サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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ベジタリアン食が糖尿病を改善する:メタ解析 [2018年07月14日(土)]
臨床栄養学の専門ジャーナル(電子版)に、ベジタリアン食の摂取による糖尿病患者での血糖コントロールに対する作用を検証した系統的レビュー/メタ解析が、カナダのグループ(University of Toronto)から報告されていました。
(Clin Nutr. 2018 Jun 13.)



一般に、
植物性食品を中心とするベジタリアン食では、
抗酸化作用や抗炎症作用を含む機能性食品素材により、がんをはじめとする生活習慣病の予防効果が考えらます。


今回の研究では、

欧州糖尿病学会(EASD)の栄養療法に関するクリニカルプラクティスガイドラインのアップデートとして、

糖尿病患者において、

ベジタリアン食による血糖コントロールおよび心血管リスクファクターへの作用が調べられました。


具体的には、

主要医学データベースを用いて、
(MEDLINE, EMBASE, Cochrane)

2018年2月26日までに掲載された論文が検索され、

糖尿病患者において、ベジタリアン食の作用を調べた3週間以上の期間のランダム化比較試験を対象に、HbA1cを主アウトカムとして、系統的レビュー/メタ解析が行われました。


副アウトカムは、
血糖コントロール指標、脂質代謝指標、体重/体脂肪、血圧
です。


9報のRCTから、664名のデータがメタ解析の対象となりました。


解析の結果、

ベジタリアン食の摂取によって、

HbA1cの有意な低下(改善)、
(MD = -0.29% [95% CI: -0.45, -0.12%])


空腹時血糖値の有意な低下(改善)、
(MD = -0.56 mmol/L [95% CI: -0.99, -0.13 mmol/L]),

LDLコレステロール値の有意な低下(改善)、
(MD = -0.12 mmol/L [95% CI: -0.20, -0.04 mmol/L]),

非HDLコレステロール値の有意な低下(改善)、
(MD = -0.13 mmol/L [95% CI: -0.26, -0.01 mmol/L]),

体重の有意な減少、
(MD = -2.15 kg [95% CI: -2.95, -1.34 kg]),

BMIの有意な低下、
(MD = -0.74 kg/m2 [95% CI: -1.09, -0.39 kg/m2])

ウエスト周囲長の有意な減少
(MD = -2.86 cm [95% CI: -3.76, -1.96 cm])

が見出されたということです。


なお、空腹時インスリン値、HDL、中性脂肪、血圧には有意な変化は認められませんでした。

以上、メタ解析のデータから、

論文著者らは、

糖尿病患者において、

ベジタリアン食の摂取により、血糖コントロールの改善、LDLおよび非HDLコレステロール値の低下、体重や体組成の改善が認められることから、


ベジタリアン食が、糖尿病の管理にお行ける栄養療法として支持される、と考察しています。




これまでの多くの研究によって、ベジタリアン食摂取群では、非ベジタリアン食摂取群よりも、生活習慣病リスクが低いことが知られています。



ベジタリアン食による心血管疾患リスク低下作用




ベジタリアン食による血圧低下作用@メタ解析



昨年12月、アメリカ栄養士会(栄養と食事のアカデミー)の機関ジャーナルに、ベジタリアン食に関するポジションステートメントが掲載されています。

--- 米国・栄養と食事のアカデミー(Academy of Nutrition and Dietetics、前米国栄養士会から改名)は、
「適切に準備されたベジタリアン食及びビーガン食は、健康的であり、栄養学的に十分であり、いくつかの病気の予防や治療のために、健康上の好影響をもたらす、」
と考えます。

-- ベジタリアン食は、ライスサイクルのすべてのステージ、妊娠中、授乳中、乳幼児、小児、青少年、高齢者、アスリートのいずれにも適切です。

-- 植物性食品を中心とする食事は、動物性食品を多く摂る食事に比べて、より環境的に持続可能なものです。
(more environmentally sustainable)
 その理由は、より少ない天然資源を利用するため、環境負荷がより少ないことです。

-- ベジタリアン食およびビーガン食は、虚血性心疾患、2型糖尿病、高血圧、あるタイプのがん、肥満といった、いくつかの疾患のリスクを低下させます。

-- 飽和脂肪酸の摂取が少なく、野菜・果物・全粒穀類、豆類、大豆製品、種実類(これらはいずれも食物繊維とファイトケミカルが豊富)の摂取が多いことが、ベジタリアン食やビーガン食の特長であり、このため、総コレステロール値やLDL(悪玉)コレステロールが低く、血糖コントロールにも好影響を与えます。
これらの要因が、慢性疾患リスク低減に寄与します。

-- ただし、ビーガン食は、信頼性の高い、ビタミンB12の供給源(強化食品やサプリメント)の利用が必要です。


拙著でもベジタリアン食について、まとめています。

ときどきベジタリアン食のすすめ ビーガン、マクロビオテックから総合栄養学まで



なお、ベジタリアン食であれば何でも健康的になる、というわけではありません。


(例えば、野菜はナシで、パスタにチーズ、パンの組み合わせでも、ラクトオボにはなりますが。)


もちろん、栄養学的にバランスの取れた、適切なベジタリアン食を摂取することが重要です。



一般に、植物性食品の摂取が多いベジタリアン食では、ファイトケミカル・ポリフェノールの摂取が多く、抗酸化作用を介した生活習慣病の予防効果が想定されます。


北米の栄養士会が共同で発表した見解によると、「適切に準備されたベジタリアン食は、健康に有益であり、必要な栄養素を満たしており、いくつかの疾患の予防や治療にも利点がある」とされています。


実際、これまでの疫学研究によって、肉食をする人々に比べて、ベジタリアンでは生活習慣病が少ないことが示されています。

ベジタリアン食による具体的な効果として、肥満、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患、高血圧、脂質異常症、糖尿病、前立腺がん、大腸がんの発症リスクが低下します。

また、日本人ベジタリアンを対象にした調査でも、ベジタリアンは、非ベジタリアンと比べて、体格指数(BMI)、血圧、血中総コレステロール値、中性脂肪値が有意に低いことが見出されています。




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