今月の臨床薬理学の専門ジャーナル(電子版)に、脂質異常症に対する紅麹とシンバスタチンの効果を比較検証したレビューが、マレーシアのグループ(University of Malaya)から報告されていました。
(
J Clin Pharm Ther. 2016 Mar 9.)
脂質異常症・高脂血症対策のサプリメントの定番は、
紅麹です。
今回のレビューでは、
脂質異常症への有用性に関して、
紅麹とシンバスタチンが比較検証されました。
具体的には、
2015年5月までの主要医学データベースから、
脂質異常症と、紅麹、シンバスタチンのデータが検索され、
10報のRCTから、脂質異常症患者905名のデータが検証されました。
解析の結果、
脂質異常症に対する有用性において、
いずれのアウトカムでも、
紅麹とシンバスタチンとの間に有意差は認められませんでした。
論文著者らは、
多くの比較的小規模な臨床研究において、
紅麹と、シンバスタチンは、脂質異常症に対する同等の有用性を示した、
と考察しています。
実際のところ、紅麹による脂質異常症改善作用、LDLコレステロール低下作用は、十分なエビデンスがあります。
また、有用性と安全性のバランスを考えると、ケミカルに合成された単一の有効成分によるスタチン剤よりも、生薬である紅麹のほうが好ましいと考えられます。
脂質異常症・高脂血症対策のサプリメントの定番は、
紅麹です。
DHC濃縮紅麹では、4週間の投与で、総コレステロール値の低下、LDLコレステロール値の低下といった作用が見出されています。
紅麹の安全性と有効性は、メタ解析でも確認されています。
紅麹による脂質代謝改善作用@メタ解析
最近では、下記の研究が報告されています。
コエンザイムQ10によるスタチン剤の副作用症状抑制効果
医薬品では、スタチン剤が広く処方されますが、スタチン剤は内在性コエンザイムQ10濃度を下げてしまうため、スタチン剤服用中にはコエンザイムQ10サプリメントの摂取が必須となります。
スタチン不耐症の脂質異常症患者に対して、紅麹投与による脂質代謝改善作用を示したランダム化比較試験も知られています。
(なお、スタチンおよび紅麹のいずれも、
コエンザイムQ10との併用が有用です。)
コエンザイムQ10には、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)と還元型(=ユビキノール,ubiquinol)があります。
還元型CoQ10のほうが、酸化型CoQ10よりも体内で利用されやすいと考えられます。
(酸化型CoQ10は、体内に吸収された後、いったん還元されてから、利用されます。)
コエンザイムQ10に関するこれまでの研究の多くは、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)を用いています。
したがって、一般的には、生活習慣病の予防やアンチエイジング目的に関して、
酸化型CoQ10のユビキノンの摂取で十分な効果が期待できます。
一方、特定の疾患に対して用いる場合、あるいは、体内の生理機能が低下している高齢者の場合には、
還元型CoQ10の利用が推奨されます。
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