加齢研究の専門ジャーナルに、プロバイオティクスの乳酸菌含有ヨーグルトによる高齢者での呼吸器感染症リスクへの働きを調べた臨床研究が、中国のグループ(Sichuan University)から報告されていました。
(Clin Interv Aging. 2017 Aug 8;12:1223-1231.)
乳酸菌やビフィズス菌などのプロバイオティクスは、整腸作用だけではなく、免疫調節作用を介した疾病予防効果が知られています。
今回の研究では、
中高年から高齢者における急性上気道感染症(URTI)に対するプロバイオティクス・ヨーグルトの有用性が検証されました。
具体的にはランダム化比較試験として、
45歳以上の205名を対象に、
・1日あたり300mLのヨーグルト摂取群
(乳酸菌Lactobacillus paracasei N1115を3.6×107 CFU/mL含有)
・対照群(ヨーグルト/乳酸菌の非摂取群)
の2群について、12週間の介入が行われ、
主アウトカムとして、URTIの罹患率、
副アウトカムとして、
血中たんぱく質、免疫グロブリン、Tリンパ球サブセットなどが測定されています。
解析の結果、
対照群に比べて、
ヨーグルト・乳酸菌摂取群では、
急性上気道感染症(URTI)と診断された被験者数が有意に減少、
URTIイベント数も有意に減少した、ということです。
(それぞれP=0.038, P=0.030)
URTIのリスクは、
対照群に比べて、
ヨーグルト・乳酸菌摂取群では45%低下しました。
(RR =0.55, 95% CI: 0.307-0.969)
また、
CD3+細胞の割合は、
対照群に比べて、
介入群が、有意に高値でした。
(P=0.038)
なお、
総たんぱく質、アルブミン、グロブリン、プレアルブミンには、両群間で有意差は認められませんでした。
以上のデータから、
中高年から高齢者において、
プロバイオティクス・乳酸菌の摂取によるT細胞調節作用を介した上気道感染症リスク低減作用が示唆されます。
乳酸菌は、ベーシックなサプリメントとして利用が推奨されます。
様々な乳酸菌が製品化されていますので、自分にあった菌種を選ぶことが大切です。
具体的には、1ヶ月ほど試してみて、整腸作用も含めて体調をみるようにします。
(整腸作用は、乳酸菌の摂取後数日間の間に変化を感じると思います。もし、軟便あるいは下痢傾向になってしまうのであれば、他の菌種に変更します。
また、1-3ヶ月から数ヶ月間のサイクルで菌種をローテーションしてもいいでしょうし、複数の種類を同時にとることも大丈夫です。
ヨーグルトなどの発酵食品でもいいのですが、数百グラムを毎日食べるのは大変ですし、
確実に乳酸菌を摂るには、サプリメントの利用が手軽で続けやすいと思います。
プロバイオティクスは、様々な有用性が示されています。
最近の研究では、次の報告があります。
プロバイオティクスによる脂質異常症改善効果:メタ解析
プロバイオティクスによるアトピー性皮膚炎の予防効果:メタ解析
プロバイオティクス摂取による脂質代謝改善作用:メタ解析
DHCでは、プロバイオティクスとして、
ビフィズス菌+オリゴ糖
生菌ケフィア
DHC自分でつくるケフィアヨーグルト
複合サプリメント(グッドスルー)
乳酸菌EC-12 30日分
5,000億個以上の乳酸菌で好調環境キープと元気な毎日を!
などを製品化しています。
また、プレバイオティクスとしては、
食物繊維
があります。
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DHCは、トータルヘルスケア企業として地方自治体と連携し、健康づくり事業に取り組んでいます。ふるさと納税にも協力し、地方創生を支援しています。
地域での健康長寿社会の実現に、DHCとして貢献できるように努めています。
はじめまして、DHC健康食品です
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