紅麹含有サプリメントによる脂質代謝改善作用と高血圧改善作用を示した臨床研究が、イタリアのグループから報告されていました。
(
Adv Ther. 2015 Jul;32(7):680-90.)
脂質異常症・高脂血症対策のサプリメントの定番は、
紅麹です。
紅麹の安全性と有効性は、メタ解析でも確認されています。
紅麹による脂質代謝改善作用@メタ解析
最近では、下記の研究が報告されています。
コエンザイムQ10によるスタチン剤の副作用症状抑制効果
医薬品では、スタチン剤が広く処方されますが、スタチン剤は内在性コエンザイムQ10濃度を下げてしまうため、スタチン剤服用中にはコエンザイムQ10サプリメントの摂取が必須となります。
スタチン不耐症の脂質異常症患者に対して、紅麹投与による脂質代謝改善作用を示したランダム化比較試験も知られています。
(なお、スタチンおよび紅麹のいずれも、
コエンザイムQ10との併用が有用です。)
さて、
今回の研究では、
心血管リスクが低く、
高血圧と高コレステロール血症を有する被験者において、
食事などの生活習慣への介入に加えて、
紅麹含有サプリメントの投与による有用性が検証されました。
具体的には、
心血管疾患の既往歴や臓器障害を有していない、本態性高血圧(グレード1)で、高コレステロール血症も併発している患者66名(平均年齢56.0歳)を対象に、
紅麹含有複合サプリメントが、1日1回、6ヶ月間投与されています。
(紅麹200 mg、ベルベリン500 mg、ポリコサノール10 mg, 葉酸 0.2 mg, コエンザイムQ10 2.0 mg, アスタキサンチン0.5 mg)
年齢や性別などを一致させた被験者群に対しては、6ヶ月間の食事療法が実施されています。
指標として、
血圧(自由行動下血圧測定)と脂質関連指標が測定されました。
解析の結果、
紅麹含有サプリメント投与群では、
投与前に比べて、
収縮期血圧の有意な低下、
(141.6 ± 6.4 vs. 136.2 ± 4.8 mmHg; p < 0.05)
平均脈圧の有意な低下
(52.6 ± 7.2 vs. 47.3 ± 5.4 mmHg; p < 0.05)
が認められました。
また、
脂質代謝指標では、
総コレステロール値の有意な低下
(-19.2%)
LDL-コレステロール値の有意な低下
(-17.4%)
中性脂肪の有意な低下
(-16.3%)
が見出されました。
(すべて、p < 0.001 for all)
HDLコレステロール値には有意な変化は認められていません。
なお、
対照群(食事療法群)では、いずれの指標でも有意な変化は示されていません。
以上のデータから、
高血圧と脂質異常症を合併する場合に、
紅麹含有サプリメントによる高血圧改善(降圧効果)および脂質代謝改善効果が示唆されます。
脂質異常症・高脂血症対策のサプリメントの定番は、
紅麹です。
DHC濃縮紅麹では、4週間の投与で、総コレステロール値の低下、LDLコレステロール値の低下といった作用が見出されています。(下図参照)
紅麹の安全性と有効性は、メタ解析でも確認されています。
紅麹による脂質代謝改善作用@メタ解析
最近では、下記の研究が報告されています。
コエンザイムQ10によるスタチン剤の副作用症状抑制効果
医薬品では、スタチン剤が広く処方されますが、スタチン剤は内在性コエンザイムQ10濃度を下げてしまうため、スタチン剤服用中にはコエンザイムQ10サプリメントの摂取が必須となります。
スタチン不耐症の脂質異常症患者に対して、紅麹投与による脂質代謝改善作用を示したランダム化比較試験も知られています。
(なお、スタチンおよび紅麹のいずれも、
コエンザイムQ10との併用が有用です。)
コエンザイムQ10には、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)と還元型(=ユビキノール,ubiquinol)があります。
還元型CoQ10のほうが、酸化型CoQ10よりも体内で利用されやすいと考えられます。
(酸化型CoQ10は、体内に吸収された後、いったん還元されてから、利用されます。)
コエンザイムQ10に関するこれまでの研究の多くは、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)を用いています。
したがって、一般的には、生活習慣病の予防やアンチエイジング目的に関して、
酸化型CoQ10のユビキノンの摂取で十分な効果が期待できます。
一方、特定の疾患に対して用いる場合、あるいは、体内の生理機能が低下している高齢者の場合には、
還元型CoQ10の利用が推奨されます。
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