還元型コエンザイムQ10サプリメント投与による酸化還元状態の改善と抗炎症作用を示した臨床研究が、ドイツのグループ(Christian-Albrechts-University of Kiel)から報告されていました。
(
Biofactors. 2016 Feb 23.)
コエンザイムQ10は、抗酸化作用やATP産生作用を有する機能性成分で、体内でも産生されます。
しかし、加齢とともに内在性コエンザイムQ10は減少し、生活習慣病や慢性疾患でも低下がみられることから、アンチエイジング分野で広く摂取が推奨されているベーシックサプリメントです。
コエンザイムQ10には、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)と還元型(=ユビキノール,ubiquinol)があります。
還元型CoQ10のほうが、酸化型CoQ10よりも体内で利用されやすいと考えられます。
(酸化型CoQ10は、体内に吸収された後、いったん還元されてから、利用されます。)
コエンザイムQ10に関するこれまでの研究の多くは、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)を用いています。
したがって、一般的には、生活習慣病の予防やアンチエイジング目的に関して、
酸化型CoQ10のユビキノンの摂取で十分な効果が期待できます。
一方、特定の疾患に対して用いる場合、あるいは、体内の生理機能が低下している高齢者の場合には、
還元型CoQ10の利用が推奨されます。
また、高齢者でも、還元型コエンザイムQ10のほうが推奨されています。
さて、
今回の研究では、
コエンザイムQ10のレドックス状態(コエンザイムQ10の酸化型の割合)と、血中炎症マーカーとの関連が検証されました。
具体的には、
白人1,319名を対象に、
血中CRPと、CoQ10レドックス、BMIが調べられ、
続いて、
介入試験として、
53名を対象に、
1日あたり150mgの還元型コエンザイムQ10サプリメントを14日間投与した臨床研究が行われています。
解析の結果、
コホート研究において、
血中CoQ10レドックスと、CRP値との間に有意な相関が見出されました。
(P < 0.001)
つまり、
CRP値が高いほど、
コエンザイムQ10の酸化型の割合が大きいという相関です。
その他の炎症関連マーカー(IL-6、白血球数)でも同様の結果でした。
BMIや性別などの交絡因子での補正後、
CRP値は、
CoQ10レドックス状態の指標として有意でした。
(ANCOVA, P < 0.001)
また、還元型コエンザイムQ10サプリメント投与の介入試験では、
還元型コエンザイムQ10の割合の有意な増加が認められ、
(P < 0.001)
特に、投与前の血中ユビキノール(還元型コエンザイムQ10)値が低い(<92.3%)群では、
より顕著な増加が認められました。
さらに、
ユビキノールの状態は、
炎症マーカーであるMCP-1との有意な相関が示されました。
以上のデータから、
コエンザイムQ10のレドックス状態がCRPの指標となること、
ユビキノールが低い群、BMIが大きい群、ローグレードの炎症を有している群では、
還元型コエンザイムQ10サプリメント投与による有用性が示唆されます。
コエンザイムQ10は、ATP産生作用や抗酸化作用を介して、さまざまな生活習慣病に効果が示されています。
健康な人や未病の状態では、1日あたり90mg〜110mg程度をベーシックサプリメントとして毎日摂取します。
一方、何らかの疾患があり、補完療法として用いる場合には、1日あたり100mg〜300mg程度の利用になります。
欧州の研究では、
がん患者にコエンザイムQ10を投与することで、生存率が向上したという報告もあります。
また、
臨床的には、がん患者では、放射線や化学療法といった治療あるいは終末期において、
がんに関連した倦怠感(Cancer Related Fatigue:. CRF)が高頻度に出現することが知られています。
コエンザイムQ10には、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)と還元型(=ユビキノール,ubiquinol)があります。
還元型CoQ10のほうが、酸化型CoQ10よりも体内で利用されやすいと考えられます。
(酸化型CoQ10は、体内に吸収された後、いったん還元されてから、利用されます。)
コエンザイムQ10に関するこれまでの研究の多くは、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)を用いています。
したがって、一般的には、生活習慣病の予防やアンチエイジング目的に関して、
酸化型CoQ10のユビキノンの摂取で十分な効果が期待できます。
一方、特定の疾患に対して用いる場合、あるいは、体内の生理機能が低下している高齢者の場合には、
還元型CoQ10の利用が推奨されます。
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