今晩、論文を読みながら、NHKの夜の娯楽番組?情報番組?(ためしてなんとか)をちらちらみていました。
コーヒーの健康効果に関する話題でしたが、基本的には娯楽番組なので、紹介されたエビデンスは、かなり詰めの甘いものなので、少し驚きました。
まずは大規模疫学調査ですが、交絡因子を補正できないですし、仮に補正できたとしても、体質(SNPs)や機能性食品のエピジェネティックな変化とかの議論も出てきます。
また、日本で発見されたというふれこみの成分について、日本での介入研究はn=8でした・・・。
後半は、ただの料理番組になっていました。
ずいぶん、久しぶりに見た(ながめた)番組ですが、相変わらずなんだかよくわからない内容と感じました。
日常的な飲料について、エビデンスを俯瞰するとき、
推奨は、
緑茶>>コーヒーでしょう。
アメリカの統合医療関係の学会では、米国人(白人)医師は、朝から普通に緑茶を頼んでいます。
夜のレセプションでは、
赤ワイン>>その他
という順番になります。
(なお、このブログでも、コーヒーの機能性に関するエビデンスは取り上げていますし、コーヒー関するムック本で、最新研究の部分の監修を担当したこともありますので、コーヒーを推奨しないということではありません。)
コーヒーの機能性・健康効果
取材掲載書籍@「コーヒーダイエット」
拙著「這樣喝就會瘦!1天3杯超神效咖啡瘦身法」
さて、本日の私的なお勉強日記です。
今月の米国栄養学会のジャーナルに、食物繊維の摂取と健康への意義に関する学会のポジションステートメントが掲載されていました。
(J Acad Nutr Diet. 2015 Nov;115(11):1861-70.)
食物繊維は、
食後過血糖の抑制(食後血糖値の上昇抑制)による2型糖尿病や肥満の改善、
大腸がん(結腸がん・直腸がん)リスク低下、
抗炎症作用による炎症性腸疾患症状改善
などの機能性が知られています。
(なお、食物繊維の分類は、
水溶性食物繊維、不溶性(難溶性)食物繊維というのが一般的ですが、
最近では、発酵の有無による機能性に注目して、
発酵性食物繊維(fermentable fibers)と非発酵性、という分け方も使われます。
一般に、
発酵性食物繊維は、だいたい、水溶性食物繊維です。)
また、食物繊維は、非消化性炭水化物として分類され、糖質制限食・低炭水化物食では、食物繊維はカロリーにカウントされません。
米国では、
・1,000kcalあたり14グラムの食物繊維の摂取
あるいは
・成人男性では38グラム、成人女性では25g
という摂取基準があります。
食物繊維自体の機能性および食物繊維含有植物性食品の機能性により、
さまざまな疾病予防効果が知られています。
しかし、
米国では、
食物繊維の平均摂取量は、17グラムであり、
かつ、
成人の適正摂取量(Adequate Intakes)を満たしているのは、わずか5%に過ぎません。
ポジションステートメントでは、
健康な成人および小児は、
植物性食品の摂取を増やすことで、
食物繊維の適正摂取量を達成できるとし、
全粒の穀類や豆類、種実、野菜、果物の摂取が推奨されています。
厚労省による国民健康栄養調査では、
日本人の男女とも、一日あたりの食物繊維の摂取不足が示されています。
教科書的には、
もっと食物繊維をとりましょう
となりますが、実際に充足されていない状況が何十年も続いているわけですので、
補完的に、健康食品/サプリメントで食物繊維を補い、健康増進や疾病予防に利用することが合理的と考えます。
DHCでは、食物繊維含有サプリメントを製品化しており、1日1包の摂取で、日本人に不足している食物繊維の量が充足できるように設計されています。
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