栄養代謝学の専門ジャーナル(電子版)に、2型糖尿病患者において、ナッツ類の摂取と、心臓病リスクとの関連を調べた疫学研究が、カナダのグループから報告されていました。
(
Nutr Metab Cardiovasc Dis. 2014 May 13.)
ナッツ類・種実類は、高カロリーですが、植物性脂質の構成比が生活習慣病のリスク低減に寄与すると考えられます。
今回の研究では、
2型糖尿病における心血管リスクと、ナッツ類摂取との関連が検証されました。
具体的には、
2型糖尿病を有する117名を対象に、
いずれも等カロリー(475 kcal/日)の
・全量ナッツ投与群(50-100 g/d)、
・ナッツとマフィンを半分ずつ投与した群、
・全量マフィン投与群
の3群について、12週間の介入が行われました。
介入前後において、
脂質代謝関連指標が測定されています。
解析の結果、
全量ナッツ投与群では、
対照群に比べて、
オレイン酸(OA)と単価不飽和脂肪酸(MUFAs)の血中濃度の有意な上昇が認められました。
(OA: P = 0.036; MUFAs: P = 0.024)
次に、
脂質構成の変化(OAとMUFA)と、
心血管リスク(中性脂肪の値)との間に有意な負の相関が認められました。
また、MUFAs値の変化と、
血糖コントロール(HbA1c)や空腹時血糖値との間に有意な負の相関も見出されています。
以上のデータから、
2型糖尿病患者において、
ナッツ類(種実類)の摂取は、血中脂質構成を改善し、心血管リスクを低下させると考えられます。
なお、今回の試験では、対照がマフィンのような単純炭水化物と油の摂取になっていますので、有意差が検出しやすいプロトコールではあります。
単価不飽和脂肪酸は、オリーブオイルにも多く含まれる脂質です。
オリーブオイルは、単価不飽和脂肪酸というだけではなく、最近の研究では、
エクストラヴァージン(バージン)オリーブオイルに含まれるファイトケミカル・ポリフェノールによる抗酸化作用の有効性も示されています。
オリーブオイルを多用する地中海食は、心臓病などの生活習慣病の予防効果を示し、抗炎症作用を有する抗炎症ダイエットであることがわかっています。
最近では、
地中海食ランチの食後血糖抑制効果
オリーブオイルとナッツによる心血管リスク低下作用
伝統的地中海食による脂質代謝改善作用
といった研究も知られています。
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