サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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亜麻仁油による炎症関連遺伝子発現への影響 [2017年09月19日(火)]
今月の脂質研究の専門ジャーナル(電子版)に、亜麻仁油(フラックスシードオイル)による炎症関連遺伝子発現への作用を検証した臨床研究が、イランのグループ(Islamic Azad University (IAUPS))から報告されていました。
(Lipids. 2017 Sep 15.)



亜麻仁(アマニ、フラックスシード)は、オメガ3系脂肪酸であるα-リノレン酸の他、リグナン類、食物繊維などが含まれており、

抗炎症作用を介した生活習慣病予防効果が示されています。

(植物である亜麻の種子=仁で、亜麻仁/フラックスシードです。
米国などではシリアルやベーグルなどによく使われています。)

また、亜麻仁油/フラックスシードオイルは、植物性のオメガ3系必須脂肪酸なので、
ベジタリアン向けのサプリメントとして、EPAやDHAの代わりにも広く利用されています。
(ただし、EPAやDHAへの転換効率が、ヒトでは低いので、EPAやDHAの代わりにはなりませんが。)


先行研究では、


亜麻仁(アマニ)による減量と体組成改善効果:メタ解析



メタボリック症候群に対する亜麻仁の有用性



フラックスシード(亜麻仁)による降圧作用:メタ解析



といった報告があります。


さて、
今回の研究では、

肥満の糖尿病患者での心血管リスクへの評価として、

フラックスシードオイル投与による内分泌代謝関連遺伝子発現への影響が検証されました。


具体的には、

ランダム化二重盲検偽薬対照試験として、

心血管疾患を有する肥満の糖尿病患者60名を対象に、


・オメガ3系必須脂肪酸1000mg(フラックスシードオイル由来α-リノレン酸400mg含有)サプリメント投与群:30名

・偽薬投与群:30名

の2群について、

12週間の介入が行われ、

末梢血球中のインスリン、脂質、炎症関連遺伝子発現が調べられています。


解析の結果、

12週間の投与後、

偽薬投与群に比べて、

亜麻仁油/フラックスシードオイル投与群では、

PPAR-γ遺伝子発現の有意な亢進
(P = 0.02)

が見出されました。

また、
リポプロテイン(a)(LPa)遺伝子発現の有意な低下
(P = 0.001),


インターロイキン1(IL-1)遺伝子発現の有意な低下
(P = 0.001)

TNF-α遺伝子発現の有意な低下
(P = 0.02)

が認められました。


なお、LDLR(LDL受容体)、IL-8, TGF-β遺伝子の発現では有意な変化は認められていません。


以上のデータから、

心血管疾患を有する肥満の糖尿病患者において、

亜麻仁油/フラックスシード由来のオメガ3系必須脂肪酸(α-リノレン酸)の摂取による内分泌代謝/炎症関連遺伝子発現への作用が示唆されます。


今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。




近年の研究によって、DHAやEPAといったオメガ3系脂肪酸が、動脈硬化抑制作用や抗うつ作用など多彩な働きを有することが示されています。

一般に、青魚がDHAやEPAの豊富な食材として知られており、オメガ3系脂肪酸の供給源として魚油サプリメントが利用されます。

一方、体内の代謝経路では、アルファリノレン酸がEPAおよびDHAの前駆体であることから、魚類の摂取が少ない場合の代替サプリメントとして、亜麻仁油(フラックスシードオイル)などが推奨されることがあります。

ただし、体内では、アルファリノレン酸からEPA,DHAへの転換効率が低いため、臨床的に有意な量が摂取できるかどうか、議論が続いています。


(なお、EPAやDHAの前駆体であるという以外に、アルファリノレン酸には、独自の作用もあると考えられます。サプリメントの研究では、アルファリノレン酸としての投与による働きも報告されています。)



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DHCは、トータルヘルスケア企業として地方自治体と連携し、健康づくり事業に取り組んでいます。ふるさと納税にも協力し、地方創生を支援しています。
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posted at 23:55 | この記事のURL
【DHCプロデュース】静岡県伊東市のふるさと納税返礼品 [2017年09月19日(火)]
DHCは、地方自治体とと包括連携協定を締結し、ヘルスケア企業として、さまざまな健康づくり事業や地域活性化策に取り組んでおり、

自治体の政策の一環として、ふるさと納税返礼品にも採用されています。

下記は、静岡県伊東市の返礼品の例です。

posted at 09:48 | この記事のURL
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