サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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HIV感染初期におけるマルチビタミン・ミネラルサプリメントの意義 [2013年11月30日(土)]
今月の米国医師会ジャーナルに、HIV感染初期におけるマルチビタミンおよびセレンのサプリメント投与による免疫機能低下抑制作用を示した臨床研究が、米国のグループ(Florida International University)から報告されていました。
(JAMA. 2013 Nov 27;310(20):2154-63)




HIV感染初期において、微量栄養素(ビタミンやミネラル)の低下が生じることから、

マルチビタミン・ミネラルサプリメント投与の有用性が推測されます。





そこで、今回の研究では、

ART療法未治療の成人HIV感染者におけるマルチビタミン・ミネラルサプリメントによる微量栄養素投与の意義が検証されました。





具体的には、

ランダム化比較試験として、


HIV(サブタイプC)感染初期(CD4細胞数が350/μL以上)の成人で、ART治療開始前(未治療)の患者878名を対象に、


マルチビタミン(ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE)投与群、

セレン投与群、

マルチビタミン+セレン投与群

偽薬群

について24ヶ月の介入が行われました。



本試験は、2004年12月〜2009年7月の間にボツワナにて実施され、

CD4数が200/μL未満(2008年5月までに)、

CD4数が250/μL未満(2008年5月以降)

で標準治療のART開始となる割合が解析されています。




ITT解析の結果、

偽薬群に比べて、

マルチビタミン+セレン投与群では、

CD4数が250/μL未満となるリスクは54%低下していました。



また、

マルチビタミン+セレンサプリメントの投与は、

AIDS発症あるいはAIDS関連死といったリスクも44%低下させています。



なお、

HIVウイルス量に対してサプリメントの影響はみられていません。




以上のデータから、

HIV感染初期でART治療開始前の成人患者において、

マルチビタミン+ミネラル(セレン)サプリメントの投与は、感染初期の免疫機能低下を抑制することが示唆されます。



マルチビタミンやマルチミネラルサプリメントの補完療法としての臨床的意義が示唆されます。



(いうまでもなく、HIV感染に対しては、まず予防ありきです。次に、早期発見のための検査、標準治療の適応などが考えられます。)






一般に、マルチビタミンやマルチミネラルのサプリメントは、食事で不足しがちな必須栄養素を補う目的で用いられます。

したがって、よほど栄養状態に問題がある地域の対象者でないと、マルチビタミンで、がん予防や死亡率低下、という結果にはなりません。

(日本人の場合、現代の食生活では潜在的な栄養素の不足という問題は想定されますが、マルチビタミンの投与で死亡率低下というデータまでは検出できないと思います。)


(なお、マルチビタミン・ミネラルサプリメントによる抗がん作用や死亡率低下のメカニズムとしては、ビタミンCやビタミンE、セレンといった抗酸化作用を持つ成分が、酸化障害の抑制を介して、抗がん作用および生活習慣病予防効果を示す、となります。)



マルチビタミンサプリメントとがんに関して、

最近では、

50歳以上の米国の男性医師14,641名を対象にした研究で、

マルチビタミンによるがんリスク低減効果

というデータが報告されています。



また、

マルチビタミン・ミネラルと死亡率の関係:メタ解析


という報告もあります。





なお、健康増進及び疾病予防には、適切な食習慣や運動習慣が基本であり、サプリメント・健康食品がそれらに置き換わるわけではありません。


医療専門誌によるマルチビタミン摂取の推奨論文としては、次の2つがよく知られています。

(1)NEJM誌(1998)の論説

「Eat Right and Take a Multivitamin」

『適切な食事を摂り、マルチビタミンも利用しましょう』

(神経管欠損症予防、動脈硬化性疾患予防の意義)

(Oakely GP. NEJM. 1998 Editorial )


(2)JAMA誌(2002)の総説

「Vitamins for chronic disease prevention in adults」

『成人は、毎日、マルチビタミンサプリメントを摂取するべき』

(先進国では欠乏症は稀であるが、至適濃度を下回ることのリスクがある。)

(Fletcher.et al. JAMA. 2002 )





DHCでは、適正な価格で高品質のマルチビタミンマルチミネラルカルシウム・マグネシウムを提供しています。




また、各種カロテノイドを含むマルチカロチンの他、リコピンルテインなども製品化しています。





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バレリアンによる睡眠障害の改善@更年期女性 [2013年11月29日(金)]
今月の補完代替医療の専門ジャーナルに、更年期女性の睡眠障害に対するバレリアンの効果を示した臨床研究が、イランのグループ(Tehran University of Medical Sciences)から報告されていました。
(Complement Ther Clin Pract. 2013 Nov;19(4):193-6.)




バレリアン(学名Valeriana officinalis)は、睡眠障害・不眠症に対するハーブサプリメントとして知られています。




更年期の女性では、ほてりや睡眠障害・不眠症などの症状がみられます。




そこで、今回の研究では、

バレリアンとレモンバームによる更年期女性の睡眠障害に対する効果が調べられました。



具体的には、

睡眠障害・不眠症を訴える50歳から60歳の女性100名を対象に、

バレリアン/レモンバーム投与群、



偽薬群の2群(各群50名)について介入が行われました。



アウトカムとして、

介入前後で、

自記式質問票「ピッツバーグ睡眠調査票」(Pittsburgh Sleep Quality Index (PSQI))による評価が行われました。



解析の結果、

偽薬群に比べて、

バレリアン/レモンバーム投与群において、

睡眠障害の改善が認められた、ということです。



以上のデータから、

更年期女性における睡眠障害に対して、

バレリアン/レモンバームの投与による改善作用が示唆されます。






バレリアンは、単回投与による効果も示されていますが、一般には、1ヶ月間などの投与によって「睡眠の質」を改善する働きが期待されています。


(つまり、医薬品の睡眠導入剤のような使い方ではなく、一定期間摂取することで、ハーブによる睡眠の質の改善が期待される、というタイプと考えます。)




先行研究でも、バレリアンによる効果が示されています。



バレリアンによる睡眠障害改善作用



バレリアンの睡眠改善作用@がん患者



バレリアンによる不眠症改善作用



バレリアンの体内動態と個人差




バレリアンでは、鎮静作用の他、平滑筋に対する鎮痙作用も知られています。



バレリアンによる鎮痙作用



バレリアンの抗酸化作用




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マルチビタミンの摂取と白内障リスク低下 [2013年11月28日(木)]
今月の眼科学の専門ジャーナル(電子版)に、マルチビタミンサプリメントの摂取による白内障リスク低下作用を示した臨床試験が、米国のグループ(Brigham and Women's Hospital and Harvard Medical School)から報告されていました。
(Ophthalmology. 2013 Nov 20)





加齢に伴う目の疾患に、白内障と加齢性黄斑変性症があります。


まず、

白内障の原因として、
紫外線などに起因する酸化障害が知られており、

これまでの研究では、
ビタミンCなどの抗酸化ビタミン類、ルテインやゼアキサンチンといった抗酸化物質による白内障リスク低下作用が示唆されてきました。



次に、加齢性黄斑変性症(AMD)は、高齢者における失明・視力障害の主な原因です。

(AMDの予防・リスク低減に対して、ルテインサプリメントの推奨は広く受け入れられています。)




ルテインは、ホウレン草やコーンといった植物性食品に含まれる他、サプリメントとしても利用できます。


さて、今回は、

男性を対象にした大規模なランダム化研究において、

マルチビタミンサプリメントの長期投与による白内障および加齢性黄斑変性症の罹患率への影響が調べられました。




具体的には、

ランダム化二重盲検偽薬対照試験として、

50歳以上の米国男性医師14,641名を対象に、


マルチビタミンサプリメント
あるいは
偽薬のいずれかが投与され、


白内障の発症率や視力障害を伴うAMDが調べられました。



平均11.2年の追跡期間中、

白内障1,871例、

AMD281例が見出されました。




白内障の症例の内訳は、

マルチビタミンサプリメント投与群では872名、

偽薬投与群では945名であり、

マルチビタミンサプリメント投与によって9%の白内障リスクの有意な低下作用が認められました。
(HR, 0.91; 95%CI, 0.83-0.99; P = 0.04)




AMDでは

マルチビタミンサプリメント投与群では152名、
偽薬投与群では129名であり、

両群間に有意差は示されていません。
(HR, 1.19; 95% CI, 0.94-1.50; P = 0.15)




以上のデータから、

中高年以降の男性において、

マルチビタミンサプリメントの摂取による白内障リスクの低下作用が示唆されます。





AMD(加齢黄斑変性症)に対しては、ルテインの摂取が推奨されます。


ルテインは、ホウレン草やコーンといった植物性食品に含まれる他、サプリメントとしても利用できます。



ルテインによる白内障の予防作用

という報告もあります。




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ナッツの消費量が多いと死亡率が低い [2013年11月27日(水)]
先週の臨床医学誌(NEJM)に、ナッツの消費量が多いと全死亡率が低いという研究が、米国のグループ(Brigham and Women's Hospital and Harvard Medical School)から報告されていました。
(N Engl J Med. 2013 Nov 21;369(21):2001-11)





これまでの研究によって、

ナッツの摂取と、心血管疾患や2型糖尿病といった主要な慢性疾患のリスク低下が相関する、というデータが示されています。




今回の研究では、ナッツの摂取と、全死亡率との関連が調べられました。




具体的には、

Nurses' Health Study (1980-2010)の女性76,464名と、

Health Professionals Follow-up Study (1986-2010)の男性42,498名を対象に、



試験開始時のナッツの消費量と、

2から4年ごとの追跡調査が行われています。



(なお、がんや心臓病、脳卒中の既往歴がある被験者は除外されています。)



合計3,038,853 患者年の追跡期間中、

女性16,200名、男性11,229名の死亡例が見出されました。




被験者の背景や生活習慣病リスクなどの交絡因子で補正後、


ナッツの消費量と、死亡率との関連が解析されています。



解析の結果、

男女とも、ナッツの消費量が多いほど、全死亡率が低いという有意な相関が見出されたということです。


ナッツ類を摂取しない群に比べて、

1週間あたり1回未満摂取する群では7%の低下、
(95% CI, 0.90 to 0.96)

1週間あたり1回摂取する群では11%の低下、
(95% CI, 0.86 to 0.93)

1週間あたり2回から4回摂取する群では13%の低下、
(95% CI, 0.83 to 0.90)

1週間あたり5回から6回の群では15%の低下、
(95% CI, 0.79 to 0.91)

7回以上の群では20%の低下、
(95% CI, 0.73 to 0.86)

でした。




ナッツ類の摂取と、

がん、心臓病、呼吸器疾患による死亡との間に負の相関が見出されました。




以上のデータから、

2つの大規模疫学研究によると、

ナッツ類の摂取量が多いと全死亡率が低いという相関が示唆されます。




全死亡率を低下させる食習慣としては、地中海食のエビデンスも示されています。



地中海食は、スペインやギリシャ、南フランスなど地中海地方の伝統食です。
野菜や果物、全粒の穀類、種実類、オリーブオイルの利用が多いという特徴があります。

地中海食は、健康増進や疾病予防に有用であることが知られており、多くの研究によってエビデンスが示されています。


例えば、

地中海食で死亡率が半減する

という研究があります。




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クロレラによる血管機能改善作用 [2013年11月26日(火)]
今月の栄養学の専門ジャーナルに、クロレラによる血管機能改善作用を示した臨床研究が、流通経済大学のグループから報告されていました。
(J Clin Biochem Nutr. 2013 Nov;53(3):166-9.)



クロレラ(Chlorella species)は、淡水産の藻の一種です。



タンパク質やアミノ酸、ビタミン類、ミネラル類といった栄養素が豊富であり、抗酸化作用のある葉緑素(クロロフィル)の含有量も多いことから機能性食品素材/サプリメント成分として利用されています。



心臓病のリスクを高める病態として、動脈壁硬化(Arterial Stiffness)が知られています。


先行研究では、

抗酸化作用を有する機能性食品成分の摂取が、動脈壁の硬化を抑制/改善することが示唆されています。




そこで、今回の研究では、

クロレラによる動脈壁硬化への作用が検証されました。




具体的には、

一重盲検偽薬対照クロスオーバー試験として、


若年男性14名を対象に、

クロレラあるいは偽薬を4週間投与し、

投与前後で、

血圧や心拍数、脈間脈波伝播速度、動脈壁硬化指数といった血管機能関連指標が測定されています。

(12週間のwash-out)




解析の結果、

まず、

クロレラ群と偽薬群の両群とも、

介入の前後にて、血圧と心拍数には変化はありませんでした。


次に、

脈間脈波伝播速度(腕足首脈波伝播速度)は、

クロレラ投与群では、

投与前に比べて投与後に、

有意な低下(改善)が認められました。

(before vs after intake; 11.6 ± 0.2 vs 11.1 ± 0.1 m/s, p = 0.01)



偽薬投与群では、投与前後で変化は認められていません。

(11.4 ± 0.2 vs 11.4 ± 0.2 m/s, p = 0.98)





動脈壁硬化改善の作用メカニズムとして、

クロレラに含まれる機能性成分のビタミン類、アルギニン、カリウム、カルシウム、オメガ3系脂肪酸などの関与が推定されます。



以上のデータから、

クロレラによる動脈壁の硬化改善作用が示唆されます。




今後、心臓病や心血管イベントへの作用など臨床的意義の検証が期待されます。




DHCでは、

クロレラ


スピルリナ


を製品化しています。





クロレラやスピルリナに関する研究として、次のような報告があります。



クロレラによる抗酸化作用@日本人高齢者



クロレラによる抗酸化作用@喫煙者



妊婦におけるクロレラサプリメントの効果




スピルリナの抗酸化作用 



スピルリナによる免疫賦活作用




スピルリナによる糖尿病治療薬の副作用軽減







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カルニチンによる運動耐用能の亢進@アスリート [2013年11月25日(月)]
今月のスポーツ医学の専門ジャーナル(電子版)に、カルニチン投与によるアスリートでの運動耐用能の亢進作用を示した臨床研究が、トルコのグループから報告されていました。
(J Strength Cond Res. 2013 Nov 20)


カルニチンは、アミノ酸誘導体で、食肉(ラム肉)や乳製品に豊富に存在します。

カルニチン(L-カルニチン)は、脂肪の代謝に必要な機能性成分です。
(長鎖脂肪酸は、L-カルニチンと結合することでミトコンドリアに入ります。)




L-カルニチンに関する研究では、中性脂肪やVLDLコレステロールの低下作用、肝臓での脂肪蓄積の抑制、運動能向上作用、肥満での減量など、多彩な働きが示されています。


また、特定の病態において、治療と併用されることもあります。


例えば、腎疾患患者の血球減少症に対する効果、糖尿病患者での代謝の改善、慢性疲労症候群患者の症状改善、C型肝炎のインターフェロン療法の補助療法などが報告されています。


特に、腎不全によって慢性維持透析を受けている病態では、カルニチン欠乏による障害が知られており、L-カルニチンの摂取が推奨されます。




さて、今回の研究では、

アスリートにおけるカルニチンサプリメントの働きが検証されました。




具体的には、

プロサッカー選手候補(合計26名)を対象に、

二重盲検法にて、


まず、12名に対して、

運動負荷1時間前に、

果物ジュースとともに、

3グラムのL-カルニチンが投与され、

14名に4グラムのL-カルニチンが投与されました。






運動負荷(ランニング)が8 km/hにて開始され、

10km/hへと継続し、

さらに、3分ごとに1 km/hの割合でスピードを増やし、

被験者が自ら中止するまで行われています。



心電図モニタリング、血中乳酸値などが指標として測定されました。




1週間後、

偽薬群として、それぞれ2群に対して実施されました。



解析の結果、

ランニング速度に応じて血中乳酸値は増加し、


ランニング速度に応じた乳酸値と心拍数の増加は、

偽薬群に比べて、

L-カルニチン投与群において、

有意に抑制されたということです(p<0.05)。




心拍数は、

L-カルニチン4グラム投与群と、偽薬群との間で有意差が見出されました。



その他、

自覚的運動強度をBorg指数に評価した結果、

サプリメント投与の2群において、有意な低下が認められています(p<0.05)。




以上のデータから、

運動前のL-カルニチン投与による運動耐用能改善作用が示唆されます。






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オリーブオイルの摂取とマンモグラフィー濃度の関係 [2013年11月24日(日)]
がん研究の専門ジャーナル(電子版)に、オリーブオイルの摂取が多いと、マンモグラフィーによる乳腺密度が高い人の割合が少ない、という相関を示した研究が、スペインのグループから報告されていました。
(Int J Cancer. 2013 Oct 6.)




マンモグラフィーは、乳房X線撮影による画像診断であり、乳がんの早期発見のために利用されています。



マンモグラフィー濃度は、乳腺組織の密度(乳腺密度)を表し、


高濃度であると、乳がんのリスクが高いことが知られています。




今回の研究では、マンモグラフィー濃度(乳腺密度)と、食事因子との関連が調べられました。



具体的には、

スペインの更年期および閉経後の女性3,548名を対象に、

マンモグラフィー濃度が高い群の割合を

5群(<10%, 10-25%, 25-50%, 50-75%, >75%))に分け、

食事調査が行われています。




年齢やBMI、エネルギー摂取量、タンパク質消費量などの各種交絡因子で補正後、


まず、

エネルギー摂取量が多いほど、

乳腺密度が高い人の割合が多くなる、という相関が認められました。

(1日あたり500kcal増えるごとに、23%のリスク増加。
OR = 1.23; 95% CI = 1.10-1.38,)




次に、

オリーブオイルの消費量が多いほど、

乳腺密度が高い人の割合は減少する、という相関が見出されています。


(オリーブオイルの消費量が1日あたり22グラム増えるごとに、14%の低下。
(OR = 0.86;95% CI = 0.76-0.96)



その他、

牛乳(全乳)の摂取量が多いと、

乳腺密度が高い人の割合が多くなる、という相関が認められました。


(全乳の摂取量が1日あたり200グラム増えるごとに、
10%の増加。OR = 1.10; 95%CI 1.00-1.20)




以上のデータから、

更年期から閉経後の女性では、

乳がんリスクと相関する乳腺密度が高い群では、

摂取総カロリーが多いこと、

オリーブオイルの摂取量が少ないこと、

との相関が示唆されます。


今後、因果関係の解析など臨床的意義の検証が期待される分野です。




オリーブオイルは、単価不飽和脂肪酸というだけではなく、最近の研究では、エクストラヴァージン(バージン)オリーブオイルに含まれるファイトケミカル・ポリフェノールによる抗酸化作用の有効性も示されています。


オリーブオイルの摂取10gで全死亡率が7%低下



乳がんに対する機能性食品素材の効果について、次のような研究が報告されています。


大豆イソフラボンによる乳がんリスク低減作用@日本人



マルチビタミンミネラル利用者では浸潤性乳がんの死亡率が低い



乳がんサバイバーと大豆食品の摂取



オメガ3系必須脂肪酸(EPA/DHA)による乳がん予防効果



緑茶カテキンの乳がんに対する抗がん作用・抗炎症作用



大豆食品による乳がんサバイバーの予後改善








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公的な食事指針のバイアス? [2013年11月23日(土)]
これまでに、さまざまな食事ガイドラインや食事指針が提唱されてきました。



例えば、現行の食事ガイドラインとして、

日本の「食事バランスガイド」や、米国の「マイ・プレート」「マイ・ピラミッド」があります。



その他、栄養関係の大学、学会など学術グループ、特定の研究者による指針もあります。



一般に、

健康維持・疾病予防には、

‘バランスのとれた’食事の摂取、

が推奨されます。



しかし、実際には、

‘バランスのとれた’

というのは、具体性に乏しい表現です。



そこで、食材や食品、栄養素別にさまざまな食事ガイドラインが示されています。




ところが、

どのような栄養素や食材を、どのくらい摂ればいいのかについて、研究者や専門家の間で一致した意見はありません。



例えば、

専門家の間でも、炭水化物、脂質、タンパク質の摂取バランスについて、コンセンサスがあるとは言えない状況です。



そのため、糖質制限・炭水化物制限に対する批判があり、脂質の摂取割合や種類について様々な考え方があります。



朝食を摂るかどうか、1日何食がいいのかについても、いろいろな意見があります。




その他、

多くの公的な食事指針(食事ガイドライン)では、

食品群別に、摂取量が示されていますが、

個人差や性差に応じて、テイラーメイドにしようとすると、米国のMyPyramidのように、ネットを活用したインタラクティブなシステムになり、情報の受け手側のリテラシーが大切です。





ところで、公的な機関が示している食事指針には、関連業界からの圧力(あるいは業界への配慮)によるバイアスが含まれていることがあります。

その結果、医学的に適切とは言い難いような食品バランスが示されてしまいます。




例えば、1992年に示された米国のフードガイドピラミッドには、畜産品が多く示されています。


栄養疫学を確立したことで知られるハーバード大学のWillett(ウィレット)によると、

畜産業界から、ある研究者が送り込まれて、作成に関与し、

その結果として、畜産品の摂取を多く推奨するような食事ガイド(フードガイドピラミッド)が出来上がってしまったということです。

(ウィレットは、その研究者について、各種データベースで検索をかけて、つながりを明らかにした経緯を学会の基調講演でプレゼンしたことがあります。)



ちなみに、米国のフードガイドピラミッドは、農務省によって作成・発表されました。


(私事ですが、ある学会でボストンに行った際、Willett教授の研究室を訪問したことがあります。ちょうど、日本の本田賞を受賞し、日本に行ったばかりというタイミングでした。)




日本でも、もちろんバイアスがあります。


現在、「食事バランスガイド」が使われています。


米国がフードガイドピラミッドを作成して、その形状をまねた指針が各国で作られましたが、あえて違う形状を使った国があります。


一つはカナダで、虹の形状を用いました。



もう一つは日本の指針で、ピラミッドを逆さにして、コマの形にしています。


ただ、日本の場合も、業界からの圧力(業界への配慮)という考えは踏襲したようです。


具体的には、日本の食事バランスガイドは、農水省が作成していますので、

お米などの炭水化物の摂取量が、現在人にとっては必要以上に多くなっています。





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オメガ3系脂肪酸による抗うつ作用・抗不安作用@パーキンソン病 [2013年11月22日(金)]
今月の科学誌に、パーキンソン病患者において、オメガ3系必須脂肪酸による抗うつ作用および抗不安作用についてのメタ解析が、オーストラリアのグループ(Curtin University)から報告されていました。
(PLoS One. 2013 Nov 13;8(11))




EPADHAなどのオメガ3系必須脂肪酸は、抗炎症作用・動脈硬化予防作用、認知機能改善作用、抗うつ作用など多彩な働きが示されています。




パーキンソン病に伴ううつ病や不安障害に対しては、精神薬理作用のある医薬品が第一選択として広く利用されています。




今回の研究では、医薬品やサプリメント、認知行動療法といった各種の介入方法に関する有効性について、レビュー/メタ解析が行われました。




具体的には、

パーキンソン病におけるうつ病や不安障害に対して行われたランダム化偽薬対照試験を対象にメタ解析が行われています。



9報が解析の対象となりました。



まず、薬物療法については、抗うつ作用や抗不安作用の傾向が示唆されましたが、有意差は見出されていません。


(抗うつ作用:d&#8202;=&#8202;.71, 95% CI&#8202;=&#8202;-1.33 to 3.08)

(抗不安作用:d&#8202;=&#8202;1.13, 95% CI&#8202;=&#8202;-.67 to 2.94)




次に、非薬物療法2報についての解析では、有意な改善効果が認められています。


オメガ3系必須脂肪酸サプリメント:d&#8202;=&#8202;.92, 95% CI&#8202;=&#8202;.15 to 1.69

認知行動療法:d&#8202;=&#8202;1.57, 95% CI&#8202;=&#8202;1.06 to 2.07



論文著者らは、

薬物療法も非薬物療法もさらに検証が必要であり、現時点での結論には限界があるとしつつ、

オメガ3系必須脂肪酸および認知行動療法には潜在的に有効性が期待される、と考察しています。




うつ病に対する機能性食品・サプリメントの研究として、次のような報告があります。



DHAによる重症うつ病改善作用



うつ病に対するEPAの効果



抗うつ作用のあるサプリメントレビュー



セントジョーンズワートはSSRIと同等の抗うつ作用を示す



うつ病治療におけるセントジョーンズワートの費用対効果



うつ病へのビタミンDサプリメント投与



緑茶による報酬学習の改善と抗うつ作用




野菜と果物の摂取が多い高齢者はうつ病リスクが低い




若年女性における葉酸の抗うつ作用



うつ病ではビタミンDが低値



コーヒーの摂取が女性のうつ病リスクを抑制



ビタミンB群が脳卒中後のうつ病を予防







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ビタミンCサプリメントによる炎症抑制・栄養改善作用@維持透析患者 [2013年11月21日(木)]
今月の腎臓病学の専門ジャーナル(電子版)に、維持透析患者において、ビタミンCサプリメントによる炎症・栄養状態への働きを調べた臨床研究が報告されていました。
(BMC Nephrol. 2013 Nov 14;14(1):252)




ビタミンCは抗酸化ビタミンの代表であり、病気のリスク低減や病態の改善効果が示されています。


急性期の病態や慢性消耗性疾患では、健常時と比べて、ビタミンCが消費されることから、通常の食事からの推奨量よりも多い量の摂取が必要です。



慢性維持透析患者では、ビタミンCの欠乏と慢性炎症の病態の両方が認められます。



そこで、

今回の研究では、

ビタミンC値が低く、炎症マーカーであるhs-CRPが高値の維持透析患者に対するビタミンCサプリメントの経口投与による働きが検証されました。




具体的には、

維持透析患者128名を対象に2群に分け、


グループ1(n = 67)には

1日あたり200mgのビタミンCを最初の3ヶ月間投与し、続く3ヶ月間ではビタミンCを中止しました。


グループ2(n = 61)では、最初の3ヶ月間は非投与であり、続く3ヶ月間においてビタミンCが1日あたり200mgの用量で投与されました。



アウトカムとして、

hs-CRP、プレアルブミン、アルブミン、ヘモグロビン、EPO抵抗指数(ERI)が3か月ごとに測定されています。




128名中28名が試験完了前に脱落しました。




合計100名(group 1: n = 48; group 2: n = 52)のデータが解析されています。




その結果、

試験開始時には被験者全員が4 マイクログラム/mL未満であったのに対して、


3ヶ月間のビタミンC投与後には、ビタミンC欠乏者の割合は20%に低下しました。




ビタミンC非投与群に比べて、

3ヶ月間のビタミンC投与群では、

炎症マーカーであるhs-CRP値の低下、

プレアルブミン値の増加が認められました。


これらの変化は、ビタミンC投与中止によって元の値に戻っています。


同様の改善傾向が、アルブミン、ヘモグロビン、ERIにも示唆されています。
(ただし有意差なし)




以上のデータから、

維持透析患者では、

ビタミンC欠乏および慢性炎症の状態が認められること、

また、

ビタミンCサプリメントの投与によって炎症抑制や栄養状態の改善が示唆されます。




今後、ビタミンCサプリメントの長期投与による臨床的意義の検証が期待されます。




ビタミンCは、安全であり、費用対効果も高いベーシックなサプリメント成分ですので、普段から継続的な摂取が推奨されます。



DHCでは、

ビタミンC(1,000mg)


を製品化しています。




機能性食品素材・サプリメントでは、抗炎症作用や抗酸化作用を有する成分があり、人工透析患者に対する効果が示唆されています。

(腎不全・維持透析患者のためのサプリメント)


例えば、疫学研究では、魚油/オメガ3系脂肪酸の摂取が多いと、人工透析患者の生存率が向上する、というデータが知られています。
(Am J Kidney Dis. 2011 Aug;58(2):248-56.)


また、腎不全患者の新規透析用動静脈グラフト術後経過に対する魚油サプリメントの効果を示したランダム化比較試験も示されています。



その他、次のような報告も知られています。


葉酸サプリメントによる末期腎不全患者の死亡率低下効果



腹膜透析患者におけるビタミンCとEの抗酸化作用



維持透析患者でのビタミンEの抗酸化作用



・慢性血液透析患者に対するビタミンD3サプリメントの有用性



・腎不全患者の透析用動静脈グラフトに対する魚油サプリメントの効果



・ビタミンD高値は腎結石症との相関なし




・還元型コエンザイムQ10による腎機能改善作用



・ビタミンD3+カルシウムサプリメントによる効果@慢性腎臓病患者



・ビタミンD不足の腎臓移植患者ではタンパク尿が認められる



・人工透析患者におけるαリポ酸の効果



・ビタミンDによる慢性腎臓病の死亡率低下作用



・末期腎疾患患者におけるビタミンDサプリメントの効果





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カルシウム摂取量が多いと全死亡率が低い@高齢者 [2013年11月20日(水)]
今月の科学誌に、高齢者において、カルシウムの摂取量が多いと全死亡率および心血管疾患死亡率が低い、という相関を示した疫学研究が、香港のグループ(Chinese University of Hong Kong)から報告されていました。
(PLoS One. 2013 Nov 5;8(11):e80895.)




カルシウムの摂取量と死亡率との関連を調べた疫学研究の多くは、

カルシウムの摂取量が比較的多い群を対象にしていました。



そこで、今回の研究では、

カルシウムの習慣的な摂取量が少ない(1日あたり700mg未満)の被験者における影響が調べられました。




具体的には、

試験開始時に

65歳以上で心疾患や脳卒中などを有しておらず、

カルシウム摂取量が少ない中国人の男女3,139名を対象に、

前向きコホート研究として実施されています。



9.1年間の追跡期間中、

529名(男性344名、女性185名)の死亡(全死亡)、

114名の心疾患による死亡(男性74名、女性40名)が見出されました。



解析の結果、

カルシウム摂取量が多いほど、死亡率が低いという相関が認められたということです。



カルシウム摂取量の四分位で、

最低群(男性で<458 mg/日, 女性で<417 mg/日)に比べて、

最高群(男性で>762 mg/日, 女性で>688 mg/日)では、

全死亡率が37%低いことが示されています。

(HR=0.63, 95% CI=0.49-0.81, P trend<0.001)



また、

心血管疾患の死亡率では、30%のリスク低下傾向が見出されました。

(HR=0.70, 95% CI=0.41-1.21, P trend=0.228)





さらに、

層別解析において、

カルシウムサプリメントの利用でも、

同様の相関が認められています。




以上のデータから、

(欧米と比べて)

習慣的なカルシウム摂取量が比較的低い中国人高齢者では、

食事あるいはサプリメントからのカルシウム摂取量が多いと、

全死亡率の低下や心血管死亡率の低下との相関が認められます。






日本人の食事摂取基準(2010年版)では、

成人のカルシウム推奨量は、

1日あたり600mg〜800mgです。


しかし、実際の日本人の平均摂取量は507mgと、大幅に下回っています。
(平成23年国民健康・栄養調査)



カルシウムの豊富な食品からの摂取が基本ですが、

過去数十年間の全国調査で、日本人の平均が一度も目標を達成したことがないという現状を考えると、

食事に加えて、サプリメントを利用するほうが好ましいと考えます。



DHCでは、適正な価格で高品質のマルチビタミンマルチミネラルカルシウム・マグネシウムを提供しています。



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エクストラバージンオリーブオイルの健康成分 [2013年11月19日(火)]
今月の抗加齢医学の専門ジャーナル(電子版)に、エクストラバージンオリーブオイルの機能性成分に関する総説が、報告されていました。
(Rejuvenation Res. 2013 Nov 12.)




オリーブオイルは、単価不飽和脂肪酸というだけではなく、最近の研究では、エクストラヴァージン(バージン)オリーブオイルに含まれるファイトケミカル・ポリフェノールによる抗酸化作用や抗炎症作用、動脈硬化抑制作用といった機能性が広く知られています。



オリーブオイルを多く使用する地中海食は、健康長寿に有用であることが医学研究によって支持されています。

(健康にいいというエビデンスが多いのは、和食ではなく、地中海食です。)




さて、今回の総説では、

まず、
地中海食の疾病予防効果は、エクストラバージンオリーブオイルに含まれる機能性食品成分の働きによるところが大きいと考察しています。




オリーブオイルは、
単価不飽和脂肪酸に分類される脂質です。

エクストラバージンオリーブオイルには、オリーブ由来の様々なポリフェノールが含まれています。


具体的には

オレユロペンoleuropein,

ヒドロキシチロソールhydroxytyrosol,

チロソールtyrosol

オレオカンタールoleocanthal,

などです。




これらのオリーブポリフェノールは、

抗酸化作用や抗炎症作用を有しており、健康保持および疾病予防に作用します。





非臨床研究では、

ポリフェノール高含有のエクストラバージンオリーブによる抗炎症作用および抗酸化作用が示されており、



ヒドロキシチロソールやオレオカンタールでは、

プロスタグランジン産生に関与するCOX-1 およびCOX-2の阻害作用が見出されています。


また、

オレユロペンは、

ラディカルスカベンジャーとして作用し、

LDLコレステロールの酸化を抑制します。




さらに、

論文著者らによる臨床研究では、

若年者及び高齢者のいずれの群でも、


エクストラバージンオリーブ投与によって、

免疫や炎症、酸化障害に対する効果が見出されたということです。



その他、

長寿に関連して、糖代謝に関与する遺伝子発現への影響も示されています。




本総説において論文著者らは、

エクストラバージンオリーブオイルは、

精製されたオリーブオイルと比べて、

オリーブ由来ポリフェノールが豊富に含まれており、

それらの抗炎症作用や抗酸化作用によって、

生活習慣病の予防に有用である、

と考察しています。






地中海食は、スペインやギリシャ、南フランスなど地中海地方の伝統食です。

野菜や果物、全粒の穀類、種実類、オリーブオイルの利用が多いという特徴があります。


地中海食は、健康増進や疾病予防に有用であることが知られており、多くの研究によってエビデンスが示されています。



例えば、

地中海食で死亡率が半減する

という研究があります。



地中海食をベースに、エクストラバージンオリーブオイル、あるいはナッツ類を組み合わせた介入試験について、最近では次のような研究が報告されています。



心臓病高リスク群に対する地中海食+エクストラバージンオリーブオイルの心臓病抑制効果




エクストラバージンオリーブオイルによる認知症予防効果



地中海食+エクストラバージンオリーブオイルによる認知機能改善作用



地中海食による血中総酸化能の亢進効果



バージンオリーブオイルとナッツ類を含む地中海食の抗炎症作用






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スタチン服用中の心臓病患者でのコエンザイムQ10の効果 [2013年11月18日(月)]
本日、ヤフージャパンに

化粧品メーカー社員が教えるコスパ最高商品とサンプル入手法

という記事が掲載されていました。



記事の冒頭では、


--------------

「これは名品」「コスパが素晴らしい」とこっそり他社製品を使っていることも…。

「私の周りでみんなが使っているのが、735円の『DHC薬用リップクリーム』です。保湿時間も長いし、コスパ抜群。もちろん、家でこっそりですよ」(大手外資系化粧品メーカー社員Aさん)

--------------


という記述がありました。





さて、私事ですが、いつものお勉強日記です。


今月の栄養学の専門ジャーナルに、スタチン服用中の心臓病(冠状動脈疾患)におけるコエンザイムQ10の抗酸化作用・抗炎症作用を示した臨床研究が報告されていました。
(Nutr J. 2013 Nov 6;12(1):142)




脂質異常症治療薬(高脂血症治療薬)のスタチン剤は、脂質代謝を改善(LDLコレステロール合成を阻害)し、心血管リスクを低減することから、広く処方されています。


スタチン服用時のコエンザイムQ10投与の必要性

は、すでによく知られています。



慢性炎症は、がんや動脈硬化性疾患、肥満・メタボリック症候群など生活習慣病全般に共通する病態です。


酸化ストレス障害も慢性炎症も、動脈硬化を進展させ、冠状動脈疾患(狭心症や心筋梗塞などの心臓病)の原因となります。



コエンザイムQ10は、抗酸化作用やATP産生作用を有する機能性成分で、体内でも産生されます。

しかし、加齢とともに内在性コエンザイムQ10は減少し、生活習慣病や慢性疾患でも低下がみられることから、アンチエイジング分野で広く摂取が推奨されているベーシックサプリメントです。



さて、今回の研究では、冠状動脈疾患/心血管疾患を有し、スタチン剤を服用中の患者におけるコエンザイムQ10投与の作用が調べられました。



具体的には、

冠状動脈疾患(少なくとも1枝に50%以上の狭窄あり)を有し、1ヶ月以上スタチン剤を服用している患者51名を対象に、


・一日あたり300mg(分2)のコエンザイムQ10投与群(n=27)

あるいは

・偽薬投与群(n=24)

の2群について、12週間の投与試験が行われました。



アウトカムとして、

コエンザイムQ10値、ビタミンE値、抗酸化酵素活性(SOD、カタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼ)、炎症関連マーカー(CRP, TNFα,IL-6)が

試験を完了した42名の被験者(CoQ10投与群23名、偽薬群19名)で測定されました。




解析の結果、

まず、
コエンザイムQ10投与群では、

血中コエンザイムQ10(CoQ10)値
(P < 0.001)

および

抗酸化酵素の活性
(P < 0.05)

が投与後に有意に上昇/亢進していました。



また、

TNF-α値は、CoQ10投与後に有意に低下(改善)しました。
(P = 0.039)


さらに、

12週後の時点において、

CoQ10投与群では、

偽薬投与群に比べて、

血中ビタミンE値の有意な増加、
(P = 0.043)

抗酸化酵素活性の有意な亢進
(P < 0.05)

が見出されています。




コエンザイムQ10投与群において、CoQ10投与後に、

血中CoQ10値は、

血中ビタミンE値(P = 0.008)および抗酸化酵素活性(P < 0.05)と有意な正相関を示し、

TNF-α値(P = 0.034)およびIL-6値(P = 0.027)と有意な負の相関を示しました。





以上のデータから、

スタチン服用中の心臓病(冠状動脈疾患)におけるコエンザイムQ10(1日あたり300mg)の投与による抗炎症作用および抗酸化作用が示唆されます。







コエンザイムQ10には、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)と還元型(=ユビキノール,ubiquinol)があります。



還元型CoQ10のほうが、酸化型CoQ10よりも体内で利用されやすいと考えられます。
(酸化型CoQ10は、体内に吸収された後、いったん還元されてから、利用されます。)


コエンザイムQ10に関するこれまでの研究の多くは、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)を用いています。


したがって、一般的には、生活習慣病の予防やアンチエイジング目的に関して、酸化型CoQ10のユビキノンの摂取で十分な効果が期待できます。


一方、特定の疾患に対して用いる場合、あるいは、体内の生理機能が低下している高齢者の場合には、還元型CoQ10の利用が推奨されます。




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出講@専門者会議 [2013年11月17日(日)]
本日、第5回岡田式健康法研究会・専門者会議にて、


「非対面式介入による減量プログラムの検証

----食事指導・遺伝子検査・フォーミュラ食・ 機能性食品による統合医療的アプローチ 」

という演題で、


出講させていただきました。




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出講@シンポジウム [2013年11月16日(土)]
本日、第5回岡田式健康法研究会(大阪市中央公会堂)の


シンポジウム
「健康都市づくりと統合医療センター構想―新たな医療システムの構築」にて、


「健康長寿のための食養生と機能性食品の役割」という演題で、


出講させていただきました。





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慢性腎臓病患者に対するビタミンD3サプリメント投与 [2013年11月15日(金)]
今月の腎臓病学の専門ジャーナル(電子版)に、慢性腎臓病患者に対するビタミンD3の投与を行った臨床研究が報告されていました。
J Ren Nutr. 2013 Nov 8.)



ビタミンDは,骨の健康に重要な脂溶性ビタミンとして知られています。


疫学研究では,血中ビタミンD値が低いと,骨折や骨粗鬆症,がんや心臓病などを発症しやすいことが知られています。


最近の研究では,ビタミンDサプリメントによる抗がん作用や免疫調節作用,生活習慣病の予防や改善,インフルエンザ予防,男性更年期改善など多彩な働きが示されてきました。


そこで,サプリメント療法として,1日あたり800〜2,000 IUのビタミンD投与が広く行われるようになりました。



近年、ビタミンDと慢性腎臓病との関係が報告されています。



例えば、

末期腎疾患患者におけるビタミンDサプリメントの効果

などです。


慢性腎臓病では、ビタミンD欠乏が高率に認められ、

かつ、

ビタミンD欠乏があると、腎機能が低下していることが知られています。



そこで、今回の研究では、

人工透析は行っていない、慢性腎臓病(CKD)患者におけるビタミンDサプリメント投与の働きが検証されました。




具体的には、

前向きオープンラベル試験として、

非透析の慢性腎臓病患者(eGFR;10-59 mL/min per 1.73 m2)210名を対象に、

血中ビタミンDを測定し、


ビタミンD低値(<30 ng/mL)の被験者に

1日あたり1,000 IUのビタミンD3サプリメントを6ヶ月間投与しています。



アウトカムとして、

3ヶ月、6ヶ月の時点でのビタミンD値、および腎機能関連指標が測定されました。




解析の結果、

まず、

ステージ3の慢性腎臓病(CKD)患者の40.7%、

ステージ4のCKD患者の61.5%、

ステージ5のCKD患者の85.7%

がビタミンD欠乏症でした。



ビタミンD欠乏群では、

糖尿病の合併率が高く、

腎機能が低下している(eGFRが低く、タンパク尿が高値)ことが見出されました。



ビタミンD3サプリメント投与によって、

3ヶ月の時点で、

52名の患者(76.5%)において、血中ビタミンD値(25(OH)D)が30 ng/mL以上となり、


6ヶ月の時点では

61名の患者(89.7%)が30 ng/mL以上となりました。




ビタミンDサプリメント投与に対して、


投与前に

血中ビタミンD値が低値である群、

および

タンパク尿が高値である群では反応が低いことが見出されました。





以上のデータから、

非透析のCKD患者ではビタミンD欠乏が高率であり、

ビタミンD低値と腎機能の低下が相関すること、

ビタミンD3サプリメント投与によってほとんどの患者で血中ビタミンD値が回復することが示唆されます。





近年、ビタミンDの機能性として、免疫調節作用や抗がん作用、インフルエンザ予防作用なども見出されてきました。



日本からの報告では、

ビタミンDサプリメントのインフルエンザ予防効果


が知られています。


また、さまざまな生活習慣病では、血中ビタミンD値が低いことが知られており、健康保持や疾病予防のために、ビタミンDサプリメントの摂取が推奨されます。


(欠乏症の予防ということでは通常の食事からでも補えますが、疾病予防という目的では、1日あたり1,000〜2,000
IUの摂取が必要であり、サプリメントを利用することになります。)



今日では、ビタミンD欠乏症の典型例のような疾患は少ない一方、血中ビタミンDの低値が広く認められることから、生活習慣病の予防やアンチエイジングを目的としたビタミンDサプリメントの利用が推奨されます。


日本人の間でも、ビタミンDの潜在的不足/欠乏が顕著になっています。


たとえば、
日本人妊婦の90%がビタミンD不足


血中ビタミンD値が高いと大腸腺腫リスクが低い

というデータがあります。



DHCでは、ビタミンD3サプリメントを製品化しています。


ビタミンDサプリメントに対する効果には個人差がありますが、
臨床的には、ビタミンDサプリメントを1,000IU/日の用量で投与すると、血中25ヒドロキシビタミンD値が10ng/ml増加する、
という報告もあります。

マルチビタミンのビタミンDはRDAのための設定ですので、別途、ビタミンDサプリメントの利用となります。






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クロレラによる抗酸化作用@日本人高齢者 [2013年11月14日(木)]
今月の脂質研究の専門ジャーナルに、日本人高齢者におけるクロレラ投与による抗酸化作用を示した臨床研究が、東北大学のグループから報告されていました。
(J Oleo Sci. 2013;62(11):873-81.)




クロレラ(Chlorella species)は、淡水産の藻の一種です。


タンパク質やアミノ酸、ビタミン類、ミネラル類といった栄養素が豊富であり、抗酸化作用のある葉緑素(クロロフィル)の含有量も多いことから機能性食品素材/サプリメント成分として利用されています。



先行研究では、ルテインなどのカロテノイドを含むキサントフィルの摂取によって、脂質過酸化の抑制が示唆されています。




認知症高齢者では、赤血球の細胞膜にリン脂質ヒドロペルオキシド(PLOOH)の蓄積が認められます。

PLOOHは、酸化ストレス障害によって生じる脂質過酸化の第一次生成物であることから、生体内の抗酸化能の低下が認知症の発症に関与することが考えられます。



そこで、今回の研究では、

ルテイン含有クロレラによる脂質過酸化への影響が調べられました。


具体的には、

ランダム化に樹盲検偽薬対照試験として、

健常な高齢者12名を対象に、

1日あたり8グラムのクロレラサプリメント(ルテイン22.9 mg含有)を投与し、

1ヶ月あるいは2ヶ月後の時点で、

赤血球中の過酸化脂質の指標としてのPLOOHおよびカロテノイド値が測定されました。



解析の結果、

クロレラ投与によって、

赤血球中および血漿中のルテイン値が有意に増加しました。


偽薬群では有意な変化は示されていません。



クロレラ摂取による赤血球中での抗酸化状態の亢進およびPLOOH値の低下が示唆されます。




クロレラ投与によるこれらの作用が、高齢者における認知症予防に有用かどうか、臨床的意義の検証が期待されます。




クロレラに関する研究として、下記の報告があります。


クロレラによる抗酸化作用@喫煙者



妊婦におけるクロレラサプリメントの効果





DHCでは、

クロレラ


スピルリナ


を製品化しています。





機能性食品・サプリメントの中で、ヒト臨床研究によって、認知症改善作用が示されているのは、次の成分です。



イチョウ葉エキス


イチョウ葉エキス製剤による認知症の症状改善作用


イチョウ葉エキスによる認知症改善効果@ドイツ


イチョウ葉エキスの有効性と安全性


イチョウ葉エキス20年間摂取による認知機能低下抑制作用



PS(ホスファチジルセリン)サプリメント


PS(ホスファチジルセリン)による認知機能改善作用



エクストラヴァージン(バージン)オリーブオイル


エクストラバージンオリーブオイルによる認知症予防効果



・ビタミンB群

ビタミンB群投与による脳萎縮(灰白質萎縮)抑制効果と認知機能低下抑制効果


脳萎縮進行抑制効果を示した臨床研究







一般に、認知機能への効果を期待する場合には、ビタミンB群、オメガ3系脂肪酸(EPADHA)、イチョウ葉エキスといったサプリメントを比較的長期間(数ヵ月以上)に利用することが必要と考えられます。

また、ウコン・クルクミンによる認知症改善作用も報告されています。

DHCでは、複合サプリメントも製品化しています。







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アガリクスによる脂質異常症改善作用 [2013年11月13日(水)]
フィリピンの台風被害、被災者への救援活動の進展を祈念いたします。


私事ですが、学生の頃、WHOの医官の方に案内されて、1週間ほど、マニラとセブ島に滞在し、WHOの活動と地域医療の現状を勉強したことがあります。
(WHOの西太平洋事務局がマニラにあります。)





今月の生化学の専門ジャーナル(電子版)に、アガリクスによる脂質異常症改善作用を示した基礎研究が、ブラジルのグループ(Ouro Preto University)から報告されていました。
(J Physiol Biochem. 2013 Nov 8.)



アガリクス(学名Agaricus blazei Murill)は、ブラジル原産の食用・薬用キノコで、抗腫瘍作用や免疫調節作用が知られており、多くの基礎研究で抗がん作用が報告されています。


また、臨床研究では、がん患者におけるQOL改善作用が示されており、がんの統合医療では補完療法としてアガリクスなどのキノコ抽出物含有サプリメントが用いられています。



さて、今回の研究では、
高コレステロール含有食摂取時におけるアガリクスの脂質代謝への作用が検証されました。


具体的には、

Fisher雌ラット(n=32)を用いて、
4群に分け、

(1)標準対照食(AIN-93 M)摂取群

(2)標準対照食+1%アガリクス併用群

(3)高コレステロール食摂取群(1%コレステロール)

(4)高コレステロール食+1%アガリクス併用群

について6週間の介入試験が行われています。



摂食量、体重変化、肝機能、脂質代謝関連指標などが測定されました。




解析の結果、
(3)高コレステロール食摂取群にくらべて、

(4)高コレステロール食+1%アガリクス併用群では、

摂食量が多いにもかかわらず、体重増加量は少なかったということです。


また、
内臓脂肪量は有意に減少しており、
(1)標準対照食(AIN-93 M)摂取群や(2)標準対照食+1%アガリクス併用群と同程度でした。



高コレステロール食にアガリクスを併用した群では、
対照群に比べて、
総コレステロールおよび非HDLコレステロールの有意な低下(改善)、
動脈硬化指数の有意な改善が認められています。




以上のデータから、

高コレステロール含有食負荷時に生じる脂質異常症に対して、

アガリクス投与による改善作用が示唆されます。



今後、臨床的意義の検証が期待されます。







アガリクスは、基礎研究では抗がん作用について比較的多くのデータが知られています。

一方、ヒト臨床研究による報告はまだ少ないので、今後、エビデンスの集積が期待されます。

(アガリクスに限らず、キノコ類には抗がん作用が想定されますが、投与者全員に効果があるわけではありません。症例研究では、改善例が期待されると思います。
なお、腫瘍縮小という指標での改善例は限られると思ますが、QOLの改善ということであれば、比較的多くの被験者で期待できると想定されます。)



最近の研究では、次の報告があります。


アガリクスによる抗肥満作用



アガリクスによる抗がん作用



アガリクスの抗炎症作用@炎症性腸疾患



アガリクスによる免疫賦活作用



アガリクスの抗アレルギー作用





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炭水化物制限食による糖代謝・血圧の改善作用@スタチン服用者 [2013年11月12日(火)]
高齢者こそ肉を?!

というタイトルで、

頓珍漢な内容の番組を公共放送が流していました。



内容は、

旧東京都老人研のデータに基づいた、高齢者での低アルブミン血症と栄養障害という、

いつもの話です。




アンチエイジング(抗加齢)やヘルシーエイジング(健康長寿)のためには、

・緩やかな糖質制限食、

・オリーブオイル・野菜・豆類・魚類の豊富な地中海食

・オメガ3系脂肪酸の豊富な魚類、

が基本であり、


機能性食品・サプリメントも必要でしょう。


タンパク源が必要なら、プロティンダイエットのようなフォーミュラ食が簡便で確実です。

DHCプロティンダイエットであれば、ビタミン・ミネラル・コエンザイムQ10・ポリフェノールなどの機能性食品素材も含まれています。)




さらに、畜産の摂取を減らすのは、地球環境への負荷軽減というエコロジーの視点からも維持されています。


1992年に米国農務省が示した食事ガイドラインのフードガイドピラミッドでは、畜産品の摂取量が以上に多く推奨されていました。

そして、これは、畜産業界からの働きかけの結果であることは研究者の間ではよく知られています。



多様な食生活があって当然ですし、

個人の好みや信条による食養生、

各自の体質や疾病リスクに応じて個別化された栄養学に基づいた食事指導が望まれます。



NHKの番組が、あまりに時代錯誤で、誤解を招きやすい構成であり、驚いてしまいました。








さて、今日の私のお勉強ブログです。


今月の栄養学研究の専門ジャーナルに、スタチン剤(脂質異常症治療薬)の服用者において、炭水化物制限食(低炭水化物食)による糖代謝と血圧の改善効果を示した臨床研究が、米国のグループ(University of Connecticut)から報告されていました。
(Nutr Res. 2013 Nov;33(11):905-12.)




近年、糖質制限食/低炭水化物食/ローカーボ食による肥満改善効果や糖尿病での血糖コントロール改善効果が注目されており、多くの臨床研究によるエビデンスの構築が行われています。


一方、日本の「食事バランスガイド」では、ごはん・お米の主食が一番大きなポーションを占めています。

これは、農林水産省が作成した食事ガイドラインなので、ごはん・お米を推奨してしまうのは、利害関係上、やむを得ないのでしょう。




アンチエイジング医学や最新の内分泌代謝病学の研究では、適切な糖質制限食による医学的効果のエビデンスはすでに構築されています。



(なお、糖質制限反対派の人たちは、栄養学的に明らかに不適切な糖質制限食、例えば、ステーキ・焼き肉食べ放題は長期的によくない、動物性脂質の摂りすぎは動脈硬化をもたらすなど、極端に間違った例を挙げて、糖質制限食すべてが間違っているかのような意見を述べています。)



今回の研究では

脂質異常症(高脂血症)の薬として広く利用されているスタチン剤を服用している患者に対して、炭水化物制限食による血管内皮機能への影響が調べられました。




スタチンには、多面的作用があり、

LDL(悪玉)コレステロール合成阻害作用を介してLDLを低下させる他、

炎症の改善や血管内皮機能の改善などが知られています。




今回の研究では、

炭水化物制限食が、スタチンとの併用によって、これらの多面的な作用について、

相加作用を生じるかどうか、検証されました。






具体的には、

スタチン服用者21名(平均年齢59.3歳, BMI 29.5)を対象に、

炭水化物の摂取量を

1日あたり50グラム未満に制限した食事(糖質制限食)が6週間投与されました。




(1日あたり50グラム未満という糖質制限食の感覚ですが、

例えば、

精白米ごはんの茶わん1膳に含まれる糖質は55グラム、

バナナ1本の糖質は36グラムです。)







炭水化物制限食による介入の結果、

摂取総カロリー数は、6週間後の時点で415kcal、減少しました(P < .001)。



炭水化物(C) 、脂質(F)、タンパク質(P)の摂取バランス(エネルギー比)は、

試験開始時点の46/36/17%(C/F/P)から、

介入期間の平均では11/58/28%となり、

炭水化物の摂取量が著減しています。
(P < .001)



収縮期血圧および拡張期血圧は、

試験開始時に比べて、

3週間後および6週間後の時点で、有意な低下(改善)が認められました。
(P < .01)



上腕血流量は、投与前および3週間時に比べて、6週間の時点で有意な増加を示しました。
(P &#8804; .03)




血中TG値、インスリン、可溶性Eセレクチン、ICAM-1は、

開始時に比べて、

3週間の時点で、

有意に低下(改善)し、

6週間の時点まで持続しています。
(P < .01)




以上のデータから、

スタチン服用中の患者において、

炭水化物制限食は、

血圧低下および血管内皮機能改善作用、脂質代謝改善(中性脂肪値の低下)をもたらすことが示唆されます。








肥満など生活習慣病の予防と改善、抗加齢・ヘルシーエイジングには、

地中海食を基本とした緩やかな糖質制限が有用です。





炭水化物制限食は、結果的に高タンパク食で高脂肪食になるため、長期的な影響が明確でないとして、日本糖尿病学会から批判されています。


しかし、緩やかな炭水化物制限食をベースとして、植物性タンパク質やエクストラバージンオリーブオイルを多用する食生活であれば、長期的にも健康にいい影響が期待できます。


最近のエビデンスとして、次のような報告があります。



低炭水化物食による減量と脂質代謝改善効果




(タンパク質は魚類や大豆を中心にし、獣肉類の摂取は避けましょう。

また、オメガ6系の脂質も推奨できません。

欧米の臨床試験では、好ましくない種類のたんぱく質や脂質を過剰に摂取したことによるネガティブな影響を示したものがあります。

したがって、それらを偏重して取り上げて、炭水化物制限食がすべて間違っているかのような説明は適切ではありません。)





結局のところ、唯一無二の正しい食事療法があるわけではなく、個人の体質やライフスタイル、嗜好に合わせて、かつ、適宜組み合わせて、適切な食事療法を継続することが大切です。


今回の研究からも明らかですが、緩やかな糖質制限食をベースにした地中海食は、一番エビデンスがあると思います。




DHC赤沢温泉郷では、和食ベースの糖質制限食を提供しています。



(例えば、赤沢日帰り温泉では「糖質制限定食 5種」などがあります。)




また、DHCでは、ポリフェノールが豊富で機能性が示されているエクストラバージンオリーブオイルを取り扱っています。






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魚油サプリメントによるドライアイ改善作用 [2013年11月11日(月)]
ドライアイに対する魚油サプリメント投与の効果を示した臨床研究が、慶応大学のグループから報告されていました。
(Biomed Res. 2013;34(5):215-20)



米国のグループによる先行研究では、


オメガ3系脂肪酸によるドライアイ改善作用



という報告があります。


先行研究によると、

シルマーテスト(涙液分泌量の検査)において、

オメガ3系脂肪酸サプリメント投与による涙液の分泌増加が示唆されています。



また、蛍光測定検査でも改善が見いだされました。


一方、脂質構成については、オメガ3系脂肪酸投与群も偽薬投与群も有意な変化は示されていません。






さて、今回の研究では、

ドライアイ治療において、

通常の治療に併用して、魚油サプリメントの投与による働きが調べられました。




具体的には、

ランダム化比較試験として、

ドライアイ患者27名を対象に、

・魚油投与群(n = 15):(EP;1245 mg/day、DHA; 540 mg/day)

・偽薬投与群(n = 12)

の2群に分けて

12週間の介入が行われています。



指標として、

自覚症状のVAS、シルマーテスト(涙液分泌量の検査)、

BUT (tear film breakup time 涙液層破壊時間)などが測定されました。
(4週間ごとに測定)



解析の結果、

偽薬群に比べて、

魚油サプリメント投与群では、

8週間から12週間の時点で、

ドライアイ関連症状、BUT、ローズベンガル染色スコアの有な改善が認められました。





以上のデータから、

ドライアイに対する魚油サプリメントの改善作用が示唆されます。





EPADHAなどのオメガ3系必須脂肪酸は、抗炎症作用・動脈硬化予防作用、認知機能改善作用、抗うつ作用など多彩な働きが示されています。




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