植物療法研究の専門ジャーナル(電子版)に、トンカット・アリによる免疫調節作用を示した臨床研究が、マレーシアと日本の研究グループ(東京医科歯科大・オルトメディコ・明治薬科大学)から報告されていました。
(
Phytother Res. 2016 Jan 27.)
トンカット・アリ(学名Eurycoma longifolia)は、東南アジア原産のハーブで、マレーシアの民間療法では強壮・催淫薬として用いられてきました。
近年、マレーシアを中心に、トンカット・アリ(Tongkat Ali)に関する研究が進められています。
例えば、
トンカット・アリによる男性更年期障害改善作用を示した臨床研究も知られています。
トンカット・アリ標準抽出物には、主な成分のクワシノイド(quassinoid,変形テルペノイド)として、eurycomanone(ユーリコマノン)やeurycomanolなどが含まれています。
さて、
今回の研究では、
中年層の日本人において、
トンカット・アリ根抽出物による免疫調節作用が検証されました。
具体的には、
ランダム化二重盲検偽薬対照試験として、
被験者126名(うち84名は免疫指標(免疫力スコア(Scoring of Immunological Vigor: SIV)が低スコア)を対象に、
1日あたり200mgのトンカット・アリ抽出物(Physta®)
あるいは
偽薬のいずれかが4週間投与されています。
介入の前後で、
各種の免疫関連指標が測定されました。
83名が試験を完了し、
2名が除外され、
実薬群40名、偽薬群41名が解析の対象となりました。
解析の結果、
4週間後の時点で、
偽薬群に比べて、
実薬群では、
免疫指標(SIVおよび免疫的グレード)が有意に高値でした。
(p < 0.05)
また、
T細胞数(total, naïve, CD4+ T)は、
偽薬群に比べて、
トンカット・アリ投与群において、有意に増加していました。
(p < 0.05)
試験期間中、特に問題となる有害事象は認められていません。
以上のデータから、
日本人の中年男女において、
トンカット・アリ抽出物(Physta®)による免疫調節作用が示唆されます。
今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。
免疫調節作用の検証に関して、古典的な指標では、ナチュラルキラー(NK)細胞の数や活性、リンパ球の数などさまざまなマーカーが用いられてきました。
ただし、免疫には多くの因子が関与していることから、網羅的に測定し、臨床的意義を検証する仕組みが必要となります。
そこで、今回の研究では、免疫機能の総合的な指標として、「免疫力スコア(Scoring of Immunological Vigor: SIV)」が用いられています。
機能性食品・サプリメントの成分では、免疫調節作用、免疫賦活作用を示す成分があります。
例えば、マイタケ抽出による免疫調節作用を調べた研究では、多くの指標が測定され、マイタケによる一定の作用が検出されていますが、被験者による個人差も見出されています。
がんに対するきのこ類、風邪・インフルエンザに対するエキナセアなどのように、臨床研究で有用性が示されているものも少なくありません。
今後、網羅的な免疫関連指標の解析により、免疫系へのテイラーメイドのアプローチとしての機能性食品・サプリメントの適正使用に関するエビデンスの構築が期待されます。
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