妊婦での葉酸サプリメント利用状況を調べた研究が、イスラエルのグループから報告されていました。
(Isr Med Assoc J. 2017 Aug;19(8):494-498.)
母親の葉酸摂取不足は、胎児の先天奇形である神経管閉鎖障害リスクとなります。
妊婦の葉酸不足リスク改善せず 学会が声明 (毎日新聞)
イスラエルでは、
2008年の時点で、先天奇形が、イスラムの乳児で第1位、ユダヤ人で第2位の死因であるということです。
今回の研究では、
イスラエルの地域の医療センターにおいて、
妊婦での葉酸の摂取と、それに関連する背景因子が調べられました。
具体的には、
横断研究として、
妊婦あるいは出産後3日以内の女性382名を対象に、
葉酸の摂取状況と関連因子が調べられています。
解析の結果、
まず、
382名の被験者のうち、
270名(71%)の妊婦/授乳婦が、葉酸(folic acid)を利用していたということです。
次に、
多変量解析によると、
妊婦/授乳婦の女性の教育水準、計画妊娠といった背景因子が
それぞれ独立して、
葉酸サプリメントの摂取率との間に有意な相関が認められました。
また、
葉酸サプリメントを利用していなかった被験者では、
妊娠期間中に、各種検査を受けていた割合が低い傾向という相関も示唆されています。
以上のデータから、
妊婦/授乳婦での葉酸サプリメント利用は、
女性の教育水準の高さ、計画妊娠であることとの相関が示唆されます。
妊娠初期における葉酸の摂取不足は、神経管閉鎖障害(二分脊椎)の主な原因となることから、厚生労働省は、H12年の通知により、
妊娠1ヶ月前から妊娠3ヶ月まで、食事に加えて葉酸サプリメントでの摂取を推奨しています。
しかし、日本の母子保健では、母子手帳に葉酸サプリメントについて記載があるだけですので、
葉酸摂取の重要性に関する啓発のタイミングが遅すぎ、結果的に、過去30年間、日本では二分脊椎の新生児が増え続けています。
(行政の不作為が原因です。)
日本では、これまでに複数の調査によって、妊娠時に適切なタイミングで葉酸サプリメントを利用していた妊婦の割合は数%〜10%という報告があります。
例えば、
環境省「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」
に関連して、
高知県内の妊婦9割が葉酸不足 環境省「エコチル調査」で判明
という報道がありました。
公益財団法人 難病医学研究財団/難病情報センターの二分脊椎に関する情報では、
「葉酸の役割を若年女性へ知らしめ、葉酸サプリメントの内服率を上昇させ、二分脊椎の発生頻度を低下させることが急務である」
と記載されています。
DHCの葉酸サプリメントは、国内マーケットシェア第1位です。
複数の地方自治体では、母子保健行政の中で、DHC葉酸を配布し、啓発を行っています。
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