今月の精神医学の専門ジャーナル(電子版)に、重症うつ病に対するオメガ3系必須脂肪酸の有用性を検証したメタ解析が、オランダのグループ(University of Amsterdam)から報告されていました。
(
Transl Psychiatry. 2016 Mar 15)
重症うつ病は、いわゆる難治性疾患であり、医薬品の有用性も限られていることから、
機能性食品成分なども含めた統合医療的アプローチが重要です。
先行研究では、
オメガ3系必須脂肪酸サプリメントによる重症うつ病への補完療法としての有用性が示唆されています。
そこで、
今回のメタ解析では、
重症うつ病でのうつ症状に対するオメガ3系必須脂肪酸サプリメントの効果を調べたランダム化偽薬対照試験が検証されました。
また、回帰分析として、
EPAあるいはDHAの用量と割合、投与期間、抗うつ剤服用者の割合、投与開始時のうつ病の重症度、研究の出版年、研究の質などについても検討されました。
なお、
重症うつ病を有する成人での試験が対象とされました。
(ただし、更年期の被験者やcomorbid MDDは除外。)
主要医学データベース(PubMED/EMBASE)から、
1995報の論文が検出され、
13報の研究から1,233名の被験者のデータが解析されました。
出版バイアス等を考慮した後、メタ解析が行われた結果、
重症うつ病患者におけるうつ症状に対して、
オメガ3系必須脂肪酸サプリメント投与による好影響が見出されたということです。
(SMD=0.398 (0.114-0.682), P=0.006, random-effects model)
また、
メタ回帰分析では、
EPAの用量が多いほど、
(β=0.00037 (0.00009-0.00065), P=0.009)
抗うつ薬の服用者の割合が高いほど、
(β=0.0058 (0.00017-0.01144), P=0.044)
出版年が早いほど
(β=-0.0735 (-0.143 to 0.004), P=0.04)
オメガ3系必須脂肪酸サプリメントによる有用性との有意な相関が認められています。
その他、感度に関する解析も行われました。
以上、今回のメタ解析のデータから、
重症うつ病に対して、オメガ3系必須脂肪酸サプリメント投与による好影響が示唆されること、
特に、
高用量のEPA投与の有用性、
また、
抗うつ剤を服用中の患者群での有用性が示唆されます。
今後、
重症うつ病に対する補完療法としてのオメガ3系必須脂肪酸の有用性の検証
特に、EPAと抗うつ剤とのシナジーの有無や作用機序の検証などが期待される分野です。
DHCでは、うつ病対策に関連したサプリメントを製品化しています。
セントジョーンズワート 30日分
ほがらかな心で毎日をはつらつと
通常価格
\850(税込\918)
うつ病に対する機能性食品・サプリメントの研究として、次のような報告があります。
DHAによる重症うつ病改善作用
うつ病に対するEPAの効果
抗うつ作用のあるサプリメントレビュー
セントジョーンズワートはSSRIと同等の抗うつ作用を示す
うつ病治療におけるセントジョーンズワートの費用対効果
うつ病へのビタミンDサプリメント投与
緑茶による報酬学習の改善と抗うつ作用
野菜と果物の摂取が多い高齢者はうつ病リスクが低い
若年女性における葉酸の抗うつ作用
うつ病ではビタミンDが低値
コーヒーの摂取が女性のうつ病リスクを抑制
ビタミンB群が脳卒中後のうつ病を予防
重症うつ病に対するプロバイオティクスの有用性
ビタミンB群の摂取が多いとうつ病のリスクが低下する
重症うつ病に対するクルクミン(ウコン)の効果:メタ解析
コーヒーの摂取とうつ病リスク低下:メタ解析
------------------------------------------------------------------
サプリメントと医薬品の相互作用ハンドブック―機能性食品の適正使用情報
DHCが日本のサプリを健康にします。
医療関係者のための健康食品情報サイト【DHCサプリメント研究所】
【健康食品FAQ】
DHCが第1位@利用している(利用したい)メーカー(経産省の調査)
------------------------------------------------------------------