトリエノールに分けられます。
さらに、トコフェロールとトコトリエノールのそれぞれが、α,β,γ,δの4種類であることから、合計8種類になります。
DHC製品では、
γ(ガンマー)-トコフェロール、
トコトリエノール、
天然ビタミンE
ビタミンE
などがあります。
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