サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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朝食前のアーモンドが善玉コレステロールを増加 [2015年08月16日(日)]
今月の栄養学の専門ジャーナル(電子版)に、心血管疾患患者において、アーモンドの摂取による脂質代謝への影響を調べた臨床研究が報告されていました。
(J Nutr. 2015 Aug 12.)




これまでの研究により、

アーモンドの摂取は、用量依存的に、LDLコレステロールを低下させることが示されており、

心臓病予防に適量のアーモンド摂取が推奨されています。



作用メカニズムは、

ビタミンE、単価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸、食物繊維、タンパク質のバランスによるとされています。


例えば、
アーモンドによる脂質代謝改善作用
といった研究があります。




さて、今回の研究では、

心血管疾患(CAD)を有する低HDLコレステロール値の脂質異常症患者において、

アーモンドの摂取による脂質代謝への影響が検証されました。


具体的には、

CAD患者150名を対象に、
(男性は、血中LDL値が100 mg/dL以下で、HDLが40 mg/dL以下。女性は、HDLが50 mg/dL以下。)

・非介入群、

・パキスタン産アーモンド投与群、

・アメリカ産アーモンド投与群

の3群について介入が行われています。

(各群50名ずつ。アーモンドは、1日あたり10グラムを朝食前に摂取。)



投与前、6週間、12週間の時点で、

脂質代謝関連指標、体重、血圧が測定されました。


解析の結果、

アーモンド投与群では、

HDLコレステロール値の有意な増加が見出されたということです。

6週間および12週間の時点で、
それぞれ、
12-14% と 14-16% の増加でした。

(パキスタン産アーモンド、アメリカ産アーモンドの各群において、投与前との比較。)




また、
先行研究と同様に、

アーモンド投与の両群において、

投与前に比べて、

6週間および12週間の時点で、

血中総コレステロール値、中性脂肪値、LDL値、VLDL値、総コレステロール/HDL、LDL/HDL比、動脈硬化指数の有意な低下(改善)が認められています。


血中の脂質代謝指標への作用は、2種類のアーモンド群の間では、有意差は見出されていません。

なお、体重や血圧については、3群間で有意差は示されていません。


以上のデータから、

基礎疾患として、心血管疾患があり、かつ、脂質異常症を有する被験者において、

1日あたり10グラムのアーモンド摂取によるHDL上昇作用が示唆されます。





一般に、
アーモンドの摂取量は、1日あたり20g〜25gくらいが妥当とされています。

(アーモンド1粒は、1gほどであり、
エネルギー量は6−7キロカロリーになります。)

また、アーモンドの摂取は、エネルギー/カロリーの増加を伴うので注意が必要ですし、

塩分や糖分を添加したアーモンドの摂取は避けるべきでしょう。





脂質異常症・高脂血症対策のサプリメントの定番は、紅麹です。


DHC濃縮紅麹では、4週間の投与で、総コレステロール値の低下、LDLコレステロール値の低下といった作用が見出されています。




紅麹の安全性と有効性は、メタ解析でも確認されています。

紅麹による脂質代謝改善作用@メタ解析


最近では、下記の研究が報告されています。



コエンザイムQ10によるスタチン剤の副作用症状抑制効果




医薬品では、スタチン剤が広く処方されますが、スタチン剤は内在性コエンザイムQ10濃度を下げてしまうため、スタチン剤服用中にはコエンザイムQ10サプリメントの摂取が必須となります。


スタチン不耐症の脂質異常症患者に対して、紅麹投与による脂質代謝改善作用を示したランダム化比較試験も知られています。

(なお、スタチンおよび紅麹のいずれも、コエンザイムQ10との併用が有用です。)





コエンザイムQ10には、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)と還元型(=ユビキノール,ubiquinol)があります。



還元型CoQ10のほうが、酸化型CoQ10よりも体内で利用されやすいと考えられます。
(酸化型CoQ10は、体内に吸収された後、いったん還元されてから、利用されます。)


コエンザイムQ10に関するこれまでの研究の多くは、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)を用いています。


したがって、一般的には、生活習慣病の予防やアンチエイジング目的に関して、酸化型CoQ10のユビキノンの摂取で十分な効果が期待できます。


一方、特定の疾患に対して用いる場合、あるいは、体内の生理機能が低下している高齢者の場合には、還元型CoQ10の利用が推奨されます。



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