サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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マルチビタミンサプリメントによる骨折リスク低減効果 [2014年06月01日(日)]
今月の骨代謝研究の専門ジャーナル(電子版)に、マルチビタミンサプリメントによる骨折リスク低下作用と入院加療の減少効果を示した臨床研究が報告されていました。
(J Bone Miner Metab. 2014 May 22)



骨の健康維持には、カルシウムやマグネシウムといったミネラルに加えて、ビタミンDやビタミンKの作用も大切です。

機能性食品成分では、CBPの有用性も知られています。

これらの機能性成分をバランスよく摂取することが重要です。




さて、今回の研究では、

マルチビタミンとマルチミネラルサプリメントによる骨折予防に対する作用が検証されました。


具体的には、

中国での栄養介入試験における3,318名の被験者(男性1,461名、女性1,857名)を対象に、


マルチビタミン・マルチミネラル(合計26種類の成分)サプリメント投与群

あるいは

偽薬投与群

の2群について、6年間の介入(投与)が行われ、


介入後に16年間のフォローアップが実施されました。


観察期間中、骨折の日時や場所、原因が収集されています。



解析の結果、

21年9ヶ月の間に、221件の骨折が見出されました。

(男性57名、女性164名)



男性では、

サプリメント摂取群において、

介入期間での骨折リスクが63%低下していました。


また、観察期間中の5年後および10年後でも、骨折リスク低下の有意な効果が見出されています。

(years 0-11, P = 0.04、およびyears 0-16, P = 0.02)



なお、マルチビタミンマルチミネラルサプリメントによる骨折予防効果は、

サプリメントの摂取終了後、10年を超えると明確ではありませんでした。



一方、女性では、顕著な効果(有意差)は見出されていません。



以上のデータから、

男性において、マルチビタミン・マルチミネラルサプリメントによる骨折予防効果が示唆されます。




今回の研究では、男性におけるマルチビタミンマルチミネラルサプリメントの効果が示されており、女性では明確ではありませんでした。


サプリメント成分が、ベーシックなビタミンミネラルであり、介入の効果が大きくなく、

男性と異なり、女性では、骨代謝に与えるホルモンバランスの変化など他の交絡因子の影響のために、顕著な効果が認められなかったと考えられます。


(また、中国での研究ですので、平均的な日本人と比べて、マルチビタミンマルチミネラルによる保健効果・健康増進効果が検出されやすいことも考えられます。)




中高年以降の女性では、


マルチビタミンマルチミネラルといったベーシックな成分に加えて、


カルシウム/マグ、


ビタミンD、


ビタミンK、


CBP、


大豆イソフラボン


などが有用と考えられます。





一般に、マルチビタミンやマルチミネラルのサプリメントは、食事で不足しがちな必須栄養素を補う目的で用いられます。

したがって、よほど栄養状態に問題がある地域の対象者でないと、マルチビタミンで、がん予防や死亡率低下、という結果にはなりません。

(日本人の場合、現代の食生活では潜在的な栄養素の不足という問題は想定されますが、マルチビタミンの投与で死亡率低下というデータまでは検出できないと思います。)


(なお、マルチビタミン・ミネラルサプリメントによる抗がん作用や死亡率低下のメカニズムとしては、ビタミンCやビタミンE、セレンといった抗酸化作用を持つ成分が、酸化障害の抑制を介して、抗がん作用および生活習慣病予防効果を示す、となります。)



マルチビタミンサプリメントとがんに関して、

最近では、

50歳以上の米国の男性医師14,641名を対象にした研究で、

マルチビタミンによるがんリスク低減効果

というデータが報告されています。



また、

マルチビタミン・ミネラルと死亡率の関係:メタ解析


という報告もあります。




なお、健康増進及び疾病予防には、適切な食習慣や運動習慣が基本であり、サプリメント・健康食品がそれらに置き換わるわけではありません。


医療専門誌によるマルチビタミン摂取の推奨論文としては、次の2つがよく知られています。

(1)NEJM誌(1998)の論説

「Eat Right and Take a Multivitamin」


『適切な食事を摂り、マルチビタミンも利用しましょう』

(神経管欠損症予防、動脈硬化性疾患予防の意義)

(Oakely GP. NEJM. 1998 Editorial )


(2)JAMA誌(2002)の総説

「Vitamins for chronic disease prevention in adults」


『成人は、毎日、マルチビタミンサプリメントを摂取するべき』

(先進国では欠乏症は稀であるが、至適濃度を下回ることのリスクがある。)

(Fletcher.et al. JAMA. 2002 )





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