サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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紅麹+コエンザイムQ10による脂質代謝・血管内皮機能改善作用 [2016年04月11日(月)]
今月の栄養学の専門ジャーナルに、紅麹とコエンザイムQ10サプリメントの併用投与により、脂質代謝と血管内皮機能改善効果を示した臨床研究が、イタリアのグループから報告されていました。
(Ann Nutr Metab. 2016 Apr 8;68(3):213-219.)


脂質異常症・高脂血症対策のサプリメントの定番は、紅麹です。


DHC濃縮紅麹では、4週間の投与で、総コレステロール値の低下、LDLコレステロール値の低下といった作用が見出されています。


紅麹の安全性と有効性は、メタ解析でも確認されています。

紅麹による脂質代謝改善作用@メタ解析



脂質異常症に対する医薬品として、スタチン剤が広く利用されています。

しかし、スタチン剤では、10−15%に副作用が生じ、スタチン不耐症となり、服用中止となります。

そこで、スタチンと同等の効果があり、かつ副作用リスクが少ない、紅麹サプリメントが、脂質異常症の選択肢として注目されています。



今回の研究では、

紅麹とコエンザイムQ10の併用投与による血管内皮機能および動脈壁の硬化への影響が検証されました。


具体的には、
二重盲検偽薬対照ランダム化試験として、

高コレステロール血症の被験者40名を対象に、
(非喫煙者、中等度の脂質異常症)

4週間の食事と運動への介入後、

・紅麹+コエンザイムQ10サプリメントの併用投与群
(紅麹は10mgモナコリン類含有、コエンザイムQ10は30mg)

・偽薬投与群

の2群について6ヶ月間の介入が行われました。


血管内皮反応、動脈壁の効果の指標が測定されています。


解析の結果、

紅麹+コエンザイムQ10サプリメント投与により、

LDLコレステロール値の有意な低下が見出されました。

サプリメント投与群;-26.3%

偽薬投与群; +3.4%
(p < 0.05)


また、

紅麹+コエンザイムQ10サプリメント投与により、

血管内皮機能(反応性)の改善
(pulse volume displacement:

実薬群: +6.0%; 偽薬投与群: -0.3%, p < 0.05)

動脈壁の効果の抑制

(実薬群; -4.7%; 偽薬群: +1.1%, p < 0.05)

も見出されています。



以上のデータから、

中等度の脂質異常症患者において、

紅麹+コエンザイムQ10サプリメント投与により、

脂質異常症の改善(LDLコレステロール値の低下)および血管内皮機能の改善作用が示唆されます。





最近では、下記の研究が報告されています。



コエンザイムQ10によるスタチン剤の副作用症状抑制効果




医薬品では、スタチン剤が広く処方されますが、スタチン剤は内在性コエンザイムQ10濃度を下げてしまうため、スタチン剤服用中にはコエンザイムQ10サプリメントの摂取が必須となります。


スタチン不耐症の脂質異常症患者に対して、紅麹投与による脂質代謝改善作用を示したランダム化比較試験も知られています。

(なお、スタチンおよび紅麹のいずれも、コエンザイムQ10との併用が有用です。)





コエンザイムQ10には、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)と還元型(=ユビキノール,ubiquinol)があります。



還元型CoQ10のほうが、酸化型CoQ10よりも体内で利用されやすいと考えられます。
(酸化型CoQ10は、体内に吸収された後、いったん還元されてから、利用されます。)


コエンザイムQ10に関するこれまでの研究の多くは、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)を用いています。


したがって、一般的には、生活習慣病の予防やアンチエイジング目的に関して、酸化型CoQ10のユビキノンの摂取で十分な効果が期待できます。


一方、特定の疾患に対して用いる場合、あるいは、体内の生理機能が低下している高齢者の場合には、還元型CoQ10の利用が推奨されます。






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