栄養学の専門ジャーナルに、緑茶に含まれる機能性アミノ酸、L-テアニンによるストレス軽減作用を示した臨床研究が、オーストラリアと米国のグループから報告されていました。
(
Nutrients. 2016 Jan 19;8(1))
テアニン(L-テアニン、L-theanine、γ-glutamylethylamid)は、緑茶に含まれる機能性アミノ酸の1つです。
リラックス作用、抗ストレス作用が知られています。
今回の研究では、
テアニン含有栄養飲料摂取による認知ストレスに対する気分/感情反応、認知機能などが調べられました。
具体的には、
ランダム化偽薬対照二重盲検クロスオーバー試験として、
18〜40歳の健康な成人34名を対象に、
テアニン含有飲料が、単回、投与されました。
試験飲料は、430 mLであり、
L-テアニンは200mg含まれています。
(その他に、alpha GPC; 25 mg, PS 1 mg、細粒化カモミール10 mg)
(毎回、試験日の11AMに実験室到着、11:30AMに軽食、
12:00に実薬あるいは偽薬を摂取、というプロトコールです。)
ストレス反応に関する指標が、投与前、1時間後、3時間後に測定されています。
解析の結果、
主アウトカムである、マルチタスク認知ストレス負荷への主観的ストレス反応は、
偽薬投与群に比べて、
L-テアニン含有飲料投与群において、摂取1時間後に有意な減少が認められました。
また、
ストレスに対する唾液中のコルチゾール反応は、テアニン投与3時間後の時点で減少が認められています。
なお、認知機能には有意な変化は認められませんでした。
安静時のアルファ波活動は、投与2時間の時点で、偽薬群よりもテアニン群において有意に亢進していました。
(ただし、これは、特定の不安状態において認められています。また、アルファ波の変化は、主観的ストレス反応やコルチゾール反応とは相関していませんでした。)
以上のデータから、
L-テアニンの単回投与による抗ストレス作用が示唆されます。
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