今月の栄養学の専門ジャーナル(電子版)に、ココアフラボノイド/カカオポリフェノールによる肌質改善作用を示した臨床研究が、韓国のグループ(Seoul National University)から報告されていました。
(
J Nutr. 2015 Nov 18.)
ココアやチョコレートには、ココア・フラボノイド/カカオ・ポリフェノールが含まれており、ポリフェノールの抗酸化作用を介した機能性が注目されています。
これまでの疫学研究や臨床試験では、高血圧症の改善、心血管疾患(動脈硬化性疾患)リスクの低減、抗がん作用などが報告されています。
さて、今回の研究では、
ココア・フラボノイド/カカオ・ポリフェノールの抗酸化作用を介した光老化への影響が検証されました。
具体的には、
24週間のランダム化二重盲検偽薬対照試験として、
顔面の皮膚に中程度の光老化を有する(視覚的に確認できる顔の皺を有する)43歳から86歳の韓国人女性を対象に、
・ココアフラボノイド( 320mg/日)含有飲料投与群、
・偽薬投与群
の2群について、
肌質(皺、皮膚の弾性、保湿状態)などが12週、24週の時点で測定されています。
主アウトカムは、24週後の肌質(average roughness value)の変化率(%)です。
解析の結果、
24週時点での主アウトカムである肌質の変化に関して、
偽薬群に比べて、
ココアフラボノイド投与群では、
有意な改善効果が見出されたということです。
(roughness value:-8.7 percentage points; 95% CI: -16.1, -1.3 percentage points; P = 0.023)
また、
皮膚の弾性に関しても、両群間に有意差が見出されています。
(12週;9.1 percentage points; 95% CI: 1.5, 16.7 percentage points; P = 0.020)
(24週;8.6 percentage points; 95% CI: 1.0, 16.2 percentage points; P = 0.027)
なお、保湿やバリア機能に関する指標では、両群間に有意差は見出されていません。
以上のデータから、
光老化による顔の皮膚の変化(皺など)に対して、
ココアフラボノイド(320mg/日)摂取による好影響が示唆されます。
チョコレートの機能性について、次のような研究が知られています。
病棟でのチョコレートの生存期間
ダークチョコレートによる脂質代謝改善作用@隠れ肥満女性
ダークチョコレートで歩行距離が改善
チョコレートの摂取と脳卒中リスクの低下:前向き研究とメタ解析
ダークチョコレートによる血管内皮機能改善作用
小児の血圧とダークチョコレート
ココアによる抗炎症作用@肥満症
ココア飲料が善玉コレステロールを増加
健康増進・疾病予防という目的では、カカオの含有量が多いダークチョコレートの摂取がポイントです。
また、ココアパウダーを用いたココア飲料では、糖分の過剰摂取に注意が必要です。
チョコレートポリフェノール/フラボノイドによる高血圧改善効果は、メタ解析でも示されています。
DHCでは、
「おいしい食品カテゴリ」で、チョコレート製品を取り扱っています。
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