今月の栄養学の専門ジャーナルに、リコピンと、メタボリック症候群の死亡率との関連を調べた研究が、米国のグループ(University of Nebraska)から報告されていました。
(
Nutr Res. 2016 May;36(5):402-7.)
メタボリック症候群では、さまざまな生活習慣病の原因となり、死亡率を高めるリスクとなります。
メタボリック症候群の高い死亡率は、酸化ストレスや抗炎症作用の影響が考えられます。
カロテノイド系ファイトケミカルのリコピンは、抗酸化作用や抗炎症作用を有しており、メタボリック症候群の病態改善が示唆されます。
そこで、今回の研究では、
米国の全国健康栄養調査(NHNES)のデータから、
メタボリック症候群の死亡率とリコピンとの関連が検証されました。
具体的には、
20歳以上のメタボリック症候群の患者2,499名を対象に、
血中リコピン値の3分位の各群に関して、
2001年から2006年の間の死亡率との関連が、2011年12月末までフォローアップされ、調べられています。
解析の結果、
平均生存期間は、
血中リコピン値が最高群でもっとも長期でした。
リコピン値が最高値群:
120.6 ヶ月; 95%CI, 118.8-122.3
中位群;
116.3 ヶ月; 95% CI, 115.2-117.4
低位群;
107.4 ヶ月; 95% CI, 106.5-108.3
交絡因子で補正後、
血中リコピン値が最低群に比べて、
最高群では、
メタボリック症候群の死亡率が39%低く、
(HR, 0.61; P = .0113)
中位群では、
33%低い値でした。
(HR, 0.67; P = .0497)
以上のデータから、
メタボリック症候群患者では、
血中リコピン値が高いほど、死亡率が低いという相関が示唆されます。
肥満やメタボリック症候群の病態には、慢性炎症が存在します。
必ずしも減量できなくても、慢性炎症に対して、抗炎症作用を有する機能性食品成分を摂取することで肥満やメタボリック症候群の合併症リスクを低下させることが想定され、その結果として、今回の研究のように、血中リコピン値が高いと、死亡率が低い、という相関が認められると考えられます。
DHCでは、
各種カロテノイドを含む
マルチカロチンの他、
リコピン、
ルテインなども製品化しています。
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