臨床薬理学の専門ジャーナルに、隠れ肥満女性におけるダークチョコレートの機能性を調べた臨床研究が、イタリアのグループ(University of Tor Vergata, Rome)から報告されていました。
(
Eur Rev Med Pharmacol Sci. 2013 Aug;17(16):2257-66.)
隠れ肥満とは、体重やBMIが正常範囲であるが、体脂肪量(体脂肪率)が過剰である状態をさします。
隠れ肥満も、心血管疾患など生活習慣病のリスクとなるため、
脂肪量の減量の他、抗炎症作用・抗酸化作用を有する機能性食品素材による予防効果が期待されます。
ココアやチョコレートには、カカオポリフェノールが含まれており、ポリフェノールの抗酸化作用を介した機能性が注目されています。
これまでの疫学研究や臨床試験では、高血圧症の改善、心血管疾患(動脈硬化性疾患)リスクの低減、抗がん作用などが報告されています。
さて、今回の研究では、
隠れ肥満女性において、
ダークチョコレートの脂質代謝や炎症マーカーなどへの影響が検証されました。
具体的には、
20-40歳の隠れ肥満女性15名を対象に、
1日あたり100グラムのダークチョコレート(70%カカオ)を7日間投与し、
体組成、血圧、血中サイトカイン類などの指標が投与前後で比較されています。
解析の結果、
ダークチョコレートの投与によって、
善玉であるHDLコレステロール値の有意な増加(改善)、
(Delta% = +10.41±13,53; p ≤ 0.05)
総コレステロール/HDL比の有意な低下(改善)、
(Delta %= -11.45±7.03; p ≤ 0.05)
LDL/HDL比の有意な低下(改善)、
(Delta % = -11.70±8.91; p ≤ 0.05)
IL-1Raの有意な低下(改善)
(Delta % = -32.99±3.84; p ≤ 0.05)
が認められたということです。
また、
腹部周囲径の減少も見出されました。
さらに、
動脈硬化指数の変化と、
IL-1Raや腹部周囲径の減少との間に有意な正の相関が認められました。
以上のデータから、
隠れ肥満女性において、
カカオ高含有のダークチョコレートの摂取による脂質代謝改善作用が示唆されます。
ココアやチョコレートには、カカオポリフェノールが含まれており、ポリフェノールの抗酸化作用を介した機能性が注目されています。
これまでの疫学研究や臨床試験では、高血圧症の改善、心血管疾患(動脈硬化性疾患)リスクの低減、抗がん作用などが報告されています。
例えば、次のような研究が知られています。
チョコレートの摂取と脳卒中リスクの低下:前向き研究とメタ解析
ダークチョコレートによる血管内皮機能改善作用
小児の血圧とダークチョコレート
ココアによる抗炎症作用@肥満症
健康増進・疾病予防という目的では、カカオの含有量が多いダークチョコレートの摂取がポイントです。
また、ココアパウダーを用いたココア飲料では、糖分の過剰摂取に注意が必要です。
チョコレートポリフェノール/フラボノイドによる高血圧改善効果は、メタ解析でも示されています。
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