薬理学の専門ジャーナル(電子版)に、コエンザイムQ10(CoQ10)の抗炎症作用を検証した系統的レビュー/メタ解析が報告されていました。
(Pharmacol Res. 2017 Aug 25.)
コエンザイムQ10は、ATP産生作用や抗酸化作用を介して、さまざまな生活習慣病に効果が示されています。
健康な人や未病の状態では、1日あたり90mg〜110mg程度をベーシックサプリメントとして毎日摂取します。
一方、何らかの疾患があり、補完療法として用いる場合には、1日あたり100mg〜300mg程度の利用になります。
今回の研究では、
主要医学データベースを用いて、
(PubMed/Medline, Web of Science (WoS), Cochrane Database, Google Scholar)
2016年12月までに収載された論文から、
コエンザイムQ10(CoQ10)に対する血中CRP値への作用を測定した前向き研究が検索され、
119の論文が抽出され、
7報の研究が、解析の対象となりました。
解析の結果、
コエンザイムQ10の投与によって、
血中CRP値の低下傾向が見出されました。
(WMD; -0.25mg/l, 95% CI -0.56 to 0.06, I2=42.0%)
また、
IL-6の有意な低下効果が見出されました。
(WMD -0.72pg/dl, 95% CI -1.24 to -0.24, I2=51.8%)
次に、
メタ回帰分析では、
血中CRP値の変化は、CoQ10の用量とは独立した因子であり、
(slope: -0.0005; 95% CI: -0.005, 0.004; p=0.832)
CoQ10サプリメントの投与期間に依存しているという相関が見出されました。
(slope: slope: -0.111; 95% CI: -0.21, -0.004; p=0.042)
以上のメタ解析のデータから、
コエンザイムQ10による抗炎症作用が示唆されます。
コエンザイムQ10には、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)と還元型(=ユビキノール,ubiquinol)があります。
還元型CoQ10のほうが、酸化型CoQ10よりも体内で利用されやすいと考えられます。
(酸化型CoQ10は、体内に吸収された後、いったん還元されてから、利用されます。)
コエンザイムQ10に関するこれまでの研究の多くは、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)を用いています。
したがって、一般的には、生活習慣病の予防やアンチエイジング目的に関して、
酸化型CoQ10のユビキノンの摂取で十分な効果が期待できます。
一方、特定の疾患に対して用いる場合、あるいは、体内の生理機能が低下している高齢者の場合には、
還元型CoQ10の利用が推奨されます。
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