サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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低炭水化物食 vs. 低脂肪食:レビュー [2015年07月31日(金)]
肥満治療における低炭水化物食と低脂肪食の効果を比較したレビュー論文が、米国のグループ(Florida State University College of Medicine)から報告されていました。
(South Med J. 2015 Jul;108(7):401-16.)



一般に、

低脂肪低エネルギー食が、肥満に対する標準治療として用いられています。

しかし、この10数年の間に、低炭水化物食/糖質制限食の有用性が示されてきました。



今回の研究では、

肥満治療における低脂肪食と低炭水化物食の有用性が比較されています。


具体的には、

2001年1月から2014年10月までのデータベース(MEDLINE/PubMed)から、


過体重/肥満に対して

6か月以上のランダム化比較試験17報を対象に検証が行われました。



解析の結果、

被験者の平均減量幅は、

低脂肪食摂取群に比べて、

低炭水化物食摂取群では、−1.439 kg (95% CI -2.319 to -0.558)であり、

有意に大きな減量効果が見出されたということです。
(P < 0.001)



12ヶ月の時点では、

両群の差は小さくなりましたが、それでも、

低脂肪食群に比べて、

低炭水化物食群のほうが、−0.769 kg (95% CI-1.361 to -0.178)と有意に大きな減少幅を示していました。
(P < 0.010)



以上のデータから、

炭水化物制限食・低炭水化物食による肥満治療での有用性が示唆されます。





DHCでは、
「‘ゆるやか’糖質制限」(緩やかな糖質制限食・低炭水化物食)を推奨しています。


最新の科学的根拠を俯瞰すると、

「緩やかな糖質制限食・低炭水化物食」を基本とした食生活が、

「ヘルシーエイジング(健康長寿)」

「ダイエット(適正体重の維持)」

「アンチエイジング(抗加齢)」

に有用であると考えられます。




一般的な食事ガイドラインでは、炭水化物の摂取量が、エネルギー比で50%-60%くらいに設定されています。

日本の基準は、欧米のガイドラインに比べて、炭水化物の摂取量が多めに提示されています。
例えば、農水省が作成した食事バランスガイドや日本糖尿病学会のガイドラインなどです。



実際、近年の研究では、糖質制限を支持する多くのデータが示されています。


例えば、


糖質制限食・低グリセミック指数(GI)食・地中海食の糖尿病改善効果



低炭水化物食による血糖改善作用@2型糖尿病患者



糖質の摂取が多いと肥満になる:メタ解析


などです。


また、2型糖尿病の治療では、
血糖コントロールの指標であるヘモグロビンA1cが同じでも、血糖の変動幅が大きいと、血管障害などを生じやすいことが知られています。

(つまり、食後過血糖をおさえる必要があります。)

(そこで、最近では、炭水化物をはじめとする三大栄養素の摂取割合について、個人差を考慮して、多様性を認める指針になりつつあります。)



DHCが推奨する「緩やかな糖質制限」では、
医学的には、例えば、尿中ケトン体が出るほどの糖質制限(超低炭水化物食)ではない食事です。


「緩やかな糖質制限」での
具体的な炭水化物の摂取量は、

1日あたり120グラムから150グラムが適切でしょう。


1日3食とすると、1食あたりの炭水化物摂取量は、
40グラムから50グラムまでです。

これは、
普通サイズの茶碗に1膳の精白米ごはんよりも
やや少ないくらいの量に相当します。

あるいは、コンビニおにぎり1個くらいでしょうか。


(なお、適切な炭水化物の摂取量の設定では、個人差や体調、基礎疾患や既往歴の考慮が必要です。
特に、糖尿病や脂質異常症で治療中の場合、自己判断による炭水化物制限や、自己流の低炭水化物食は勧められません。)





従来、肥満や2型糖尿病に対する食事療法では、低脂肪食・低カロリーが推奨されてきました。

低脂肪食・低カロリー食で、減量ができ、血糖コントロールが良好となる場合には、それで問題ありません。


一方、アトキンスやサウスビーチなどに代表されるダイエット法では、低炭水化物食が推奨されてきました。
(80年代から90年代に流行した低炭水化物食は、エネルギー比で40%ほどに抑えるという食事方法です。これに対して、一般的な食事ガイドラインでは、炭水化物のエネルギー比は55%〜60%が適切とされています。)


糖尿病治療では、糖質制限食が選択肢の一つとして認められつつあります。


(一般に、炭水化物=糖質+食物繊維です。

ただし、食物繊維は、低炭水化物食/糖質制限食では、炭水化物/糖質としてカウントはしていません。

肥満治療では、低炭水化物/ローカーボという表現が使われています。一方、糖尿病治療では、糖質制限という表現が多いようです。どちらも同じ概念です。)





医学医療の世界では、炭水化物を制限する食事療法は、ながらく否定されてきました。


特に、2000年代に入って、ニューアトキンスとして、超低炭水化物食が提唱されると、メインストリームの医学医療界からは、不適切なダイエット法の典型のように攻撃されています。
(超低炭水化物食では、炭水化物の摂取をエネルギー比で5%ほど、あるいは1日20グラム未満に抑えます。)

しかし、この10年ほどの間に、低炭水化物食および超低炭水化物食(炭水化物制限食)が、従来の低脂肪食よりも優れた減量効果を示す、という臨床研究(ランダム化比較試験)が、数多く報告されています。


(私事ですが、10年ほど前に、

「燃焼系ケトン体ダイエット」

というムック本を出したことがあります。



エビデンスが出ているにもかかわらず、炭水化物制限食・低炭水化物食・超低炭水化物食に対する医学界からの批判は大きいのですが、低脂肪食で十分な効果が得られない肥満者や糖尿病予備軍の人がたくさんいるという事実があります。

したがって、
基礎疾患のない肥満者や糖尿病予備軍の人に対しては、
数ヶ月から1年ほど、炭水化物制限食を試みる価値は十分にあると考えます。


(エビデンスがあるのに批判されるという状況は、サプリメント・健康食品も同じです。
一定のエビデンスが構築されているのに、積極的に評価していこうとする医療者は、残念ながら少数派でしょう。
現在の医学医療のビジネスモデルが、基本的には、病人が増えることで儲かる仕組みになっているので、仕方ありませんが。)


最近の研究では、低炭水化物食・炭水化物制限食が有効な人、低脂肪職が有効な人の違いを示唆するデータもあります。
要するに、一律に、低脂肪食、あるいは低炭水化物食というのではなく、その人の体質にあった、テイラーメイドの食事療法を行うことがポイントです。



炭水化物を極端に減らす食事では、結果的に、脂質とタンパク質が多くなるため、体にいい脂肪と植物性タンパク質を多くするなどの工夫も必要でしょう。


同じ炭水化物でも、消化吸収されやすい単純炭水化物は特に禁物です。




DHCの製品で、低炭水化物食・低GI食・低GL食に相当するのは、


DHCプロティンダイエット
です。



DHCプロティンダイエットは、減量のため、あるいはリバウンド予防のための食品(フォーミュラ食・置き換え食)として考えられていますが、


コエンザイムQ10やポリフェノール、食物繊維などの機能性食品成分を含んでおり、

ヘルシーエイジングのための低カロリー・低炭水化物食品として、食事代わりに利用できます。




その他、低GI食、低GL食として、

発芽玄米

米こんにゃく

があります。




炭水化物制限というと、「焼き肉食べ放題」のような間違ったイメージで語られることがありますが、決してそのような推奨ではありません。

単純炭水化物を避け、
良質の脂質(エクストラバージンオリーブオイルやオメガ3系脂肪酸)を摂り、
良質のタンパク質を摂る、
(赤身肉や加工肉は避ける。植物性タンパク質や魚介類などを摂る)
という考え方が基本です。


炭水化物制限については、脂質やタンパク質の摂取量が多くなるため、
動脈硬化性疾患リスクや腎臓への負担が議論されることがあります。

しかし、最近の研究では、それらのリスクは否定されつつあります。




DHCでは、

非対面式の介入方法として、
肥満に対するDHCのアプローチ



を確立しています。




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posted at 23:55 | この記事のURL
慢性疲労症候群におけるコエンザイムQ10の有用性 [2015年07月30日(木)]
先日、母校(大学)の同窓会が地元でありました。

私は出席できませんでしたが、ここ数日、MLに近況報告が寄せられています。

今日はMLに、
「今晩、羽田空港からドバイ経由でザンビアにもどり、来春まで滞在」というメッセージがありました。

大学の同級生のうち、複数名が、アジアやアフリカで医療支援活動を行っています。

彼らの活躍を期待します。



さて、
本日の私的なお勉強日記です。

今月の臨床栄養学の専門ジャーナル(電子版)に、慢性疲労症候群でのコエンザイムQ10の効果を調べた臨床研究が、スペインのグループから報告されていました。
(Clin Nutr. 2015 Jul 17.)



今回の研究では、

慢性疲労症候群におけるコエンザイムQ10+NADHサプリメントの働きが検証されました。



具体的には、

二重盲検ランダム化偽薬対照試験として、

慢性疲労症候群患者80名を対象に、

・コエンザイムQ10+NADHサプリメント投与群、
(コエンザイムQ10 200mg、NADH 20mgを分2)

・偽薬投与群

の2群について8週間の介入試験が行われました。



主アウトカムは、
自転車エルゴメーター負荷時の最大心拍数、

副アウトカムは、
疲労、疼痛、睡眠の指標です。



解析の結果、

コエンザイムQ10+NADH投与群では、

投与前に比べて、

8週間の時点で、

自転車エルゴメーター負荷時の最大心拍数が有意に低下していました。
(P = 0.022)


また、セルフ質問票による疲労感についても、

偽薬群に比べて、
コエンザイムQ10+NADH投与群のほうで、有意な低下が認められました。
(P = 0.03)


一方、
疼痛と睡眠では有意な変化は見出されていません。


なお、有害事象は認められませんでした。



以上のデータから、

慢性疲労症候群に対するコエンザイムQ10サプリメントの有用性が示唆されます。


先行研究では、次の報告があります。

慢性疲労症候群に対するマルチビタミン・ミネラルサプリメントの働き



関連した領域で、
コエンザイムQ10による機能を示した臨床研究には下記の報告があります。


還元型コエンザイムQ10による線維筋痛症への効果



コエンザイムQ10による線維筋痛症の改善作用






コエンザイムQ10には、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)と還元型(=ユビキノール,ubiquinol)があります。



還元型CoQ10のほうが、酸化型CoQ10よりも体内で利用されやすいと考えられます。
(酸化型CoQ10は、体内に吸収された後、いったん還元されてから、利用されます。)


コエンザイムQ10に関するこれまでの研究の多くは、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)を用いています。


したがって、一般的には、生活習慣病の予防やアンチエイジング目的に関して、酸化型CoQ10のユビキノンの摂取で十分な効果が期待できます。


一方、特定の疾患に対して用いる場合、あるいは、体内の生理機能が低下している高齢者の場合には、還元型CoQ10の利用が推奨されます。





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posted at 23:53 | この記事のURL
ナットウキナーゼの単回投与による抗凝固作用 [2015年07月29日(水)]
ナットウキナーゼの単回投与による抗凝固作用を示した臨床研究が、立命館大学のグループから報告されていました。
(Sci Rep. 2015 Jun 25;5:11601.)



ナットウキナーゼは、納豆に存在する酵素です。



血栓溶解活性を有することから、脳梗塞などの血栓症の予防に効果が期待されています。

(納豆に含まれていますので、血栓症/脳梗塞予防のためには、納豆を朝ではなくて、晩御飯で食べるほうがお勧めです。
納豆には、塩分の多いダシ/添付のソースではなくて、エクストラバージンオリーブオイルをかけましょう。)


ヒト臨床研究で、ナットウキナーゼの体内動態の解析も報告されています。


ナットウキナーゼのヒト体内動態




今回の研究では、
ナットウキナーゼの単回投与時における血液凝固・線溶系への作用が検証されました。


具体的には、
二重盲検偽薬対照クロスオーバー法により、

健康な男性12名を対象に、

ナットウキナーゼ(2,000 FU)
あるいは
偽薬を単回投与し、

摂取後2,4,6,8時間後において、

凝固・線溶系の関連指標が測定されています。


解析の結果、

ナットウキナーゼ投与後に、
6時間と8時間でのDダイマー値の有意な上昇、

4時間での血中フィブリン/フィブリン分解産物の有意な増加
が見出されました。
(いずれもp&#8201;<&#8201;0.05)


また、
4時間および6時間後に、
血液凝固第VIII因子の活性の有意な低下、
(いずれもp&#8201;<&#8201;0.05)

2時間および4時間後の
血中アンチトロンビン値の有意な増加が見出されました。

(いずれもp&#8201;<&#8201;0.05)

さらに、
ナットウキナーゼ投与の2時間後および4時間後の時点での活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)の有意な延長も示されています。
(それぞれp&#8201;<&#8201;0.05, p&#8201;<&#8201;0.01)


ただし、
健常者におけるこれらの変化は、いずれも正常範囲内での変動でした。


以上のデータから、

ナットウキナーゼの投与は、血液凝固・線溶系において、複数の関連因子へ作用し、
抗凝固作用を示し、線溶系を亢進することが示唆されます。


ただし、
今回の研究は、健常者に単回投与したデータですので、今後、臨床的意義の検証が期待されます。



ナットウキナーゼは、酵素であり、三次元構造において酵素活性を有するタンパク質です。


経口摂取ではタンパク質は分解されますので、

ナットウキナーゼに由来する特異的なペプチドが血中に検出され,

それが抗血栓作用を示すと考えられます。



脳梗塞の予防に納豆/ナットウキナーゼを、

という点からは、朝食時ではなくて、夕食時に納豆をとるほうが合理的です。


一方、ACE阻害活性を介した高血圧改善という機序を想定する場合には、朝食時の納豆で問題ないと考えられます。



DHCでは、
ナットウキナーゼ



複合サプリメント



を製品化しています。




ナットウキナーゼに関する研究として、次の報告があります。



ナットウキナーゼによる高血圧改善作用



紅麹とナットウキナーゼによる脂質異常症改善作用



ナットウキナーゼによる抗凝固作用



ナットウキナーゼによる血圧への作用


ナットウキナーゼのヒト体内動態



ナットウキナーゼによる肩こりと腰痛の改善


ナットウキナーゼのヒト体内動態



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紅麹サプリメントの高血圧患者での効果:メタ解析 [2015年07月28日(火)]
今月の栄養学の専門ジャーナルに、高血圧患者における紅麹の血圧および脂質代謝への作用を検証したメタ解析が報告されていました。
(Crit Rev Food Sci Nutr. 2015 Jul 13:0)




脂質異常症・高脂血症対策のサプリメントの定番は、紅麹です。


DHC濃縮紅麹では、4週間の投与で、総コレステロール値の低下、LDLコレステロール値の低下といった作用が見出されています。



紅麹の安全性と有効性は、メタ解析でも確認されています。

紅麹による脂質代謝改善作用@メタ解析


さて、
今回のレビューでは、

高血圧治療において、

紅麹サプリメント投与による血圧、脂質代謝、CRPへの影響が検証されました。


具体的には、主要医学データベース7種類を用いて、

高血圧を対象に、

紅麹と、
偽薬、あるいは非介入、もしくは標準治療介入を行ったランダム化比較試験が抽出されています。


21報のRCT、4,558名のデータが解析されました。


解析の結果、

紅麹+標準治療群では、

偽薬+標準治療群に比べて、

血中総コレステロール値の有意な低下

LDL値の有意な低下、

CRP値の有意な低下、

が見出されました。

このとき、
収縮期血圧、拡張期血圧、中性脂肪、HDL値には有意な変化は見出されませんでした。


なお、
紅麹+標準治療併用群において、
収縮期血圧の有意な低下、総コレステロール値、LDL、CRP値の有意な低下を示すデータも得られています。



血圧や脂質代謝指標に関して、、

紅麹+標準治療群と、

スタチン+標準治療群との間に有意差は見出されていません。




また、

紅麹+スタチン群では、

スタチン単独群に比べて、


降圧作用、

総コレステロール値低下作用、

中性脂肪値低下作用、

LDL低下作用

がより顕著/効果的でした。


ただし、HDL値には両群間で有意差は見出されていません。



特に重篤な有害事象は示されませんでした。



以上のメタ解析データから、


高血圧患者に対する紅麹投与による一定の有用性が示唆されます。




脂質異常症・高脂血症対策のサプリメントの定番は、紅麹です。


DHC濃縮紅麹では、4週間の投与で、総コレステロール値の低下、LDLコレステロール値の低下といった作用が見出されています。




紅麹の安全性と有効性は、メタ解析でも確認されています。

紅麹による脂質代謝改善作用@メタ解析


最近では、下記の研究が報告されています。



コエンザイムQ10によるスタチン剤の副作用症状抑制効果




医薬品では、スタチン剤が広く処方されますが、スタチン剤は内在性コエンザイムQ10濃度を下げてしまうため、スタチン剤服用中にはコエンザイムQ10サプリメントの摂取が必須となります。


スタチン不耐症の脂質異常症患者に対して、紅麹投与による脂質代謝改善作用を示したランダム化比較試験も知られています。

(なお、スタチンおよび紅麹のいずれも、コエンザイムQ10との併用が有用です。)





コエンザイムQ10には、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)と還元型(=ユビキノール,ubiquinol)があります。



還元型CoQ10のほうが、酸化型CoQ10よりも体内で利用されやすいと考えられます。
(酸化型CoQ10は、体内に吸収された後、いったん還元されてから、利用されます。)


コエンザイムQ10に関するこれまでの研究の多くは、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)を用いています。


したがって、一般的には、生活習慣病の予防やアンチエイジング目的に関して、酸化型CoQ10のユビキノンの摂取で十分な効果が期待できます。


一方、特定の疾患に対して用いる場合、あるいは、体内の生理機能が低下している高齢者の場合には、還元型CoQ10の利用が推奨されます。







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ベジタリアン食の遵守による減量効果 [2015年07月27日(月)]
今月の食行動研究の専門ジャーナルに、ベジタリアン食の遵守による減量効果を示した臨床研究が、米国の大学(University of South Carolina)から報告されていました。
(Eat Behav. 2015 Jul 2;19:33-38)



これまでの多くの研究によって、栄養学的にバランスの取れた、適切なベジタリアン食は、生活習慣病の予防や改善に有効であることが示されています。


北米の栄養士会のポジション・ステートメントでも、ベジタリアン食が是認されています。

また、AICRなどがん予防指針では、赤肉や加工肉の摂取によるがんリスク増大が示されています。

さらに、最近では、エコロジー、環境保護、環境負荷の少ない食事、持続可能性・サステナビリティといった視点から、ベジタリアン食という選択が注目されるようになりました。



さて、

今回の研究では、

ベジタリアン食と非ベジタリアン食の遵守率や受容性と、減量への効果が検証されました。

(ニュー・ダイエット・スタディ New DIETs study という研究の一環です。)




具体的には、

ランダム化比較試験として、

4種類のベジタリアン食(ヴィーガン、ベジタリアン、ペスコベジタリアン、せみベジタリアン)と、非ベジタリアン食の5群について比較が行われました。


主アウトカムとして、
2ヵ月後と6ヵ月後の遵守率(24時間食事リコール)、

減量(体重減少)、

動物性食品の摂取量の変化(コレステロールのmg数で評価)、

食事の遵守率の調査
(Three-Factor Eating Questionnaire;TFEQ、Power of Food Scale (PFS)、dietary acceptability (Food Acceptability Questionnaire)にて評価),

食事の好み/嗜好と遵守率

が調べられました。



解析の結果、

コレステロールの摂取量は、
ヴィーガン(ビーガン)とベジタリアン群(n=16)では、
(-190.2±199.2mg)

ペスコベジタリアン/セミベジタリアン群(n=15)や
(-2.3±200.3mg, P=0.02)

非ベジタリアン群(n=7)
(17.0±36.0, P=0.04)
と比べて有意に低値でした。


また、

6ヶ月の時点での体重減少幅は、、

ヴィーガン/ベジタリアンでは、-6.0±6.7%であり、

非ベジタリアン群の-0.4±0.6%と比べて、

有意に大きな減量効果が示されました。
(P=0.04)


なお、
食事の好み/嗜好は、6ヵ月後の時点での遵守率に影響を与えていませんでした。


以上のデータから、

ヴィーガン食やベジタリアン食を指導/啓発された群では、

遵守率が十分ではなくても、
(上記のデータでは必ずしも遵守率が高いわけではないため)

動物性食品の摂取減少、

体重の減少

といった効果が示唆されます。




生活習慣病とライフスタイルとの関連については,下記の研究が知られています。



地中海食で死亡率が半減する



低炭水化物(糖質制限)食と地中海食は低脂肪食よりも有効



オリーブオイルの摂取10gで全死亡率が7%低下



地中海食がメタボを抑制



バージンオリーブオイルとナッツ類を含む地中海食の抗炎症作用



バージンオリーブオイルの心臓病予防作用




ベジタリアン食による心血管疾患リスク低下作用




ベジタリアン食による血圧低下作用@メタ解析




なお、ベジタリアン食であれば何でも健康的になる、というわけではありません。


(例えば、野菜はナシで、パスタにチーズ、パンの組み合わせでも、ラクトオボにはなりますが。)


もちろん、栄養学的にバランスの取れた、適切なベジタリアン食を摂取することが重要です。



一般に、植物性食品の摂取が多いベジタリアン食では、ファイトケミカル・ポリフェノールの摂取が多く、抗酸化作用を介した生活習慣病の予防効果が想定されます。


北米の栄養士会が共同で発表した見解によると、「適切に準備されたベジタリアン食は、健康に有益であり、必要な栄養素を満たしており、いくつかの疾患の予防や治療にも利点がある」とされています。


実際、これまでの疫学研究によって、肉食をする人々に比べて、ベジタリアンでは生活習慣病が少ないことが示されています。

ベジタリアン食による具体的な効果として、肥満、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患、高血圧、脂質異常症、糖尿病、前立腺がん、大腸がんの発症リスクが低下します。

また、日本人ベジタリアンを対象にした調査でも、ベジタリアンは、非ベジタリアンと比べて、体格指数(BMI)、血圧、血中総コレステロール値、中性脂肪値が有意に低いことが見出されています。




DHCでは、良質の植物性食品として、
次のような関連製品を取り扱っています。



DHC発芽玄米



DHC発芽玄米麺



エクストラバージンオリーブオイル



ところで、最近の研究によって、糖質制限食・低炭水化物食よる減量・ダイエット効果や2型糖尿病での血糖コントロール改善効果が明らかとなっています。


また、
植物性たんぱく質および植物性脂質による心臓病リスク低減作用が知られています。



医学的に適切ではない糖質制限食のパターンとして、「糖質制限食・低炭水化物食では、‘焼き肉・ステーキ’食べ放題」があります。
動物性たんぱく質や動物性脂質の過剰摂取は、心血管疾患リスクを高めることが懸念されます。


植物性食品をベースにした糖質制限食・低炭水化物食による体重と脂質代謝への効果として、

エコアトキンスダイエットの減量と脂質代謝改善作用



といった研究もあります。


DHCでは、

肥満・糖尿病・アンチエイジング・ヘルシーエイジング(健康長寿)のための食事として、

「‘ゆるやか’糖質制限」(緩やかな糖質制限食・低炭水化物食)を推奨しています。



最新の科学的根拠を俯瞰すると、

「緩やかな糖質制限食・低炭水化物食」を基本とした食生活が、

「ヘルシーエイジング(健康長寿)」

「ダイエット(適正体重の維持)」

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に有用であると考えられます。




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posted at 23:54 | この記事のURL
出講@日本統合医療学会認定セミナー [2015年07月26日(日)]
東京都心で初の猛暑日となった、ということです。

今日は、
2015年度 IMJ(日本統合医療学会)認定セミナー(@池袋)の2日目です。



各論のセッションにて、

「肥満・メタボリック症候群とサプリメント
-- 機能性食品の適正使用情報Update --」

という演題で、
出講させていただきました。


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ブラジル産赤プロポリスによる抗炎症作用 [2015年07月25日(土)]
今月の生薬学の専門ジャーナル(電子版)に、ブラジル産の赤プロポリスによる抗炎症作用を示した基礎研究が、ブラジルのグループから報告されていました。
(J Ethnopharmacol. 2015 Jul 17.)


プロポリスとは、みつばちがユーカリやポプラなどの樹木から集めた植物成分に、みつばちの分泌物が合わさって作られた物質です。


プロポリスは強い殺菌作用および抗酸化作用をもっており、みつばちはプロポリスを巣の構築物として用いることで、腐敗や微生物の害から巣の内部を守っています。

ギリシャ語でプロポリスの「プロ」は「守る(防御)」、ポリスは「都市(巣のこと)」を意味します。

有効成分はフラボノイド系ファイトケミカルであり、ケルセチン、ピノセンブリン、ピノバンクシン、ガランギン、ケンフェロール、クリシン、ナリンゲニン等が存在します。

基礎研究では、これらの成分が、抗菌作用や抗ウイルス作用、抗酸化作用、抗炎症作用といった多彩な効果を示すことが報告されてきました。

プロポリスは、原産地によって植物に由来する成分が異なります。

これは、みつばちが集めてくる樹脂が、地域によって異なる植生を反映するためです。
一般に、日本や中国、オーストラリア、欧州、南米で採取されたプロポリスがサプリメントとして製品化されています。



プロポリスには、red propolisやgreen propolisといった種類があり、それぞれが民間療法で用いられており、特に明確な区別はされてきませんでした。


ブラジル産の赤プロポリスには、formononetin や biochanin Aといった成分が含まれています。

さて、
今回の研究では、赤プロポリスの抗炎症作用、抗侵害受容性作用が検証されました。


具体的には、

formononetinを規格マーカーとした、赤プロポリスの水アルコール抽出エキス(HERP)を用いて、

HERP (3, 10, and 30mg/kg) / formononetin (10mg/kg)の用量にて、
.
抗侵害受容性作用(acetic acid, formalin, glutamate投与に対する作用)
および
浮腫と腹膜炎に対する抗炎症作用(carrageenan-induced hindpaw oedema and peritonitis) が、

実験モデルマウスを用いて調べられています。


まず、
赤プロポリスの主な規格マーカーの一つであるformononetin(ホルモノネチン)は、HERPでは、21.62mg/gと同定されました。


解析の結果、

HERP (10 and 30mg/kg) とformononetin (10mg/kg) の前投与によって、

腹部の疼痛回数の有意な減少が認められたということです。
(P<0.001)

この作用は、
HERP投与時のほうが、formononetinよりもより有意でした。
(P<0.001)


ホルマリン投与による侵害作用に対しては、

HERP のすべての用量において
(3, 10, and 30mg/kg, P<0.001)

(ホルマリン誘導性の炎症性疼痛に対する)阻害作用が認められました。


このとき、神経原性疼痛に対する抑制作用は、高用量の2群(10 and 30mg/kg; P<0.05)において、有意な効果でした。


また、
Formononetin投与によっても、同様の阻害作用が示されています。
(P<0.001)

その他、
HERP投与(10 and 30mg/kg)によって、
グルサミン酸誘導性障害に対する阻害作用も見出されました。
(P<0.05)

formononetin 投与でも同様でした。
(P<0.001)



抗炎症作用に関する評価では、
HERP投与 (10 and 30mg/kg, P<0.05)
および
formononetin (P<0.001) 投与によって、

浮腫に対する有意な抑制効果が認められました。

また、
HERPの全用量 (3, 10, and 30mg/kg, P<0.05)
およびformononetin (P<0.001)
投与において、
carrageenan誘導性白血球遊走の有意な阻害も示されています。


いずれも、HERPの30mg/kg と、formononetinが同程度の作用でした。



以上のデータから、

赤プロポリス水アルコール抽出エキスおよびプロポリス由来成分ホルモノネチンによる抗炎症作用、抗侵害受容性作用が示唆されます。


今後、
補完療法としての臨床的意義の検証が期待される分野です。


最近の研究では、次の報告があります。


プロポリスによる2型糖尿病での腎機能への好影響



DHCは、プロポリスのサプリメントも製品化しています。
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posted at 23:55 | この記事のURL
スタチン剤を服用すると血中コエンザイムQ10が半減する:メタ解析 [2015年07月24日(金)]
今月の薬理学の専門ジャーナル(電子版)に、スタチン剤投与による血中コエンザイムQ10の低下に関するメタ解析が、欧米(米英他)のグループから報告されていました。
(Pharmacol Res. 2015 Jul 17)



スタチン薬は、LDLコレステロール合成を効果的に抑制しますが、

HMG-CoA抑制を介して、

その下流において、

LDLコレステロールと生合成経路を共有している内在性のコエンザイムQ10合成も抑制してしまいます。


そのため、スタチン薬服用中の患者では、対照群に比べて、内在性コエンザイムQ10値が半減することが知られています。

現在、
スタチン投与により、ミトコンドリア内で内在性コエンザイム値が低下することが、スタチン投与時の肝障害や筋肉障害を生じると考えられています。


そのため、スタチン薬投与中の患者では、コエンザイムQ10サプリメント(1日あたり90mg〜100mg程度)の併用摂取が必須です!!!

(DHCの包接体コエンザイムQ10は、一か月分、900円未満です。)



さて

今回の研究では、

スタチン服用時の血中コエンザイムQ10低下に対して、メタ解析が行われました。



具体的には、

8報の偽薬対照ランダム化比較試験が対象となり、

解析が行われた結果、


スタチン投与により、血中コエンザイムQ10値の有意な低下が見出されました。
(WMD: -0.44μmol/L, 95%CI: -0.52, -0.37, p<0.001)


スタチン剤の種類によるサブ解析では、
次のように、
4種類すべてで、血中コエンザイムQ10(CoQ10)が低下していました。

アトルバスタチン (WMD: -0.41μmol/L, 95%CI: -0.53, -0.29, p<0.001),

シンバスタチン (WMD: -0.47μmol/L, 95% CI: -0.61, -0.33, p<0.001),

ロスバスタチン (WMD: -0.49μmol/L, 95%CI: -0.67, -0.31, p<0.001)

プラバスタチン (WMD: -0.43μmol/L, 95%CI: -0.69, -0.16, p=0.001)


また、
水溶性スタチンと脂溶性スタチンとの間に差はなく、
いずれも同程度に血中CoQ10を低下させています。

水溶性スタチン (WMD: -0.47μmol/L, 95%CI: -0.62, -0.32, p<0.001)

脂溶性スタチン(WMD: -0.43μmol/L, 95%CI: -0.53, -0.34, p<0.001)



その他、
投与期間別の解析では、

12週間未満でも、
(WMD: -0.51μmol/L, 95%CI: -0.64, -0.39, p<0.001)

12週間以上でも、
(WMD: -0.40μmol/L, 95%CI: -0.50, -0.30, p<0.001)

血中CoQ10の有意な低下が示されています。



以上のメタ解析から、

スタチン服用による内在性コエンザイムQ10値の低下が考えられます。




脂質異常症・高脂血症対策のサプリメントの定番は、紅麹です。


DHC濃縮紅麹では、4週間の投与で、総コレステロール値の低下、LDLコレステロール値の低下といった作用が見出されています。




紅麹の安全性と有効性は、メタ解析でも確認されています。

紅麹による脂質代謝改善作用@メタ解析


最近では、下記の研究が報告されています。



コエンザイムQ10によるスタチン剤の副作用症状抑制効果



コエンザイムQ10はスタチン薬によるミトコンドリア障害を抑制する




医薬品では、スタチン剤が広く処方されますが、スタチン剤は内在性コエンザイムQ10濃度を下げてしまうため、スタチン剤服用中にはコエンザイムQ10サプリメントの摂取が必須となります。


スタチン不耐症の脂質異常症患者に対して、紅麹投与による脂質代謝改善作用を示したランダム化比較試験も知られています。

(なお、スタチンおよび紅麹のいずれも、コエンザイムQ10との併用が有用です。)





コエンザイムQ10には、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)と還元型(=ユビキノール,ubiquinol)があります。



還元型CoQ10のほうが、酸化型CoQ10よりも体内で利用されやすいと考えられます。
(酸化型CoQ10は、体内に吸収された後、いったん還元されてから、利用されます。)


コエンザイムQ10に関するこれまでの研究の多くは、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)を用いています。


したがって、一般的には、生活習慣病の予防やアンチエイジング目的に関して、酸化型CoQ10のユビキノンの摂取で十分な効果が期待できます。


一方、特定の疾患に対して用いる場合、あるいは、体内の生理機能が低下している高齢者の場合には、還元型CoQ10の利用が推奨されます。







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posted at 23:56 | この記事のURL
N-アセチルグルコサミン+コンドロイチンによる膝痛軽減効果 [2015年07月23日(木)]
今月の加齢研究の専門ジャーナル(電子版)に、日本人を対象に、N-アセチルグルコサミンとコンドロイチンの併用投与による膝痛の軽減効果を示した臨床研究が、千葉大学のグループから報告されていました。
(Aging Clin Exp Res. 2015 Jul 16.)



変形性膝関節症に伴う症状の改善には、

グルコサミン(グルコサミン硫酸塩、塩酸塩)が有用であり、最もエビデンスが豊富です。


最近では、N-アセチルグルコサミンの有用性も注目されつつあります。



さて、

今回の研究では、
N-アセチルグルコサミン+コンドロイチン硫酸のサプリメントによる膝痛、膝関節能、身体機能への影響が検証されました。



具体的には、

中高年(52歳から87歳)の日本人男性11名と女性39名を対象に、

・N-アセチルグルコサミン100mgと、コンドロイチン硫酸180mg投与群

・偽薬投与群

の2群について、

24週間の介入試験が行われています。


主アウトカムは、

VASによる評価と、

JKOM(Japanese Knee Osteoarthritis Measure)スコア

です。

副アウトカムとして、身体活動などが調べられました。



解析の結果、

N-アセチルグルコサミン+コンドロイチン投与群では、

4週から12週にかけて、JKOMスコアの有意な低下(改善)が認められまた。


また、

12週間の時点で、

偽薬投与群に比べて、

N-アセチルグルコサミン+コンドロイチン投与群では、

JKOMスコアの有意な改善が見出されています。



なお、

VASや身体活動テストでは有意差は認められませんでした。



以上のデータから、

中高年の日本人での膝痛に対して、

N-アセチルグルコサミン+コンドロイチンの併用投与の有用性が示唆されます。


N-アセチルグルコサミンに関して、さらに臨床的意義の検証が期待されます。



DHCでは、N-アセチルグルコサミン含有サプリメントを製品化しています。


食べるグルコサミン
噛んでよし、なめてもよし!ほんのり甘いチュアブルタイプのグルコサミン
通常価格
\1,290(税込\1,393)
メイン成分には、通常のグルコサミンの約3倍も効率よく体内に吸収される、N-アセチルグルコサミンを使用。2粒目安で500mgのN-アセチルグルコサ ミンを配合しているため、1,500mg相当量に匹敵するグルコサミンパワーが期待できます。
その他のサポート成分には、カルシウムの定着を助けるCBP(濃縮乳清活性たんぱく)や、潤滑油としてはたらくコンドロイチン 硫酸も配合しました。






変形性膝関節症の症状改善や予防方法として、下記の組み合わせが推奨できます。


抗炎症作用を有する機能性食品成分の豊富な食事
(オメガ3系脂肪酸、エクストラバージンオリーブオイル、ウコンなど各種のファイトケミカルなどを含む食事。)

運動療法による適正体重の維持と筋力・筋量の維持

抗炎症作用を有するサプリメントの利用、
(ウコン/クルクミン、ボスウェリア・セラータ/5-ロキシン)

変形性膝OAに対するサプリメントとしてグルコサミン、コンドロイチン、U型コラーゲン、の併用も可能です。




最近の研究では、次の報告があります。


変形性膝OAの疼痛に対してグルコサミン+コンドロイチンはセレコキシブと同等の効果



グルコサミン・コンドロイチンの関節裂隙狭小化抑制効果




グルコサミン・コンドロイチンによる関節軟骨保護作用@膝関節症





コンドロイチンによる変形性膝関節症改善作用




グルコサミンはNF-κBを抑制し抗炎症作用を示す



グルコサミン・コンドロイチン利用者は炎症マーカーが低い




グルコサミンによる寿命延長効果




グルコサミンはジアセレインと有効性が同じで、副作用が少ない:メタ解析



DHCでは、関節機能訴求に関連したサプリメントとして、次の製品を扱っています。




パワーグルコサミン



極らくらく



らくらく(グルコサミン、コンドロイチン、II型コラーゲン、CBP、MSM(メチルスルフォニルメタン)、コラーゲンペプチド、ヒドロキシチロソール)



グルコサミン



コンドロイチン



グルコサミン&コンドロイチン



II型コラーゲン+プロテオグリカン




グルコサミンは、変形性膝関節症などの関節疾患に広く利用されているサプリメントです。



作用メカニズムとして、アミノ糖であるグルコサミンが関節軟骨の成分であることから、構成成分を経口摂取することによる直接的な修復機構が想定されていました。



一方、最近の研究では、グルコサミンやコンドロイチンは、情報伝達機構における調節因子であることが示されており、変形性膝関節症に対する改善効果のメカニズムとして、構成成分自体を直接摂取する作用というよりは、シグナル伝達物質を摂取することによる作用が考えられています。



膝OAなどの変形性関節症に対して、
サプリメントでは、グルコサミンやコンドロイチンが最もエビデンスが豊富であり、欧州の学術団体EULARではグレードAの推奨になっています。
(一方、ACRではGAIT1のみを解析対象としたため、偽陰性データのバイアスによってネガティブになっています。)


2014年以降に発表された最新の研究―MOVES研究やLEGS研究--では、

グルコサミンやコンドロイチンの効果が示されています。



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posted at 23:57 | この記事のURL
オメガ3系必須脂肪酸によるうつ状態の改善効果 [2015年07月22日(水)]
精神医学研究の専門ジャーナル(電子版)に、オメガ3系必須脂肪酸によるうつ状態の改善作用を示した臨床研究が、米国のグループ(University of Pittsburgh)から報告されていました。
(Psychiatry Res. 2015 Jun 27.)



EPADHAなどのオメガ3系必須脂肪酸は、抗炎症作用・動脈硬化予防作用、認知機能改善作用、抗うつ作用など多彩な働きが示されています。




今回の研究では、

若年者のうつ状態に対して、

オメガ3系必須脂肪酸の短期投与による作用が検証されました。



具体的には、

BDIスコアが10以上の被験者23名(平均年齢20.2歳、女性78%)を対象に、

・オメガ3系必須脂肪酸投与群(1.4gのEPAとDHA)

・対照群(コーンオイル)

の2群について、

21日間の介入試験が行われています。



解析の結果、

21日間の投与試験後、両群間に有意差が認められました。

オメガ3系必須脂肪酸投与群では、被験者の67%がうつ状態ではなくなった、ということです。

一方、偽薬群では、20%がうつ状態ではなくなった、とされました。



うつ病関連指標であるBDIスコアでは、

オメガ3系必須脂肪酸投与により有意な改善が認められました。

一方、
偽薬投与群では有意な変化は示されていません。


以上のデータから、

若年者のうつ状態に対して、
オメガ3系必須脂肪酸による改善効果が示唆されます。





EPADHAなどのオメガ3系必須脂肪酸は、抗炎症作用・動脈硬化予防作用、認知機能改善作用、抗うつ作用など多彩な働きが示されています。



EPAやDHAといったオメガ3系脂肪酸では、抗炎症作用を介した動脈硬化抑制作用による生活習慣病予防効果が知られています。


オメガ3系脂肪酸の抗炎症作用のメカニズムとして、以前は、オメガ6系との比率からアラキドン酸カスケードへの機序が考えられていました。


現在では、これに加えて、EPAとDHAの代謝物自体に抗炎症作用があることがわかっています。





臨床研究におけるオメガ3系脂肪酸の投与量は、1日あたり数百ミリグラムから4グラム程度です。


また、EPA:DHA=2〜3:1の割合です。


日本人の食事摂取基準では、EPAおよびDHAの摂取量を一グラム/日としています。


EPAもDHAも、どちらも健康維持や疾病予防に重要です。


一般に、DHAは脳の栄養素、EPAは血管の栄養素といえるでしょう。




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posted at 23:54 | この記事のURL
血中イソフラボンが高いと卵巣がんリスクが低い [2015年07月21日(火)]
がん予防研究の専門ジャーナルに、血中イソフラボンが高いと卵巣がんリスクが低いという相関を示した疫学研究が、札幌医科大学のグループから報告されていました。
(Asian Pac J Cancer Prev. 2015;16(12):4987-91.)



大豆やレッドクローバー、プエラリア・ミリフィカには、女性ホルモン様作用を有するファイトケミカル(植物エストロゲン)の1種、イソフラボン類が豊富に含まれており、女性特有の病気に対する予防や改善作用などの機能性が知られています。

また、抗酸化作用や抗炎症作用を介した機能性から、生活習慣病のリスク低下作用や抗がん作用も注目されています。



先行研究では,大豆製品の摂取による乳がんや前立腺がん、消化器がんのリスク低下作用が示されています。


さて、
今回の研究では、血中イソフラボン、アディポネクチン、インスリン値と、
卵巣がんとの関連が検証されました。


具体的には、

症例対照研究として、

2010年10月から2012年9月までの間に、

がんや糖尿病の既往がない大学病院の入院患者を対象に、

血中イソフラボン、アディポネクチン、インスリン値が測定され、

卵巣がんリスクとの関連が調べられています。



卵巣がん症例71名と、
対照群80名のデータが解析されました。



解析の結果、

三分位で、

血中ダイゼイン値が高いほど、

卵巣がんリスクが有意に低いという相関が見出されました。
(Ptrend<0.001)


同様に、

三分位で、

血中グリシテイン値が高いほど、

卵巣がんリスクが低い、
という相関が見出されています。
(Ptrend=0.005)


さらに、
三分位で、
アディポネクチンが高い群は、
低い群に比べて、

卵巣がんリスクが有意に低いという相関も示されています。
(Ptrend=0.004)



一方、

三分位で、
血中インスリン値が高いと、

卵巣がんのリスクがいという有意な相関が見出されました。
(Ptrend<0.001).



以上のデータから、

血中イソフラボン類(ダイゼインやグリシテイン)の低値、アディポネクチンの低値、血中インスリン値の高値と、
卵巣がんリスクとの関連が示唆されます。





最近の研究では、次の報告があります。


大豆イソフラボンによる胃がんリスク低下:高山スタディ




植物エストロゲンによる更年期症状改善作用:メタ解析


植物エストロゲンの摂取による卵巣がんリスク低下:メタ解析



DHCでは、大豆イソフラボンプエラリアミリフィカといったサプリメント、レッドクローバーを含む女性向けの複合サプリメントなどを製品化しています。




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posted at 23:55 | この記事のURL
コエンザイムQ10による非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)での抗炎症作用 [2015年07月20日(月)]
今月の栄養学の専門ジャーナルに、コエンザイムQ10による非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)への作用を調べた臨床研究が報告されていました。
(J Am Coll Nutr. 2015 Jul 9:1-8)



近年、生活習慣の変化や肥満の増加とともに、

アルコールの摂取量が少ない人に見られる非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の病的意義が問題となっています。


非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は、

単純性脂肪肝と

非アルコール性脂肪性肝炎(NASH:Non-alcoholic steatohepatitis)に分けられ、

後者は肝硬変や肝がんへの進行リスクが問題となります。



コエンザイムQ10は、ミトコンドリアで作用する生体内分子であり、APT産生作用や抗酸化作用を介して、さまざまな機能性を発揮します。



今回の研究では、

NAFLDにおいて、
コエンザイムQ10サプリメント投与による肝逸脱酵素、炎症関連マーカー、アディポカイン類への作用が検証されました。


具体的には

ランダム化二重盲検偽薬対照試験として、

NAFLD患者41名を対象に、

・コエンザイムQ10投与(100mg/日)群、

・偽薬投与群

の2群について、

12週間の介入試験が行われています。


介入の前後で、

肝逸脱酵素、炎症マーカー、アディポカイン類が測定されました。



解析の結果、

対照群に比べて、

コエンザイムQ10投与群では、

肝逸脱酵素の有意な低下(改善)、
(aspartate aminotransferase [AST] およびgamma-glutamyl transpeptidase [GGT])

hs-CRPおよびTNFαの有意な低下(改善)が認められたということです。
(p < 0.05)


さらに、

コエンザイムQ10投与群では、

血中アディポネクチン値の有意な上昇

(p = 0.016)も見出されています。


なお、IL-6には、両群とも有意な変化は示されませんでした。



以上のデータから、

NAFLDにおいて、

1日あたり100mgのコエンザイムQ10投与による肝機能改善・抗炎症作用が示唆されます。




先行研究では、次の結果が示されています。

レスベラトロールによる非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)改善作用


レスベラトロールによる非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)でのインスリン抵抗性改善作用





コエンザイムQ10には、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)と還元型(=ユビキノール,ubiquinol)があります。



還元型CoQ10のほうが、酸化型CoQ10よりも体内で利用されやすいと考えられます。
(酸化型CoQ10は、体内に吸収された後、いったん還元されてから、利用されます。)


コエンザイムQ10に関するこれまでの研究の多くは、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)を用いています。


したがって、一般的には、生活習慣病の予防やアンチエイジング目的に関して、酸化型CoQ10のユビキノンの摂取で十分な効果が期待できます。


一方、特定の疾患に対して用いる場合、あるいは、体内の生理機能が低下している高齢者の場合には、還元型CoQ10の利用が推奨されます。






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posted at 23:52 | この記事のURL
ビタミンCの摂取が多いと頭頸部がんリスクが低い [2015年07月19日(日)]
今月の臨床栄養学の専門ジャーナル(電子版)に、ビタミンCの摂取が多いと頭頸部がんリスクとの関連を調べたコホート研究が、オランダのグループ(Maastricht University)から報告されていました。
(Am J Clin Nutr. 2015 Jul 8.)



頭頸部がんは、世界では7番目に罹患率の高いがんの1種です。


今回の研究では、ビタミンC、Eやカロテノイドの摂取と、

頭頸部がんとの関係が、大規模な前向き研究にて検証されました。


具体的には、

オランダコホート研究の120,852名の登録者を対象に、

症例対照研究として、


1986年の開始時から、平均20.3年のフォローアップ後に、


3898名のコホート登録者、

415名の頭頸部がん例、
[内訳:131名;口腔がん、88名;口腔咽頭がん/下咽頭がん、193 名;喉頭がん]

が解析の対象となりました。


ビタミンやカロテノイドの摂取は4分位で評価されています。



解析の結果、


ビタミンCの摂取と、

頭頸部がんとの間に、非常に顕著な負の相関が見出されました。


すべてのタイプの頭頸部がんに関して、

ビタミンCの摂取の4分位で、

最高群は、最低群に比べて、

61%の有意なリスク低下
(0.39; 95% CI: 0.23, 0.66; P-trend < 0.001)

でした。


また、

口腔がんでは、

65%の有意なリスク低下、

(0.35; 95% CI: 0.16, 0.77; P-trend < 0.05)


口腔咽頭がん/下咽頭がんでは、

71%の有意なリスク低下
(0.29; 95% CI: 0.12, 0.67; P-trend < 0.01)

という相関でした。



なお、ビタミンEやカロテノイド類の摂取との間に有意な相関は認められていません。


一方、

ビタミンEは、

アルコールの非摂取者(非飲酒群)において、

頭頸部がんリスク低下と有意な相関が示されています。


以上のデータから、

ビタミンCの摂取による頭頸部がんリスク低減作用が示唆されます。




DHCは、ビタミンCサプリメントを製品化しています。

ビタミンC ハードカプセル(1,000mg)
(ビタミンC(ハードカプセル)徳用90日分【栄養機能食品(ビタミンC・ビタミンB2)】\629(税込\679)) ⇒1ヵ月分は約210円。


DHCでは、適正な価格で高品質のマルチビタミンマルチミネラルカルシウム・マグネシウムを提供しています。

また、各種カロテノイドを含むマルチカロチンの他、リコピンルテインなども製品化しています。


中高年以上の疾病予防・健康増進のためには、

下記のサプリメントは、すべてベーシックサプリメントとして摂取が推奨できます。


すべての摂取にかかるコストは1か月分で、2,000円程度から、ですので、

安全性・有効性に加えて、経済性(費用対効果)にも優れています。



マルチビタミン、
(マルチビタミン 徳用90日分 \886(税込\956)) ⇒1ヵ月分は約300円。


マルチミネラル、
(マルチミネラル 徳用90日分【栄養機能食品(鉄・亜鉛・マグネシウム)】\1,239(税込\1,338))  ⇒1ヵ月分は約450円。


ビタミンC ハードカプセル(1,000mg)
(ビタミンC(ハードカプセル)徳用90日分【栄養機能食品(ビタミンC・ビタミンB2)】\629(税込\679)) ⇒1ヵ月分は約210円。



ビタミンD3
(ビタミンD3 30日分 \286(税込\308))   ⇒1ヵ月分は約300円。



コエンザイムQ10、
(コエンザイムQ10 包接体 徳用90日分  通常価格\2,143(税抜))  ⇒1ヵ月分は約700円。




↑ 上記は、合計で一か月分が約2,000円ほどです。中高年以上の全員に推奨できるベーシックな成分です。



↓ 下記の成分は、上記に加えて追加する場合に、優先されるサプリメントです。

EPA、
(EPA 30日分 \950(税込\1,026))



DHA、
(DHA 30日分 \1,191(税込\1,286))


乳酸菌
(届くビフィズス 30日分 通常価格 \1,429(税抜))



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posted at 23:56 | この記事のURL
カロテノイド類による前立腺がんリスク低下作用 [2015年07月18日(土)]
今月のがん疫学研究の専門ジャーナル(電子版)に、血中カロテノイド値と、PSA(前立腺特異抗原)との関連を調べた研究が、米国のグループ(Mayo Clinic College of Medicine)から報告されていました。
(Cancer Epidemiol. 2015 Jul 9.)


カロテノイド系ファイトケミカルとして、αカロテンやβカロテン、リコピン、ルテインなどが知られています。

それぞれ、抗酸化作用や抗炎症作用を介して、臓器組織特異的に疾病リスク低減効果が知られています。

例えば、リコピンは前立腺がんリスク低下、ルテインは華麗黄斑変性症リスク低下です。



トマトに含まれる赤色色素のリコピンは、抗酸化作用や抗がん作用を有しており、

疫学研究では、肺がんや前立腺がん、乳がん、大腸がん、脳卒中のリスク低減効果が示されています。

また、トマトは、地中海食でも広く用いられる食材であり、オリーブオイルが豊富な地中海食の疾病リスク低減作用にも関係していると考えられます。

さらに、リコピンサプリメントによる高血圧改善作用も知られています。



さて、

今回の研究では、臨床的限局性前立腺がん(clinically localized prostate cancer;PrCA)再発患者における血中カロテノイド類とPSA値との関連が検証されました。



臨床的限局性前立腺がん(PrCA)は、前立腺切除術や放射線治療を受けていても、5年以内に25-40%が再発する、とされています。


先行研究では、
リコピンなどカロテノイドの摂取による前立腺がんリスク低下作用が知られています。


そこで、
今回の研究では、

PSA値の上昇により診断された、
臨床的限局性前立腺がん(PrCA)再発例において、

血中カロテノイド類とトコフェロール(ビタミンE)値と、PSA値との関連が調べられました。


具体的には、

南カロライナにおいて、

6ヶ月間の食事、身体活動、ストレス低減試験のデータから、

PrCA患者39名が対象となり、

血中カロテノイドの高値群と低値群、PSA値が測定されています。



解析の結果、

試験開始時のPSA値で補正後、

3ヶ月の時点での血中ルテイン/ゼアキサンチン値は、

3ヶ月の時点でのPSA値と、有意な負の相関を示しました
(P=0.0008)


また、

3ヶ月時点での、

α-トコフェロール(P=0.01), β-クリプトキサンチン(P=0.01), リコピン (P=0.004)値は、

6ヵ月後のPSA値と、有意な負の相関が認められました。


(つまり、リコピン値が先行指標となり、リコピン値が高い=リコピンの摂取が多いと、その後のPSA値が低い=前立腺がんリスクが低い、と推察されます。)


さらに、

試験開始時から3ヵ月後までのαトコフェロールとβカロテンの増加率は、

3ヵ月後と6ヵ月後におけるPSA低値と相関していました。



その他、

βクリプトキサンチン、ルテイン/ゼアキサンチン、リコピンの増加率は、

6ヵ月後におけるPSA低値と相関していました。



以上のデータから、

臨床的限局性前立腺がん(PrCA)の再発予防には、

カロテノイド系ファイトケミカルの摂取が有用であることが示唆されます。





DHCでは、適正な価格で高品質のマルチビタミンマルチミネラルカルシウム・マグネシウムを提供しています。




また、各種カロテノイドを含むマルチカロチンの他、リコピンルテインなども製品化しています。




中高年以上の疾病予防・健康増進のためには、


下記のサプリメントは、すべてベーシックサプリメントとして摂取が推奨できます。


すべての摂取にかかるコストは1か月分で、2,000円程度から、ですので、

安全性・有効性に加えて、経済性(費用対効果)にも優れています。



マルチビタミン、
(マルチビタミン 徳用90日分 \886(税込\956)) ⇒1ヵ月分は約300円。



マルチミネラル、
(マルチミネラル 徳用90日分【栄養機能食品(鉄・亜鉛・マグネシウム)】\1,239(税込\1,338))  ⇒1ヵ月分は約450円。



ビタミンC ハードカプセル(1,000mg)
(ビタミンC(ハードカプセル)徳用90日分【栄養機能食品(ビタミンC・ビタミンB2)】\629(税込\679)) ⇒1ヵ月分は約210円。




ビタミンD3
(ビタミンD3 30日分 \286(税込\308))   ⇒1ヵ月分は約300円。




コエンザイムQ10、
(コエンザイムQ10 包接体 徳用90日分  通常価格\2,143(税抜))  ⇒1ヵ月分は約700円。






↑ 上記は、合計で一か月分が約2,000円ほどです。中高年以上の全員に推奨できるベーシックな成分です。






↓ 下記の成分は、上記に加えて追加する場合に、優先されるサプリメントです。



EPA、
(EPA 30日分 \950(税込\1,026))





DHA、
(DHA 30日分 \1,191(税込\1,286))




乳酸菌
(届くビフィズス 30日分 通常価格 \1,429(税抜))








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posted at 23:55 | この記事のURL
L-カルニチンが膝OA患者の症状を改善する [2015年07月17日(金)]
栄養学研究の専門ジャーナル(電子版)に、変形性膝関節症患者において、L-カルニチン投与による症状改善作用を示した臨床研究が報告されていました。
(Nutr Res. 2015 Jun 16.)



関節対策のサプリメント成分では、グルコサミンやコンドロイチンがよく知られています。


これらは、変形性膝関節症など加齢に伴って生じる関節症状の改善に有用であり、これまで多くの臨床研究で、有効性と安全性が報告されてきました。



今回の研究では、

変形性膝関節症(膝OA)において、

L-カルニチンサプリメント投与による酸化ストレス、脂質関連指標、関節症状への影響が検証されました。



具体的には、

ランダム化二重盲検偽薬対照試験として、

軽症から中等度の膝OAを有する過体重/肥満女性72名を対象に、

・1日あたり750mgのL-カルニチン投与群、

・偽薬投与群

の2群について、
8週間の投与試験が行われています。


血中関連指標として、
MDA値、総抗酸化能(TAC)、脂質関連指標が測定され、

膝OAについては、

膝疼痛に関するVAS、

疾患重症度指標(patient global assessment of severity of disease)
による評価が行われています。

被験者のうち69名(L-カルニチン投与群33名、偽薬投与群36名)が試験を完了しました。



解析の結果、

L-カルチニン投与群では、

投与前に比べて、

血中MDA値の有意な減少
(2.46 ± 1.13 vs 2.16 ± 0.94 nmol/mL)、

総コレステロール値の有意な減少
(216.09 ± 34.54 vs 206.12 ± 39.74 mg/dL)、

LDLコレステロール値の有意な減少
(129.45 ± 28.69 vs 122.05 ± 32.76 mg/dL)

が見出されました。
(P < .05)


一方、
偽薬投与群では、これらの指標は増加しています。


また、
血中TG、HDL、TAC値には、両群とも有意な変化は見出されませんでした。
(P > .05)


試験開始時および交絡因子で補正後、

摂取した食事、血中脂質、MDA、TACについては両群間で有意差は認められませんでした。


なお、
疼痛の指標に関しては、

サプリメント投与の前後の比較、

および

サプリメント投与群と偽薬投与群との比較のいずれにおいても、

サプリメント投与による有意な改善作用が見出されたということです。


以上のデータから、

過体重/肥満の変形性膝OA女性において、

Lカルニチンサプリメントによる疼痛改善作用が示唆されます。


今後、補完療法としての臨床的意義の検証が期待される分野です。



カルニチンは、アミノ酸誘導体で、食肉(ラム肉)や乳製品に豊富に存在します。



カルニチン(L-カルニチン)は、脂肪の代謝に必要な機能性成分です。

(長鎖脂肪酸は、L-カルニチンと結合することでミトコンドリアに入ります。)




L-カルニチンに関する研究では、中性脂肪やVLDLコレステロールの低下作用、肝臓での脂肪蓄積の抑制、運動能向上作用、肥満での減量など、多彩な働きが示されています。




例えば、

カルニチンによる運動耐用能の亢進@アスリート

という研究も知られています。


また、特定の病態において、治療と併用されることもあります。

例えば、腎疾患患者の血球減少症に対する効果、糖尿病患者での代謝の改善、慢性疲労症候群患者の症状改善、C型肝炎のインターフェロン療法の補助療法などが報告されています。

特に、腎不全によって慢性維持透析を受けている病態では、カルニチン欠乏による障害が知られており、L-カルニチンの摂取が推奨されます。




変形性膝関節症の症状改善や予防方法として、下記の組み合わせが推奨できます。


抗炎症作用を有する機能性食品成分の豊富な食事
(オメガ3系脂肪酸、エクストラバージンオリーブオイル、ウコンなど各種のファイトケミカルなどを含む食事。)

運動療法による適正体重の維持と筋力・筋量の維持

抗炎症作用を有するサプリメントの利用、
(ウコン/クルクミン、ボスウェリア・セラータ/5-ロキシン)

変形性膝OAに対するサプリメントとしてグルコサミン、コンドロイチン、U型コラーゲン、の併用も可能です。




最近の研究では、次の報告があります。


変形性膝OAの疼痛に対してグルコサミン+コンドロイチンはセレコキシブと同等の効果



グルコサミン・コンドロイチンの関節裂隙狭小化抑制効果




グルコサミン・コンドロイチンによる関節軟骨保護作用@膝関節症





コンドロイチンによる変形性膝関節症改善作用




グルコサミンはNF-κBを抑制し抗炎症作用を示す



グルコサミン・コンドロイチン利用者は炎症マーカーが低い




グルコサミンによる寿命延長効果




グルコサミンはジアセレインと有効性が同じで、副作用が少ない:メタ解析



DHCでは、関節機能訴求に関連したサプリメントとして、次の製品を扱っています。




パワーグルコサミン



極らくらく



らくらく(グルコサミン、コンドロイチン、II型コラーゲン、CBP、MSM(メチルスルフォニルメタン)、コラーゲンペプチド、ヒドロキシチロソール)



グルコサミン



コンドロイチン



グルコサミン&コンドロイチン



II型コラーゲン+プロテオグリカン




グルコサミンは、変形性膝関節症などの関節疾患に広く利用されているサプリメントです。



作用メカニズムとして、アミノ糖であるグルコサミンが関節軟骨の成分であることから、構成成分を経口摂取することによる直接的な修復機構が想定されていました。



一方、最近の研究では、グルコサミンやコンドロイチンは、情報伝達機構における調節因子であることが示されており、変形性膝関節症に対する改善効果のメカニズムとして、構成成分自体を直接摂取する作用というよりは、シグナル伝達物質を摂取することによる作用が考えられています。



膝OAなどの変形性関節症に対して、
サプリメントでは、グルコサミンやコンドロイチンが最もエビデンスが豊富であり、欧州の学術団体EULARではグレードAの推奨になっています。
(一方、ACRではGAIT1のみを解析対象としたため、偽陰性データのバイアスによってネガティブになっています。)


2014年以降に発表された最新の研究―MOVES研究やLEGS研究--では、

グルコサミンやコンドロイチンの効果が示されています。







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posted at 23:54 | この記事のURL
セサミンによる関節リウマチ患者での心血管リスク低減効果 [2015年07月16日(木)]
今月の栄養学の専門ジャーナルに、関節リウマチの女性患者において、セサミンサプリメント投与による心血管リスク改善効果を示した臨床研究が報告されていました。
(J Am Coll Nutr. 2015 Jul 7:1-8.)



関節リウマチでは、

慢性炎症が認められ、心血管リスクの増大が知られています。


関節リウマチ患者における心臓病予防には、抗酸化作用や抗炎症作用を有する機能性食品成分の補完的利用が考えられます。



ゴマには、セサミンに代表されるゴマリグナン類が含まれており、抗酸化作用や抗炎症作用を有しています。



今回の研究では、

関節リウマチにおける、

セサミンサプリメント投与による脂質や酸化ストレスマーカー、血圧など心血管リスク因子への影響が検証されました。



具体的には、

ランダム化二重盲検偽薬対照試験として、

関節リウマチの女性患者44名を対象に、

・セサミン投与群(200mg/日)

・偽薬投与群

の2群について、

6週間の投与試験が行われました。



介入の前後で、

血中脂質指標、MDA、総抗酸化能が測定されています。



解析の結果、

セサミンサプリメント投与群では、

MDAの有意な減少(p = 0.018)、

総抗酸化能(TAC)の有意な亢進(p = 0.020)

HDLコレステロール値の有意な増加(p = 0.007)

が認められました。



また、

セサミン投与群では、

投与前に比べて、

体重、BMI、ウエストヒップ比、体脂肪、収縮期血圧、脂質指標(TG、総コレステロール、LDL)の有意な減少(改善)も見出されたということです。
(p < 0.05)


なお、

両群間での有意差は認められていません。
(p > 0.05)



以上のデータから、

関節リウマチ患者において、

セサミンサプリメントによる抗酸化作用や脂質代謝改善作用を介した心血管リスク軽減作用が示唆されます。


今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。



なお、関節リウマチの標準治療には、抗リウマチ薬(DMARDs)や生物学的製剤が用いられ、関節の破壊を抑制する有用性が知られています。

したがって、関節リウマチの治療には、サプリメントではなくて、医薬品による標準治療が必要です。


また、

この研究で用いられたセサミンの投与量は、高用量となっています。

(健康増進や疾病予防の目的での投与量と比べると、数倍以上です。)




DHCでは、安全性、有効性に加えて、経済性(費用対効果)に優れたセサミン含有サプリメントを製品化しています。

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スプーン1杯のオリーブオイルが2型糖尿病リスクを10%低減する [2015年07月15日(水)]
今月の臨床栄養学の専門ジャーナル(電子版)に、オリーブオイルの摂取と、2型糖尿病リスクとの関連を調べた疫学研究が、米国とスペインのグループから報告されていました。
(Am J Clin Nutr. 2015 Jul 8.)



今回の研究では、

37〜65歳の女性59,930名(NHS)と、

26〜45歳の女性85,157名 (NHSU)を対象に、

食事調査が行われ、

4年ごとに健康状態が調べられています。


(被験者は、試験登録時には、糖尿病や心血管疾患、がんといった疾患を有していません。)
(それぞれ、米国でのナースヘルススタディNHSと、NHSUの参加者からのデータです。)



2型糖尿病の罹患率とオリーブオイル摂取との関連が検証されました。



解析の結果、

22年間のフォローアップ中、

2型糖尿病の発症例は、


それぞれ、

5,738名(NHS)と、

3,914名 (NHSU)

でした。




多変量解析の結果、

オリーブオイル非摂取群に比べて、

オリーブオイルを1日あたり1テーブルスプーン1杯(8グラム)以上摂取する群では、

2型糖尿病リスクが10%低い、

という相関が見出されました。

(HR; 0.90, CI:0.82, 0.99)


また、

サラダドレッシングとしてオリーブオイルを利用している場合は、

5%の糖尿病リスク低下、
(HR; 0.95, CI;0.87, 1.04)


オリーブオイルを食材やパンにつけている場合では、

15%の糖尿病リスク低下、
(HR; 0.85, CI:0.74, 0.98)

という相関が認められています。





論文著者らは、

スティックマーガリン、バター、マヨネーズを、

オリーブオイル(8g/日)で置き換えることで、

2型糖尿病リスクが、それぞれ、5%, 8%, 15%低下する、

と推計しています。




以上のデータから、

オリーブオイルの利用による2型糖尿病リスク低下作用が示唆されます。





オリーブオイルは、単価不飽和脂肪酸というだけではなく、最近の研究では、エクストラヴァージン(バージン)オリーブオイルに含まれるファイトケミカル・ポリフェノールによる抗酸化作用の有効性も示されています。



DHCでは、

エクストラバージンオリーブオイルを取り扱っています。

ヌニェス・デ・プラド エクストラバージンオリーブオイル
数々の受賞歴を誇る、有機栽培の高級食用オリーブオイル



オロ・デ・ヘナベ エクストラバージンオリーブオイル
なめらかで、マイルドな風味。有機栽培の高級食用オリーブオイル







地中海食やオリーブオイルの効能については、多くのエビデンスが報告されています。


地中海食で死亡率が半減する



低炭水化物(糖質制限)食と地中海食は低脂肪食よりも有効



オリーブオイルの摂取10gで全死亡率が7%低下



地中海食がメタボを抑制



バージンオリーブオイルとナッツ類を含む地中海食の抗炎症作用



バージンオリーブオイルの心臓病予防作用



オリーブオイルによる皮膚の老化抑制作用



地中海食による認知症予防効果



地中海食+CoQ10サプリによる抗酸化作用



超低炭水化物・地中海食による減量効果




地中海食による高尿酸血症リスクの低下



オリーブオイルによる動脈硬化抑制作用



バージンオリーブオイルによる骨代謝改善作用




オリーブオイルとナッツによる心血管リスク低下作用



伝統的地中海食による脂質代謝改善作用



オリーブオイルによる膀胱がんリスク低下





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posted at 23:51 | この記事のURL
運動負荷によって生じる炎症反応をコエンザイムQ10が抑制する [2015年07月14日(火)]
コエンザイムQ10サプリメントの摂取によって、運動時に筋肉組織において生じる炎症反応が抑制されることを示した臨床研究が報告されていました。
(Med J Islam Repub Iran. 2015 Apr 20;)


過度な運動負荷は、炎症や酸化ストレス障害を生じ、免疫系にも抑制的に作用します。

アスリートはもちろん、皇居ランナーなど運動習慣を持っている場合には、
コエンザイムQ10、ビタミンC(ハードカプセル)、、ビタミンEといった抗酸化作用を有する機能性サプリメントの利用は必須です。



今回の研究では、

運動負荷誘導性の炎症反応や乳酸上昇、筋肉障害に対して、
コエンザイムQ10サプリメント摂取による働きが検証されました。


具体的には、中距離ランナー男性18名を対象に、

・コエンザイムQ10(5mg/kg/day)投与群(n=9)

・偽薬投与群(n=9)

の2群について、

1日の単回投与の場合と、

14日間の投与の2種類の介入方法について、
比較が行われています。


3千メートル走のトレーニング2サイクルの1時間前と、18-24時間後の間に採血が行われ、

乳酸、血中IL-6値、TNF-α、CRP、CKが測定されました。



解析の結果、

まず、
コエンザイムQ10の単回投与群では

運動負荷によって誘導された炎症惹起反応(血中CRPの上昇)の抑制が見出されました。

その他の指標では有意な変化は示されていません。


次に、

14日間のコエンザイム投与群では、

運動負荷時による、
乳酸の増加、血中IL-6、TNF-α、CRP値の上昇が抑制されました。


なお、CK値には両群とも変化は認められていません。


以上のデータから、

運動負荷により生じる炎症反応に対して、
コエンザイムQ10投与による炎症抑制作用が示唆されます。





現在、サプリメント・健康食品は、健康保持や疾病予防を目的に広く利用されています。

また、
運動負荷に対して、アスリート・運動選手がサプリメントを利用する場合もあります。


運動時には、筋肉中などで活性酸素が発生し、酸化ストレス障害が生じます。

そこで、抗酸化作用を有するサプリメント成分の摂取によって、運動に伴う酸化障害の抑制が期待されます。


DHCでは、大学との共同研究にて、

DHCのコエンザイムQ10投与によって、運動負荷時の活性酸素による酸化障害の抑制作用を報告しています。



具体的には、

トレッドミルを用いた60分間の持久走の負荷に際して、運動前の1週間、DHCのコエンザイムQ10 およびビタミンC、ビタミンEを摂取した群では、摂取しなかった群に比べて、尿中8-OHdG値の上昇が抑制(=運動による酸化障害の発生が抑制)されたというデータです。

運動習慣を有する場合、

マルチビタミンマルチミネラルに加えて、





コエンザイムQ10、



αリポ酸、



ビタミンC(ハードカプセル)、



ビタミンBミックス


アミノ酸



を利用することが好ましいと考えられます。







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ココナッツオイルによる消費エネルギー増大とβ酸化亢進を介したダイエット効果 [2015年07月13日(月)]
肥満研究の専門ジャーナルに、ココナッツオイル摂取によるダイエット効果を示した臨床研究が、カナダのグループ(McGill University)から報告されていました。
(Int J Obes Relat Metab Disord. 2003 Dec;27(12):1565-71.)



ココナッツオイルは、中鎖脂肪酸の1種で、近年、認知症(アルツハイマー病)やダイエット訴求が行われています。



先行研究では、

中鎖脂肪酸の摂取によって、

消費エネルギーの増大作用、体脂肪の減少作用が示されています。



今回の研究では、

ココナッツオイル由来中鎖脂肪酸による体組成および熱産生(エネルギー消費)への作用が検証されました。




具体的には、

ランダム化クロスオーバー法により、

肥満男性19名(平均年齢44.5歳、BMI 27.8)を対象に、

・ココナッツオイル由来中鎖不飽和脂肪酸投与群

・長鎖脂肪酸(対照オイル)投与群

の2群について、4週間の介入試験が行われました。



両群とも、食事のエネルギー比は、

脂質40%、炭水化物55%、タンパク質15%

でした。

(注:100%にならないのですが、論文の方法に記載されている通りです。おそらく脂質が30%と思います。)



脂質のうち、

25%は、両方の食事に共通する食事成分に由来します。


残り75%は、追加された脂質です。

中鎖脂肪酸摂取群では、

3分の2が、中鎖脂肪酸オイル(Neobee 1053, Stepan Company, Northfield, USA) であり、残りはオリーブオイル、ココナッツオイル、亜麻仁油、菜種油です。




中鎖脂肪酸投与群では、

ココナッツあるいはパーム核油に由来する55%カプリル酸と44%カプリン酸の中鎖脂肪酸が投与されています。



アウトカムとして、

エネルギー消費量、体組成が
間接カロリーメーターとMRIにより、
介入前後で測定されています。


(エネルギー消費量は、
標準食の摂取30分前と、摂取後5.5時間後に
測定。)



解析の結果、


体重は、

長鎖脂肪酸摂取群に比べて、

中鎖脂肪酸投与群では、


有意な減少が見出されたということです。
(P<0.05)
(中鎖脂肪酸群;1.03±0.25 kg vs 長鎖脂肪酸群;0.62+/-0.29 kg)



中鎖脂肪酸群と長鎖脂肪酸群との間のエネルギー消費量の差は、

試験開始時の体重に相関していました。

(つまり、
開始時の体重が小さい男性のほうが、

中鎖脂肪酸摂取時のエネルギー消費量の増加が、28日目の時点でより顕著でした。

(28日目;r=-0.472, P=0.04)
(2日目;r=-0.368, P=0.12)


また、脂肪酸化についても、
28日目において、同様の結果でした。
(28日目;r=-0.553, P=0.01)



2日目において、
長鎖脂肪酸投与群に比べて、
中鎖脂肪酸投与群において認められた脂肪酸化の顕著な増大は、

長鎖脂肪酸群よりも
中鎖脂肪酸群にでも、
体重のより大きな減少と相関傾向が認められています。
(r=-0.4075, P=0.08).



以上のデータから、

摂取する脂肪酸の種類を、長鎖脂肪酸から中鎖脂肪酸に変えることで、

エネルギー消費量の増大および脂肪酸化亢進を介して、


体重および体脂肪を減少させる効果が示唆されます。



ココナッツオイルによる体組成改善作用は、

摂取している脂肪酸の種類をココナッツオイルに代えることによる効果ですので、

食事に加えるのではなくて、脂質を減らしてその分、ココナッツオイルに代える、という使い方になります。






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水溶性食物繊維による過敏性腸症候群(IBS)症状改善効果:メタ解析 [2015年07月12日(日)]
今月の消化器病学の専門ジャーナル(電子版)に、水溶性食物繊維による過敏性腸症候群(IBS)症状改善効果を示したメタ解析が、米国のグループ(Johns Hopkins University School of Medicine)から報告されていました。
(Eur J Gastroenterol Hepatol. 2015 Jul 2.)



過敏性腸症候群(IBS;Irritable Bowel Syndrome)は、大腸の蠕動運動の異状により下痢や便秘といった症状を示す疾患です。

ただし、潰瘍といった器質的病変はなく、機能性疾患とされています。



先行研究では、

食物繊維、特に水溶性食物繊維の摂取による過敏性腸症候群(IBS)への好影響が示唆されています。



(なお、食物繊維の分類は、
水溶性食物繊維、不溶性(難溶性)食物繊維というのが一般的ですが、

最近では、発酵の有無による機能性に注目して、
発酵性食物繊維(fermentable fibers)と非発酵性、という分け方も使われます。

一般に、
発酵性食物繊維は、だいたい、水溶性食物繊維です。)



さて、今回のメタ解析では、

食物繊維(水溶性、難溶性)の摂取による過敏性腸症候群(IBS)への働きが検証されました。


具体的には、

主要医学データベースを用いて、
(Medline, EMBASE, Cochrane Central, CINAHL, LILACS, ClinicalTrials.gov)


IBSに対する食物繊維と偽薬との比較を行ったランダム化比較試験およびクロスオーバー試験が対象となり、


4199報から、121報が選択され、22報が全文スクリーニングされました。




解析の結果、

食物繊維の摂取によるIBS症状の有意な改善効果が認められたということです。
(RRで27%の改善効果)
[risk ratio: 1.27; 95%CI: 1.05-1.54]



層別解析では、

水溶性食物繊維の摂取では、

症状の有意な改善(49%の改善)が示されており、
(risk ratio 1.49; 95% CI: 1.09-2.03)


腹痛スコアでも同様の改善が見出されました。


一方、

難溶性食物繊維では、いずれのアウトカムでも有意な改善は見出されていません。




以上のデータから、

食物繊維、特に水溶性食物繊維の摂取による、
過敏性腸症候群(IBS)の症状効果が示唆されます。



厚労省による国民健康栄養調査では、
日本人の男女とも、一日あたりの食物繊維の摂取不足が示されています。

教科書的には、
もっと食物繊維をとりましょう
となりますが、実際に充足されていない状況が何十年も続いているわけですので、

補完的に、健康食品/サプリメントで食物繊維を補い、健康増進や疾病予防に利用することが合理的と考えます。


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