サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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ノコギリヤシエキス(Permixon)は前立腺肥大症の下部尿路症状を改善する:メタ解析 [2017年08月16日(水)]
泌尿器科学の専門ジャーナルに、ノコギリヤシエキス含有サプリメント製品(Permixon)の安全性と有効性を検証した系統的レビュー/メタ解析が、イタリアのグループ(University of Padua)から報告されていました。
(Eur Urol Focus. 2016 Dec;2(5):553-561)



男性では、加齢に伴って前立腺肥大症(BPH)による排尿障害などの症状が生じます。

良性疾患である前立腺肥大症に対して、サプリメントでは、ノコギリヤシ(学名serenoa repens)が用いられています。


さて、今回の研究では、特定のノコギリヤシエキス含有サプリメント製品(Permixon)に関するメタ解析が行われています。


この背景として、論文著者らは、

--最近のコクラン共同計画によるRCTのメタ解析では、前立腺肥大症(BPH)による下部尿路症状(LUTS)に対して、ノコギリヤシエキスは偽薬を超える作用がない、
といったことになってしまっている、

--しかし、ノコギリヤシエキス含有サプリメントにはさまざまな製品があり、

--例えば、Permixon (Pierre Fabre Medicament, Paris, France)は標準化/規格化された製品としてエビデンスが知られている、

ということを述べています。



そこで、今回の系統的レビュー/メタ解析では、

ノコギリヤシエキス製品PermixonのLUTS/BPHに対する安全性と有効性が検証されました。

具体的には、

主要医学データベースを用いて
(Medline, Scopus, and Web of Science)

2016年1月の時点でRCTが検索され、

12報が抽出されました。


7報は、Permixonと偽薬の比較、

2報は、Permixonとタムスロシン(tamsulosin, ハルナール)の比較、

2報は、Permixon+タムスロシン群と、偽薬+タムスロシン群、およびタムスロシン単独群の比較、

1報は、Permixonとfinasteride(フィナステリド、プロペシア)の比較、

でした。


解析の結果、

Permixonは、偽薬群に比べて、

夜間排尿回数の有意な減少、
(WMD -0.31; p=0.03)、

最大尿速の有意な上昇、
(Qmax; WMD 3.37; p<0.0001)

が見出されました。

また、有害事象全般について、
(odds ratio [OR] 1.12; p=0.92)
および
脱落は
(OR 1.52; p=0.60)

両群(Permixon群と偽薬群)のいずれも同程度でした。


次に、

Permixonは、

タムスロシンの単独投与群と同等に有用であり、

フィナステリド短期投与群とも同等であり、


IPSS(国際前立腺症状スコア)の有意な改善
(WMD 1.15; 95% confidence interval [CI], -1.11 to 3.40; p=0.32)

Qmaxの有意な改善、
(WMD -0.16; 95% CI, -0.60 to 0.28; p=0.48)

が見出されました。


さらに、

Permixon+タムスロシン併用群は、

Permixon単独群に比べて、

LUTSの軽減に関してより有効でしたが、
(WMD 0.31; 95% CI, 0.13-0.48; p<0.01)


Qmaxでは有意差は認められませんでした。
(WMD 0.10; 95% CI -0.02 to 0.21; p=0.10)




安全性に関しては、

Permixonは許容性が高く、


タムスロシンと比べて、

ED(勃起障害)のリスクが有意に低く
(0.5% vs 4%; p=0.007)


リビドー低下やEDについても

短期間のプロペシア群よりも低値でした。
(2.2% and 1.5% vs 3% and 2.8%, respectively).



以上のデータから、

論文著者らは、

最近のコクランレビューの結果はPermixon製品には適応できず、

今回のメタ解析からは、規格化/標準化されたノコギリヤシ製品のPermixon投与により、

前立腺肥大症に伴う下部尿路症状の有意な改善効果が示唆されます。

また、このとき、EDリスクなどの有害事象は少なく、安全性が高いことも示唆されます。





良性疾患である前立腺肥大症に対して、サプリメントでは、ノコギリヤシ(学名serenoa repens)が用いられています。



ノコギリヤシに関しての臨床試験や基礎研究では、次のような報告があります。


前立腺肥大症に対してノコギリヤシは医薬品と同等の効果を示す



ノコギリヤシ+ハルナール併用はハルナール単独よりも有効



男性型脱毛症(AGA)に対するノコギリヤシの効果


ノコギリヤシの安全性を示した臨床試験


・ノコギリヤシによる前立腺肥大症と勃起障害の症状改善作用


・前立腺の健康維持にはノコギリヤシ+リコピン+セレン


・ノコギリヤシによる細胞増殖抑制作用


・ノコギリヤシによるBPH症状改善作用



・ノコギリヤシの前立腺肥大症改善作用



・前立腺切除術前のノコギリヤシ投与の効果


・ノコギリヤシ複合サプリによる慢性前立腺炎改善効果


・ノコギリヤシ・カボチャ種子による前立腺肥大症


・前立腺切除術の出血にノコギリヤシは影響しない



・ノコギリヤシでは医薬品との相互作用報告はなし



・男性型脱毛症とノコギリヤシ


・ノコギリヤシの安全性に関する系統的レビュー


・前立腺炎に対する補完療法としてのノコギリヤシ




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