臨床脂質研究の専門ジャーナル(電子版)に、シナモンによる脂質代謝への作用を検証した系統的レビュー/メタ解析が、報告されていました。
(J Clin Lipidol. 2017 Aug 12.)
先行研究では、シナモン(カッシア・シナモンCassia cinnamon)の投与による糖代謝改善作用が示唆されています。
ただし、グラム単位のシナモンの投与ですので、スパイスとしての少量の利用では効果は期待できません。
シナモンによる糖代謝改善作用
http://www.dhcblog.com/kamohara/archive/3519
シナモンにはポリフェノールが多く含まれており、脂質代謝への作用が示唆されます。
そこで、今回の研究では、シナモンによる脂質代謝への作用が系統的レビューとメタ解析により検証されました。
具体的には、
13報のランダム化比較試験から、
750名のデータが解析の対象となり、
シナモン含有サプリメントによる脂質代謝関連指標への影響が検証されました。
解析の結果
LDLコレステロール値
(LDL-C; WMD: -0.16 mmol/L [-6.19 mg/dL], 95% CI: -0.35, 0.03 [-13.53, 1.16], P = .10)
HDLコレステロール値
(HDL-C; WMD: 0.05 mmol/L [1.92 mg/dL], 95% CI: -0.03, 0.12 [-0.03, 4.64], P = .21)
には有意な影響は認められませんでした。
一方、
中性脂肪値では、
シナモンによる有意な減少効果と。
(WMD: -0.27 mmol/L [-23.91 mg/dL], 95% CI: -0.39, -0.14 [-34.54, -12.40], P < .01)
また、総コレステロール値の有意な減少、
(WMD: -0.36 mmol/L [-13.92 mg/dL], 95% CI: -0.63, -0.09 [-24.36, -3.48], P < .01)
が見出されました。
さらに、
1報を除いた解析では、
HDLコレステロール値の有意な上昇も見出されました。
(WMD: 0.04 mmol/L [1.54 mg/dL], 95% CI: 0.03, 0.06 [1.16, 2.32], P < .01)
メタ回帰分析では、
脂質関連指標と、シナモンの用量の間に有意な相関は示されませんでした。
一方、
総コレステロール、
(slope: 0.09; 95% CI: 0.02, 0.16; P < .01),
LDL値
(slope: 0.05; 95% CI: 0.001, 0.10; P = .05)
中性脂肪値(slope: 0.06; 95% CI: 0.04, 0.09; P < .01)
はシナモンサプリメントの投与期間と有意な正相関が見出されたということです。
HDL値では、
投与期間との有意な相関は示されていません。
以上のデータから、
シナモン含有サプリメントによる中性脂肪値および総コレステロール値の低下作用が示唆されます。
今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。
脂質異常症・高脂血症は、生活習慣病であり、心臓病や脳卒中のリスクとなります。
脂質異常症・高脂血症対策のサプリメントの定番は、
紅麹です。
紅麹の安全性と有効性は、メタ解析でも確認されています。
紅麹による脂質代謝改善作用@メタ解析
------------------------------------------------------------------
DHCは、トータルヘルスケア企業として地方自治体と連携し、健康づくり事業に取り組んでいます。ふるさと納税にも協力し、地方創生を支援しています。
地域での健康長寿社会の実現に、DHCとして貢献できるように努めています。
はじめまして、DHC健康食品です
「DHCの遺伝子検査 元気生活応援キット」で体質や疾患感受性を判定
サプリメントと医薬品の相互作用ハンドブック―機能性食品の適正使用情報
------------------------------------------------------------------