今月の栄養学の専門ジャーナルに、オリーブオイルによる心臓病予防効果を示した疫学研究が、スペインのグループから報告されていました。
(
Br J Nutr. 2012 Sep 25:1-8.)
オリーブオイルは、単価不飽和脂肪酸を主に含み、酸化ストレス抑制、インスリン抵抗性抑制、抗炎症作用などを有しています。
このため、オリーブオイルの利用は、心臓病など動脈硬化性疾患の抑制作用が知られています。
また、オリーブ(オリーブ・リーフ(葉)やオリーブ・オイル)には、オレユロペンやヒドロキシチロソールなどのファイトケミカルが豊富に含まれており、抗酸化作用や抗炎症作用を介した生活習慣病の予防や改善効果が示唆されています。
例えば、エクストラバージンオリーブオイルには、オリーブポリフェノール(ファイトケミカル)が豊富に含まれるので、精製されたオリーブオイルよりも優れた機能性を示すことが臨床研究で示されています。
オリーブオイルは、地中海食で広く用いられており、動脈硬化性疾患のリスク低下を介した健康長寿に有用です。
さて、
今回の研究では、オリーブオイルの摂取と心臓病(心血管疾患)との関連が調べられています。
(EPICという研究の一環で、スペインでのコホートです。)
具体的には、1992年から96年の間に登録された40,142名(男性は38%)を対象に、
2004年までの追跡が行われました。
心臓病イベントと、オリーブオイルの摂取(エネルギー摂取量を調整し4分位で検討)との関連が解析され、交絡因子で補正が行われています。
10.4年間の追跡調査の結果、
587例(79%は男性)の心臓病イベントが見出されました。
オリーブオイルの摂取は、心臓病リスクと有意な負の相関が認められたということです。
2,000kcalあたり10グラム/日の摂取により13%のリスク低下、
4分位の最高群は、最低群に比べて、22%のリスク低下、
という相関でした。
オリーブオイルの摂取による心臓病リスク低下という相関は、
非喫煙者(11%のリスク低下、P = 0.048)、
非飲酒者あるいは飲酒量が少ない群(25%のリスク低下、P < 0.001)
でより顕著でした。
また、バージンオリーブオイルの利用者で、14%のリスク低下(P = 0.072)
でした。
以上のデータから、
オリーブオイルの摂取による心臓病リスクの低下作用が示唆されます。
オリーブオイルは、単価不飽和脂肪酸というだけではなく、最近の研究では、
エクストラヴァージン(バージン)オリーブオイルに含まれるファイトケミカル・ポリフェノールによる抗酸化作用の有効性も示されています。
オリーブオイルを多用する地中海食は、心臓病などの生活習慣病の予防効果を示し、抗炎症作用を有する抗炎症ダイエットであることがわかっています。
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