腎臓病学研究の専門ジャーナルに、慢性維持透析患者におけるL-カルニチンの働きを調べた臨床研究が、札幌の病院から報告されていました。
(
Cardiorenal Med. 2014 Apr;4(1):53-9.)
カルニチンは、アミノ酸誘導体で、食肉(ラム肉)や乳製品に豊富に存在します。
カルニチン(L-カルニチン)は、脂肪の代謝に必要な機能性成分です。
(長鎖脂肪酸は、L-カルニチンと結合することでミトコンドリアに入ります。)
L-カルニチンに関する研究では、中性脂肪やVLDLコレステロールの低下作用、肝臓での脂肪蓄積の抑制、運動能向上作用、肥満での減量など、多彩な働きが示されています。
例えば、
カルニチンによる運動耐用能の亢進@アスリート
という研究も知られています。
また、特定の病態において、治療と併用されることもあります。
例えば、腎疾患患者の血球減少症に対する効果、糖尿病患者での代謝の改善、慢性疲労症候群患者の症状改善、C型肝炎のインターフェロン療法の補助療法などが報告されています。
特に、腎不全によって慢性維持透析を受けている病態では、カルニチン欠乏による障害が知られており、L-カルニチンの摂取が推奨されます。
さて、今回の研究では、
維持透析患者において、
L-カルニチン投与による腎性貧血への作用が検証されました。
具体的には、
12ヶ月のオープンラベル試験として、
維持透析患者20名を対象に、
L-カルニチン(900m/日)を経口投与し、
エリスロポエチン(rHuEPO)の用量は、目標となるヘモグロビン値に対して、必要に応じて、毎月、調整されました。
解析の結果、
まず、
投与3ヶ月後から、
血中遊離L-カルニチン値は有意に上昇、
アシルカルニチン/遊離L-カルニチン比は有意に減少し、試験終了まで持続しました。
ヘモグロビン値およびエリスロポエチン抵抗指数(ERI)には試験期間中、有意な変化は認められませんでした。
一方、
L-カルニチン投与5か月目の時点で、
18名中7名において、ERIの有意な低下が認められ、(レスポンダー)
エリスロポエチンの用量が約40%減少(改善)したということです。
開始時におけるアシル/遊離L-カルニチン比が、レスポンダーとノンレスポンダーの間にみられた相違でした。
以上のデータから、
慢性維持透析患者において、
一部のレスポンダーでは、
L-カルニチン投与によるエリスロポエチン抵抗性の改善効果が示唆されます。
機能性食品素材・サプリメントでは、抗炎症作用や抗酸化作用を有する成分があり、人工透析患者に対する効果が示唆されています。
(
腎不全・維持透析患者のためのサプリメント)
例えば、疫学研究では、魚油/オメガ3系脂肪酸の摂取が多いと、人工透析患者の生存率が向上する、というデータが知られています。
(Am J Kidney Dis. 2011 Aug;58(2):248-56.)
また、
腎不全患者の新規透析用動静脈グラフト術後経過に対する魚油サプリメントの効果を示したランダム化比較試験も示されています。
その他、次のような報告も知られています。
葉酸サプリメントによる末期腎不全患者の死亡率低下効果
腹膜透析患者におけるビタミンCとEの抗酸化作用
維持透析患者でのビタミンEの抗酸化作用
・慢性血液透析患者に対するビタミンD3サプリメントの有用性
・腎不全患者の透析用動静脈グラフトに対する魚油サプリメントの効果
・ビタミンD高値は腎結石症との相関なし
・還元型コエンザイムQ10による腎機能改善作用
・ビタミンD3+カルシウムサプリメントによる効果@慢性腎臓病患者
・ビタミンD不足の腎臓移植患者ではタンパク尿が認められる
・人工透析患者におけるαリポ酸の効果
・ビタミンDによる慢性腎臓病の死亡率低下作用
・末期腎疾患患者におけるビタミンDサプリメントの効果
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