本日の午後、昭和大学大学院での病院薬剤学の授業にて出講させていただきました。
「医療の経済評価入門」の一連の講義の中に組み入れていただいたので、
サプリメントと医療経済についてお話させていただきました。
ご配慮いただきました関係の先生方に御礼申し上げます。
さて、本日の私的なお勉強日記です。
消化器病学の専門ジャーナル(電子版)に、小児の消化器系がん患者における補完代替医療(CAM)の利用状況を調べた研究が、カナダのグループから報告されていました。
(
J Pediatr Gastroenterol Nutr. 2014 May 21)
今回の研究では、
カナダのアカデミッククリニックにおいて、
消化器系がんの小児患者による補完代替医療(CAM: complementary and alternative medicine)の利用実態が調査されました。
具体的には、
エドモントンのStollery子供病院と、
オタワのEastern Ontario子供病院の2ヶ所のアカデミックセンターにおいて、
CAM製品や療法、利用状況と理由などについて調査が行われました。
その結果、
CAMの利用率は、
オタワの病院(CHEO)では36%であったのに対して、
エドモントンの病院では83%に達していました。
CAMを利用していない主な理由は、
知識を持っていないから、
ということです。
回答者の多くは、
CAMについてクリニックで相談することに問題はない、としており、
CAMに関する情報をさらに求めていました。
もっともよく利用されていたCAM製品は、
マルチビタミン類(91%),
カルシウム(35%),
ビタミンC (32%),
プロバイオティクス(14%),
魚油/オメガ3系脂肪酸 (13%).
でした。
また、
よく利用されていたCAM療法は、
マッサージ(43%),
カイロプラクティック(27%),
信仰/ヒーリング(25%),
リラクセーション(18%)
でした。
回答者の多くは、CAMが有用であると感じていました。
有害事象は23例で報告されましたが、多くはマイナーなものでした。
ただし、7例では中程度、3例では重度とされています。
42%の患者は、CAM利用と、処方薬を併用しており、
併用者の76%は主治医と、52%は薬剤師と相談していました。
以上のデータから、
カナダにおいて、
消化器系がんを有する小児患者の間ではCAM製品/療法が比較的広く利用されていることが示唆されます
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