補完代替医療の専門ジャーナルに、更年期の女性において、セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)による更年期症状の改善およびうつ病の改善作用を示した臨床研究が、イランのグループ(Ahvaz Jundishapur University of Medical Sciences)から報告されていました。
(Complement Ther Med. 2019 Aug;45:109-113.)
軽症から中等度のうつ病に対しては、
セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ、学名Hypericum perforatum)の有効性と安全性が確立しています。
セントジョーンズワートは、SSRIやSNRIといった抗うつ薬と同等の効果があり、
かつ、副作用が少ないことが示されています。
そのため、
欧米では、セントジョーンズワートがうつ状態に対して広く利用されています。
セントジョーンズワートはSSRIと同等の抗うつ作用を示す
20年ほど前に、チトクロームP450の3A4などを介した医薬品とSJWとの相互作用が話題になったことがあります。
その後の一連の研究により、セントジョーンズワートの単独投与による有効性と安全性は確立し、かつ、相互作用についても、留意するべき医薬品であれば、その旨が医薬品の添付文書に記載されています。
したがって、セントジョーンズワートについては、いまさら新しい知見というのは限定されているので、臨床研究も、以前と比べると減っています。
そのような中、今回の研究では、更年期の女性に対するセントジョーンズワートの働きが検証されていました。
具体的には、
イランでのランダム化比較試験として、
45-60歳の閉経後の女性を対象に、
・セントジョーンズワート投与群(270-330 μg of H. perforatum):40名、
・偽薬投与群:40名
の2群について、2カ月間の介入が行われました。
Kupperman指数や、Hamilton Depression Rating Scaleなどの指標で評価が行われています。
各群5名が脱落し、70名が試験を完了しました。
解析の結果、
偽薬投与群に比べて、
セントジョーンズワート投与群では、
ほてりの回数の有意な減少、
Kupperman指数の有意な減少が見出されました。
(p < 0.001)
また、
うつのスコアについても、
対照群に比べて、
セントジョーンズワート投与群では、有意な改善が認められました。
試験終了の時点では、
うつのない被験者の割合は、
セントジョーンズワート投与群では、80%であったのに対して、
対照群では、5.7%でした。
(p < 0.001)
以上のデータから、
セントジョーンズワートによる閉経後の女性での更年期症状の改善及びうつの改善が示唆されます。
軽症から中等度のうつ病に対しては、
セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ、学名Hypericum perforatum)の有効性と安全性が確立しています。
セントジョーンズワートは、SSRIやSNRIといった抗うつ薬と同等の効果があり、
かつ、副作用が少ないことが示されています。
そのため、
欧米では、セントジョーンズワートがうつ状態に対して広く利用されています。
セントジョーンズワートはSSRIと同等の抗うつ作用を示す
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背景として、メタ解析レベルでの高いエビデンスが構築されたことが考えられます。
セントジョーンズワートは、うつ病に対して医薬品と同等の効果を示す:メタ解析
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