サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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血中カロテノイドが高いと肝障害リスクが低い:三ヶ日コホート研究 [2016年03月04日(金)]
栄養学の専門ジャーナルに、血中カロテノイド類と肝機能指標との関連を調べた疫学研究が、浜松医科大学のグループから報告されていました。
(Br J Nutr. 2016 Feb 26:1-8)



先行研究では、

抗酸化ビタミン類、カロテノイド類による肝障害リスク低下作用が示唆されています。



今回の研究では、

日本人を対象にした縦断研究により、

血中カロテノイドと、肝機能指標との関連が検証されました。



具体的には、

三ヶ日Mikkabi前向きコホート研究として、

30歳から79歳の日本人の男女1073名を対象に、

血中カロテノイド類と、肝逸脱酵素(ALT)との関連が調べられています。

(なお、1日60グラム以上のアルコール摂取、B型肝炎、C型肝炎、肝疾患に関連した服薬中の者は除外されています。)



被験者のうち、試験開始時にALTが正常値(>30 IU/ml)であったのは
男性213名、女性574名でした。

平均追跡期間7.4±3.1年の間に、

男性31名、女性49名が、新たにALT上昇を認めました。


交絡因子で補正後、

βカロテン、βクリプトキサンチン、総プロビタミンAカロテノイドが、

三分位で最高群では、

最低群に比べて、


ALT上昇リスクが、それぞれ、

57%低い(OR:0.43, 95 % CI 0.22, 0.81),

49%低い(OR:0·51, CI 0.27, 0.94)

48%低い(OR: 0.52, CI 0.28, 0.97),

という有意な相関が認められたということです。



また、

αカロテン、リコピンに関しても、

ALT上昇リスクの低下傾向が見出されています。




以上のデータから、

抗酸化作用を有するカロテノイド類の摂取が多いと、肝機能障害のリスクが低いと考えられます。


日本人において、非アルコール性肝障害の予防のために、カロテノイドの豊富な植物性食品の摂取が推奨されます。






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日本の基準では、1日あたり350グラム以上の野菜の摂取が推奨されています。

実際の平均的な日本人の摂取量は、280−290グラムほどです。



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